ギャルリー東京ユマニテbisの保坂航子展を見る

 東京京橋のギャルリー東京ユマニテbisで保坂航子展が開かれている(6月4日まで)。保坂は福島県生まれ、2016年武蔵野美術大学大学院造形研究科修士課程彫刻コースを修了している。2007年ギャラリー山口で初個展、2016年よりここギャルリー東京ユマニテbisでもう7回個展を繰り返している。2020年にいりや画廊でも個展。

 保坂のコメント、

 

私は長らく「彫刻」という表現手段に霊性を与えようとしてきた。具象・抽象を問わず、彫刻には表現されたものの価値を変換し、物質を超えた“何か”を体感させるスピリチュアルな造形要素がある。

私の表現しようというテーマには、貝殻、石ころ、植物や波に洗われて原形を失った漂流物等…、パンや米粒、穀物、光や影といった天気に纏わるものたち、音、季節等…が登場するがこれらは日々の生活の断片であり、細々としたものとして表現されている。そうかと思えば、自然の森羅万象や天変地夭を予期させるものまでテーマとして扱われている。これは、私の人生経験で得た自然観であり、無常である。自然のテーマに属するものたちは、海の波飛沫や水の流れ、生々流転、砂丘のイメージで巨大である。

 



 画廊には石彫作品とブロンズ作品が並んでいる。保坂はまず石彫を作り、それから型を取りブロンズを制作している。だから同じ形の石とブロンズが並べられている。興味深い制作方法だと思う。

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保坂航子展

2022年5月30日(月)―6月4日(土)

10:30-18:30(最終日は17:00まで)

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ギャルリー東京ユマニテbis

東京都中央区京橋3-5-3 京栄ビルB1F

電話03-3562-1305

https://g-tokyohumanite.com