2018-09-01から1ヶ月間の記事一覧

香原志勢『動作』を読む

香原志勢『動作』(講談社現代新書)を読む。副題が「都市空間の行動学」で、著者の専攻は人類行動学。内容を目次から見ると、 「車内にて――閉鎖移動空間の過ごし方」 「盛り場にて――分身・変身を求めて」 「会議室にて――無為のしぐさを読む能力」 「歌舞伎…

アートギャラリー道玄坂の山本弘展が終了した

渋谷のアートギャラリー道玄坂の山本弘展が終了した。6日間で100人弱の方たちが見てくれて、ほとんどの方から高く評価された。とくに画家の方たちからは、山本の作品のどこが良いのか教えていただいた。自分の未熟さを痛感した。 また久しぶりに会うことがで…

アートギャラリー道玄坂の山本弘展の不思議な絵

渋谷のアートギャラリー道玄坂の山本弘展の4日目が終わった。美術評論家の宮田徹也さんが作品の写真とともにFacebookに紹介してくれた。 こんな凄い作品を目の当たりにできるチャンスはそうそうありません。是非とも足を運んで確かめて下さい。 それを受け…

アートギャラリー道玄坂の山本弘展の作品いくつか

渋谷のアートギャラリー道玄坂の山本弘展の3日目が終わった。展示作品のいくつかを紹介する。 ・ 「薮」F20号 「婦人像」F15号 「銀杏」F20号 「壺」F6号 「河」F20号 「削道A」F20号 「削道AB」F30号 「第三病棟」F50号 「題不詳」F10号 「窓」F10号 「土…

アートギャラリー道玄坂の山本弘展2日目

渋谷のアートギャラリー道玄坂の山本弘展の2日目が終わった。渋谷マークシティを出ると右前方にギャラリーの看板が見える。 展示の室内の分を並べてみる。このほかに6点飾っている。 「第3病棟」 左から「ピエロ」「絣」「カッパ」「隧道」「沼辺」 左から…

山本弘展の準備完了

明日9月24日から渋谷のアートギャラリー道玄坂で山本弘展が始まる(9月29日まで)。本日23日はその展示を行った。50号から3号まで30点余を展示した。なかなか良い個展になったと画廊主と二人で喜んだ。 多くの人に見てもらいたい。 ・ 展覧会会期は9月24日(…

山本弘の作品解説(85)「薮」

山本弘「薮」、油彩、F20号(72.7cm×61.0cm) 1978年制作。20号の比較的大きな画面にパレットナイフで右上から左下へ描きなぐったような茶色が走る。山本の不定形な自然を抽象画的に描くシリーズの一つだ。同じような作品は、霧を描いた「種畜場」、降雨を描…

山本弘展のリーフレット

9月24日(月・祝日)−29日(土)まで渋谷のアートギャラリー道玄坂で山本弘展を開きます。そのリーフレットができました。 そのテキストは下記のとおりです。 山本弘は1930年(昭和5年)に長野県神稲村(現豊丘村)に、山本里二と千春の次男として生まれた。…

TOKAS hongoの堀 園実展「なみうちぎわの協和音」を見る

TOKAS hongo(トーキョーアーツアンドスペース本郷)で堀 園実展「なみうちぎわの協和音」が開かれている(9月24日まで)。堀は1985年静岡県生まれ、2009年に沖縄県立藝術大学大学院彫刻専修を修了している。私は2010年のガレリア・グラフィカbisでの初個展…

青柳貴史『硯の中の地球を歩く』を読む

青�尹貴史『硯の中の地球を歩く』(左右社)を読む。青�尹は東京浅草で硯を作っている職人だ。祖父も父も硯を作っていた。その硯の魅力を自分の体験を具体的に書きながら教えてくれる。 父の助手として中国へ石を集めに行く。深い山へ入り硯に適した石を探す…

横内謙介戯曲集『愚者には見えないラ・マンチャの王様の裸』を読む

横内謙介戯曲集『愚者には見えないラ・マンチャの王様の裸』(テアトロ)を読む。先月、信濃町の文学座アトリエの文学座附属演劇研究所研修科発表会でこの芝居を見た。演出が小林勝也だった。 芝居はアンデルセンの『はだかの王様』やセルバンテスの『ドン・…

ギャラリーQの井上修策展「-creature-」を見る

東京銀座のギャラリーQで井上修策展「-creature-」が開かれている(9月22日まで)。井上は1984年に武蔵野美術大学造形学部油絵学科を卒業している。長年ギャラリー現で個展を開いていたが、昨年ギャラリー現が閉廊したため今年はギャラリーQで開催している。…

井上ひさし『一週間』を読む

井上ひさし『一週間』(新潮文庫)を読む。裏表紙の惹句から、 スパイMの奸計により逮捕され共産党から転向した小松修吉は、Mを追って満洲に渡り、終戦後捕虜となる。昭和21年早春。ハバロフスクの日本新聞社に移送された修吉は、脱走に失敗した軍医の手記を…

