2021-09-01から1ヶ月間の記事一覧
東京神楽坂のeitoeikoで「デストロイ・オール・モンスターズ」が開かれている(10月16日まで)。副題が「日本をめぐる4つの展覧会 第2回」というもの。ギャラリーのホームページから、 国内外で活動する総勢7名の作家によるグループ展です。タイトルは1968…
東京京橋のギャラリーなつかで「たまびやき」展が開かれている(10月2日まで)。「たまびやき」は、毎年ギャラリーなつかで開かれる多摩美術大学工芸学科/陶/選抜作品展だ。今年は学部4年生が4人、3年生が2人参加している。 4年生の作品から、作家の言…
岩合光昭の『日本の猫』カレンダーは平凡社が発行している。9月は愛知県佐久島の猫だ。キャプションが、次のようになっている。 暖かな午後、広場に集まります。あとから来たメスが挨拶します。 これから得られる情報は左側の猫がメスだということくらいだ…
昨日紹介した「商品」を作り続ける作家たちに関連して、10年ほど前に紹介した辻井喬・上野千鶴子「ポスト消費社会のゆくえ」(文春新書)の一部を再録する。辻井喬は西部デパート・セゾングループの創立者堤清二の文学作品を発表するときのペンネーム。 辻井…
赤瀬川原平『反芸術アンパン』(ちくま文庫)に興味深い記述があった。 1960年代の赤瀬川らネオダダのグループの作品は売れなかった。彼らは当時の作風を変えて新しい方向へ進んでいった。赤瀬川がそのことを外国の作家たちと比較した。 不思議に思うのは、…
中村葉子の詩集『夜、ながい電車に乗って』(ポプラ社)を読んだ。その中に「口ずさむ」という詩がある。その全文を引く。 口ずさむ わたしには「口ずさむ詩」がある。 いつも生活の中心に詩があった。 電車に乗ってどこかへ行く途中の、眠たい朝に。 昼下が…
ちらし 東京京橋のギャラリイKで崔恵貞(チェ・ヘジョン)展が開かれている(9月25日まで)。崔は韓国の作家で、2002年にソウル大学校/美術大学彫塑化科を卒業し、2009年にはフランスのEcole Emile Cohlを、また2020年にはソウル市立大学校修士を卒業して…
東京京橋のギャラリーなつかで平田達哉展「表現の汽水域」が開かれている(9月25日まで)。平田は1961年、北海道遠軽町生まれ。1984年、金沢美術工芸大学美術科油画専攻を4年次で中退。この年、スペインのグラナダで2人展を開く。1991〜93年、イタリアで…
東京銀座のGSIXの蔦屋書店のGINZA ATRIUMでタムラサトル展「TOKYO マシーン」が開かれている(9月23日まで)。タムラは1972年栃木県生まれ、1995年に筑波大学芸術専⾨学群 総合造形を卒業している。主な個展としてギャラリーのホームページに栃木県立美術館…
【ヤナギルリハムシ】 昨年、有楽町マリオンの前の植え込みにヤナギルリハムシの被害を見つけた。今年はどうかと思って見に行くとヤナギルリハムシが寄生していて、成虫のほかに幼虫も見られた。もう10年くらい前になるが、銀座柳通りのヤナギにもこの害虫が…
赤瀬川原平『反芸術アンパン』(ちくま文庫)を読む。タイトルからは分かりにくいが、読売アンデパンダン展を回顧したもの。面白くてとても勉強になった。 読売アンデパンダン展は、日本美術会の主宰する日本アンデパンダン展に1年遅れて、1949年に第1回展が…
黒澤和子『パパ、黒澤明』(文春文庫)を読む。先に読んだ同じ著者の『回想 黒澤明』(中公新書)はイマイチだったが、本書は面白かった。『回想~』がパパについて書いた3冊目だったのに対して本書は監督が亡くなって1年後に書いたもので、書きたいことがい…
DM葉書 東京京橋のギャルリ東京ユマニテbisで飯島祐奈展「石でキリトル」が開かれている(9月25日まで)。飯島は1995年東京都生まれ、2018年女子美術大学芸術学部美術学科立体アート専攻卒業、2021年同大学大学院美術研究科博士前期課程美術専攻立体芸術研…
DM葉書 東京銀座のうしお画廊で淀井彩子展―色彩・時間 2021-が開かれている(9月25日まで)。淀井は1966年に東京芸術大学美術学部油画科を卒業し、1968年に同大学大学院油画専攻を修了している。その後フランス政府給費留学生としてパリに留学。2011年まで…
