2022-05-01から1ヶ月間の記事一覧

ギャラリーN神田社宅の折原智恵展「続・死なないセレモニー」を見る

東京神田のギャラリーN神田社宅で折原智恵展「続・死なないセレモニー」が開かれている(6月4日まで)。折原は1991年、埼玉県の煎餅屋の4人兄弟の末っ子として生まれる。2015年多摩美術大学工芸科陶専攻卒業、2017年東京藝術大学大学院美術研究科先端表現…

ギャルリー東京ユマニテbisの保坂航子展を見る

東京京橋のギャルリー東京ユマニテbisで保坂航子展が開かれている(6月4日まで)。保坂は福島県生まれ、2016年武蔵野美術大学大学院造形研究科修士課程彫刻コースを修了している。2007年ギャラリー山口で初個展、2016年よりここギャルリー東京ユマニテbis…

イケムラレイコ+塩田千春『手の中に抱く宇宙』を読む

イケムラレイコ+塩田千春『手の中に抱く宇宙』を読む。発行がカルチュア・コンビニエンス・クラブと美術出版社デザインセンター、発売が美術出版社となっている。 イケムラと塩田がドイツの二人の自宅やアトリエで、2021年の1月から2月に5回に渡って対話し…

ポーラ ミュージアム アネックスの流麻二果展を見る

東京銀座のポーラ ミュージアム アネックスで流麻二果展が開かれている(5月29日まで)。流は1975年、彫刻家流政之の娘として生まれ、女子美術大学芸術学部絵画科洋画専攻を卒業している。その後公立美術館などで個展を行っていて、現在きわめて評価の高い…

ギャラリーゴトウの森本秀樹展を見る

DM葉書 東京銀座のギャラリーゴトウで森本秀樹展が開かれている(5月31日まで)。森本は1951年、愛媛県宇和島出身。ギャラリー汲美をはじめ、ギャラリーゴトウ、小田急デパートなど数多くの個展を行っている。 ギャラリー正面に80号の大作が展示されている…

千駄木ガレージの井上活魂 吊り書展を見る

東京千駄木の千駄木ガレージで井上活魂 吊り書展が開かれている(5月29日まで)。井上は2年前もサイト青山で「吊り書展」をやっていた。今回もギャラリーの壁一面に「書」が掲げられている。それを読んでみる。 歯がボロボロ 古いおいか わ歯科に行く しし…

ギャルリ・シェーヌの滝田朝江展を見る

東京銀座のギャルリ・シェーヌで滝田朝江展が開かれている(5月28日まで)。滝田の詳しい履歴は知らないが、このギャルリ・シェーヌの前身ガレリア・グラフィカbisで何度も個展をしてきた画家で、娘さんも銀座の画廊で繰り返し個展をしているので、それなり…

コバヤシ画廊の為荘真吾展を見る

東京銀座のコバヤシ画廊で為荘真吾展が開かれている(5月28日まで)。為荘は1978年東京都生まれ、2005年に武蔵野美術大学造形学部日本画科を卒業し、2007年に同大学大学院造形研究科美術専攻日本画コースを修了している。2007年以降個展を繰返し、コバヤシ…

ギャラリー川船の角居康宏展を見る

東京京橋のギャラリー川船で角居康宏展が開かれている(5月28日まで)。角居は1968年石川県生まれ、1993年金澤美術工芸大学美術工芸学部デザイン専攻を卒業している。その後全国各地のギャラリーで個展を開いている。川船では6年ぶりの個展となる。 作品は…

ディートマー・エルガー『評伝 ゲルハルト・リヒター』を読む

ディートマー・エルガー『評伝 ゲルハルト・リヒター』(美術出版社)を読む。リヒターは「ドイツが生んだ現代で最も重要な画家」(東京国立近代美術館のちらし)と言われている。1932年ドイツのドレスデンで生まれた。第2次世界大戦の結果ドレスデンは東ド…

毎日新聞の書評から

先週5月14日付けの毎日新聞の書評は私には当りだった。読みたいと思った本が5冊も紹介されていた。 *新井潤美『英語の階級』(講談社選書メチエ)評者:村上陽一郎 村上が「この本、メッチャ面白い!」と書く。 「サッカー」と「フットボール」。日本では…

山田風太郎『同日同刻』を読む

山田風太郎『同日同刻』(ちくま文庫)を読む。副題が「太平洋戦争開戦の一日と終戦の十五日」というもの。解説に高井有一が書いている。 『同日同刻』は、太平洋戦争の最初の一日と、最後の十五日間に、日本、アメリカ、ヨーロッパの各地で起つた出来事を、…

西脇順三郎『Ambarvaria 旅人かへらず』を読む

西脇順三郎『Ambarvaria 旅人かへらず』(講談社文芸文庫)を読む。初期の詩集『Ambarvaria(アムバルワリア)』と戦後すぐに発表した『旅人かへらず』の2冊をまとめたもの。 『Ambarvaria』は華麗なイメージと修辞が見事な詩集で、田村隆一も影響をうけたと…

『小林秀雄 江藤淳 全対話』を読む

『小林秀雄 江藤淳 全対話』(中公文庫)を読む。17年間に行った5回の対談を網羅したもの。文庫オリジナルという。 一応日本を代表する知性の対談で楽しみにして読んだが、柄谷行人の濃密な対談を読んだ後では、慣れ合った二人のスカスカの雑談を読まされて…

ギャルリー東京ユマニテbisの日高衣紅個展を見る

東京京橋のギャルリー東京ユマニテbisで日高衣紅個展が開かれている(5月21日まで)。日高は2012年多摩美術大学版画専攻を卒業し、2015年筑波大学人間総合研究博士課程に入学し、2016年国立台湾藝術大学へ1年間の交換留学、2018年に筑波大学大学院前期博士課…