アートセンター・オンゴーイングの高橋大輔展「自画像」を見る

東京吉祥寺のアートセンター・オンゴーイングで高橋大輔展「自画像」が開かれている(9月16日まで)。高橋は1980年埼玉県生まれ。2005年に東京造形大学絵画専攻を卒業している。主な個展は、switch point、トキ・アートスペース、LOOP HOLE、T&Sギャラリー、…

鴻巣友季子『翻訳ってなんだろう?』を読む

鴻巣友季子『翻訳ってなんだろう?』(ちくまプリマ―新書)を読む。副題が「あの名作を訳してみる」とあり、10冊の英語の小説の一部を実際に訳している。その10冊は、 モンゴメリ『赤毛のアン』 ルイス・キャロル『不思議の国のアリス』 エミリー・ブロンテ…

アンドーギャラリーの中沢研展を見る

東京江東区の木場公園近くのアンドーギャラリーで中沢研展が開かれている(11月24日まで)。中沢は1970年東京生まれ、1994年に多摩美術大学大学院美術研究科絵画専攻を修了している。1992年にINAXギャラリー2で個展を開いた後、ギャラリー現やギャラリー山口…

ぎゃらりー由芽の山崎康譽展「Marks」を見る

東京三鷹のぎゃらりー由芽で山崎康譽展「Marks」が開かれている(9月23日まで)。山崎は1952年東京生まれ、1978年に東京学芸大学大学院を修了している。その後バングラデシュ国立芸術大学へ留学してリトグラフを学んだ。1979年にバングラデシュのダッカで初…

コバヤシ画廊の佐藤希展「樹々をぬけて」を見る

東京銀座のコバヤシ画廊で佐藤希展「樹々をぬけて」が開かれている(9月15日まで)。佐藤は1986年神奈川県生まれ、2011年武蔵野美術大学造形学部日本画学科を卒業し、2013年同大学大学院造形研究科美術専攻日本画コースを修了、2013-2017年武蔵野美術大学日…

河合隼雄『河合隼雄語録』を読む

河合隼雄『河合隼雄語録』(岩波現代文庫)を読む。息子の河合俊雄編集。本書は1974年から1976年にかけての京都大学臨床心理学教室での心理療法の事例検討会における河合隼雄のコメントをまとめたもの。当時大学院生であった藤縄真理子がそれを録音していて…

佐藤康宏「三つの絞首刑」

東京大学出版会のPR誌『UP』に佐藤康宏が「日本美術史不案内」という連載を書いている。9月号は「三つの絞首刑」と題してオウム真理教の教祖と幹部13名が死刑執行されたことを取り上げている。 2018年7月6日、オウム真理教の教祖と幹部の計7名が絞首刑に処せ…

加藤周一対談集『歴史・科学・現代』を読む

加藤周一対談集『歴史・科学・現代』(ちくま学芸文庫)を読む。加藤が丸山眞男、湯川秀樹、久野収、渡辺一夫、笠原芳光、サルトル、西嶋定生ら錚々たる学者たちと対談したものを集めている。初版の単行本を編集した鷲巣力が解説を書いていて、当時対談集と…

高知県人は話を盛るか?

東京大学出版会のPR誌『UP』9月号に須藤靖の「注文の多い雑文 その43」が載っている。今回のテーマは「アインシュタインは本当に『人生最大の失敗』と言ったのか」となっている。 一般相対論にしたがえば、この宇宙は時間変化することが予言される。つまり、…

すゞしろ日記

東京大学出版会のPR誌『UP』9月号の山口晃の連載漫画「すゞしろ日記」はダジャレで始まる。 1コマ目 四の玉湧く/やや/ぷかっ 2コマ目 もとい、子曰く、 3コマ目 三十而立、四十而不惑と続く論語の例のくだり そろそろ天命を知るのか……天命って何だ……? …

山本弘展のDM葉書

山本弘展のDM葉書が出来上がった。 展覧会会期は9月24日(月・祝日)−9月29日(土) 11:00−18:00(最終日は17:00まで) 会場は去年と同じ、アートギャラリー道玄坂 東京都渋谷区道玄坂1-15-3 プリメーラ道玄坂102 電話03-5728-2101 http://www.artshibuya…

芥川喜好『時の余白に 続』を読む

芥川喜好『時の余白に 続』(みすず書房)を読む。芥川は1948年長野県飯田市生まれの東京育ち。早稲田大学を卒業し、読売新聞社へ入社。水戸支局を経て東京本社文化部で美術展評、日曜版美術連載企画などを担当と著者略歴にある。 本書は毎月1回読売新聞に…

大道寺将司の獄中詠

朝日俳壇のコラムに宇多喜代子が「うたをよむ 獄中詠をこえて」と題して大道寺将司について書いている(9月2日)。 大道寺は1970年代の連続企業爆破事件にかかわる確定死刑囚となり、40余年を獄で過ごした。獄中で多発性骨髄腫を発症、2017年5月に東京拘置所…

『大江健三郎 柄谷行人 全対話』を読む

『大江健三郎 柄谷行人 全対話』(講談社)を読む。副題が「世界と日本と日本人」、6月に出版されたばかりの新しい本だが、対談を行ったのは、1994年と95年と96年の3回、もう20年以上前になる。まえがきで柄谷が「読み返してみると、別に古びた感じはしなか…