東京銀座のギャラリー枝香庵で浜田浄展が開かれている(9月25日まで)。浜田は1937年高知県出身、1961年に多摩美術大学美術学部油画専攻を卒業している。2015年には練馬区立美術館で個展が開かれている。 枝香庵には3つのスペースがあり、最上階では新作が…
東京銀座のギャラリー58で「秋山祐徳太子と東京都知事選許」展が開かれている(10月9日まで)。秋山は1935年東京都生まれ、昨年4月3日に85歳で亡くなった。1960年武蔵野美術学校(現武蔵野美術大学)彫刻科を卒業。工業デザイナーとして大手電機メーカー…
DM葉書 東京銀座の藍画廊で阿片陽介展が開かれている(9月18日まで)。阿片は1987年神奈川県生まれ、2010年に多摩美術大学美術学部工芸学科陶専攻を卒業し、2017年に筑波大学大学院博士前期課程芸術専攻総合造形領域を修了している。2015年に藍画廊で初個展…
竹内康浩・朴舜起『謎ときサリンジャー』(新潮選書)を読む。副題が「’自殺’したのは誰なのか」。 帯の推薦文より、 これはすごい。画期的という単語が陳腐に思えるほど、画期的。(恩田陸) 興奮した。グラス家の物語に目を凝らせ! 耳を澄ませ! (若島正…
スタニスワフ・レム『完全な真空』(河出文庫)を読む。今日9月12日はスタニスワフ・レムの誕生日、1921年生まれだから生誕100年になる。 本書は奇妙な短篇集で、すべて架空の本の書評集という体裁だ。350ページに16篇が収録されている。書評としても短くは…
DM葉書 東京高円寺のポルトリブレ デ・ノーヴォで郡司宏遺作展が開かれている(9月20日まで)。郡司は1952年東京都生まれ、始め版画を制作していたが、30年以上前からタブローを発表している。個展は1985年のシロタ画廊をはじめ、空想ガレリア、中和ギャラ…
DM葉書 東京銀座のコバヤシ画廊で村上早展が開かれている(9月18日まで)。村上は1992年群馬県生まれ。2014年に武蔵野美術大学造形学部油絵学科版画専攻を卒業し、2017年同大学大学院博士後期課程中退。毎年コバヤシ画廊で個展を続けていて今年が6回目にな…
黒澤和子『回想 黒澤明』(中公新書)を読む。娘が父親の思い出を書いている。黒澤監督の晩年作『夢』『八月の狂詩曲』『まあだだよ』の3作で衣装担当としてスタッフに加わった。 雑誌『中央公論』の2003年の1年間にわたって連載した。その際、「反抗する」…
池上彰・佐藤優『真説 日本左翼史』(講談社現代新書)を読む。副題が「戦後左派の源流 1945-1960」というもの。池上と佐藤が対談して、戦後から60年安保までの日本の左翼の動きを概括している。これがとてもよく整理されていて、教えられることが多々ある…
東京京橋のギャラリー檜Fで柴崎和也展が開かれている(9月11日まで)。柴崎は1982年、大阪府生まれ。2012年に多摩美術大学大学院美術研究科を修了している。2010年にギャラリー檜B・Cで初個展。その後ガレリア・グラフィカbisやギャラリー檜グループ、ギャ…
パックで買ったプルーンの1個にカビが生えていた。これは灰色かび病で、灰色かび病菌(Botrytis cinerea)によって発生する。灰色かび病菌は多犯性で、様々な作物に寄生する。ブドウや桃、桜桃、ナス、トマト、イチゴ、バラ、その他多くの野菜や花きなど。 …
DM葉書 東京神田神保町の文房堂ギャラリーとボヘミアンズ・ギルドで大西茅布展が開かれていた(9月4日まで)。大西は2003年大阪府生まれ、今年最年少で岡本太郎賞を受賞し、4月には東京藝術大学絵画科油画に現役合格した。今回ボヘミアンズ・ギルドが主催…
DM葉書 東京日本橋小舟町のガルリH(アッシュ)で古井彩夏展「面と線と函」が開かれている(9月11日まで)。古井は1988年東京都生まれ、2011年に女子美術大学立体アート学科を卒業し、2013年に女子美術大学大学院立体芸術研究領域を修了している。個展は200…
中上健次『一八歳、海へ』(集英社文庫)を読む。中上の初期短篇集だ。あとがきで中上が18歳から23歳にかけて書いたと綴っている。実に下手な短篇集だった。比喩を練っているが生硬なものに留まっている。「愛のような」は安部公房ばりの設定かと読み進めた…
エルメスビル外壁 東京銀座の銀座メゾンエルメス フォーラムでジュリオ・ル・パルク展が開かれている(11月30日まで)。ル・パルクは1928年アルゼンチン生まれ、1958年にフランスへ移住、以来同地を拠点に制作を続けている。日本では今回が初個展となる。 エ…