ガルリSOLの上原佳代彫刻展を見る

東京銀座のガルリSOLで上原佳代彫刻展が開かれている(5月28日まで)。上原は1965年生まれ、千葉大学法経学部を卒業し、その後美術研究所民美で学び、さらに武蔵野美術大学短期大学通信教育学部を卒業している。1995年から日本アンデパンダン展に出品し、こ…

柄谷行人『柄谷行人対話篇Ⅱ 1984-88』を読む

柄谷行人『柄谷行人対話篇Ⅱ 1984-88』(講談社文芸文庫)を読む。柄谷が対談の相手に選んでいるのは、木村敏、小林登、岩井克人、大岡昇平、子安宣邦、リービ英雄の6人。いずれも極めて高度な内容で、対談ながら読み進むのが大変だった。 木村敏との対談、 …

金井美恵子『新・目白雑録』を読む

金井美恵子『新・目白雑録』(平凡社)を読む。金井の『目白雑録』シリーズは朝日新聞出版のPR誌『一冊の本』に連載されていて、ある分量が貯まると朝日新聞出版から単行本が出版されてきた。単行本は5巻まで発行され、しばらくするとそれが朝日文庫になって…

コバヤシ画廊の服部繭展を見る

東京銀座のコバヤシ画廊で服部繭展が開かれている(5月14日まで)。服部は福島県生まれ、日展審査員伊藤応久、芸術院会員織田廣喜、フランスのポール・アンビーヌに師事している。1984年にル・サロン初入選、1991年兜屋画廊で初個展、その後ギャラリーなつ…

高島屋日本橋本店美術画廊Xの重野克明展を見る

東京日本橋高島屋6階美術画廊Xで重野克明展「新作猫画展 あそぼうよ!」が開かれている(5月23日まで)。重野は1975年千葉市生まれ、2003年に東京藝術大学大学院修士課程美術研究版画専攻を修了している。主に77ギャラリーで個展を開いているが、高島屋美術…

ガルリH(アッシュ)の飯島祐奈展を見る

東京日本橋小舟町のガルリH(アッシュ)で飯島祐奈展「石があった場所」が開かれている(5月21日まで)。飯島は1995年東京都生まれ、2018年女子美術大学芸術学部美術学科立体アート専攻卒業、2021年同大学大学院美術研究科博士前期課程美術専攻立体芸術研究…

ギャラリーGKの柴田和「入札展示会」を見る

東京銀座のギャラリーGKで柴田和「入札展示会」が始まった(5月14日まで)。柴田は1934年生まれ、帝国美術学校(武蔵野美術大学の前身)を卒業。1960年代、美術グループ乱立の時代はネオ・ダダのメンバーらとも一緒に活動していた。1963年、最後の読売アン…

東京画廊+BTAPの朴栖甫展を見る

東京銀座の東京画廊+BTAPで朴栖甫(Park Seo-Bo)展が開かれていた(5月7日まで)。ギャラリーのホームページより、 朴栖甫(Park Seo-Bo)は1931年、韓国の慶尚北道醴泉生まれ、1954年に弘益大学美術学部絵画科を卒業し、モノクロームの線画や韓紙の質感…

浅野貞夫植物生態図という絵葉書

「浅野貞夫植物生態図」という絵葉書がある。精密な線描で植物の生態を描いている。浅野貞夫は植物学者で、文章なしで植物を表現することを心掛けた。地上部はもとより、花や果実、種子、地下部までを1枚の図に描き表わした。そのために時に何年もかけて図を…

坂井律子『〈いのち〉とがん』を読む

坂井律子『〈いのち〉とがん』(岩波新書)を読む。副題が「患者となって考えたこと」。坂井はNHKのプロデューサーとして活躍していた2016年、突然膵臓がんだと診断される。東大病院の肝胆膵外科に入院する。手術時間8時間、膵臓のがんはすべて取り切ること…

『ドライブ・マイ・カー』の濱口竜介監督に対する蓮實重彦の評価

蓮實重彦が『ちくま』2022年5月号の連載エッセイ「些事こだわり」にアカデミー賞と濱口竜介について書いている。 ……アカデミックな姿勢とはいっさい無援の、その呼称にはまったくふさわしからぬ年に一度のハリウッドの映画的かつ空疎きわまりない祭典には、…

JINENギャラリーの生頼制作所展を見る

東京日本橋小伝馬町のJINENギャラリーで生頼制作所展が開かれている(5月15日まで)。生頼(おおらい)制作所とは、オーライタローとおおらいみえこ夫妻が2014年より始めた家内制美術団体の名称。つまりオーライタローとおおらいみえこ展を意味している。二…

金井美恵子『〈3・11〉はどう語られたか』を読む

金井美恵子『〈3・11〉はどう語られたか』(平凡社ライブラリー)を読む。購入してよく見たら、本書は9年前に朝日新聞出版から発行された『目白雑録5 小さいもの、大きいこと』のタイトルを変えての再発行だった。すでに1度読んでいたし、ブログにも紹介し…

コバヤシ画廊の前本彰子展を見る

東京銀座のコバヤシ画廊で前本彰子展「極楽水宮」が開かれている(5月7日まで)。前本は1957年石川県に生まれる。1980年京都精華短期大学絵画専攻科卒業、1982年Bゼミスクール修了。1983年よりコバヤシ画廊をはじめ個展多数。 画廊の中央に大きなドレスが…

津野海太郎『編集の提案』を読む

津野海太郎『編集の提案』(黒鳥社)を読む。津野の編集に関する古い文章を編集の宮田文久が拾い出して1冊にまとめている。津野は50年ほど前、演劇集団68/71(後の黒テント)の演出を手掛け、また晶文社の編集者として晶文社の出版方針を先導したという印象…