2017-02-01から1ヶ月間の記事一覧

ガルリSOLの寺田和幸展を見る

東京銀座のガルリSOLで寺田和幸展が開かれている(3月11日まで)。画廊に一歩足を踏み入れてすぐ優れた作品だと分かった。あらためて履歴を見ると、1946年福岡県出身、1979年東京藝術大学卒業(大橋賞受賞)、1981年同大学大学院修了とある。現在東京家政大…

池内紀『亡き人へのレクイエム』を読む

池内紀『亡き人へのレクイエム』(みすず書房)を読む。追悼文集が好きで今まで何冊も読んできた。目次を見ると28人の名前が並んでいる。興味を引かれた名前を挙げれば、種村季弘、須賀敦子、木田元、米原万里、赤瀬川原平、山口昌男、野呂邦暢などだ。しか…

瀬木慎一『戦後空白期の美術』を読む

瀬木慎一『戦後空白期の美術』(思潮社)を読む。戦争後期から1963年の最後の第15回読売アンデパンダン展までのほぼ20年間の日本の美術界を扱っている。 全25章からなっていることから分かるように、戦後20年間に限ってたくさんのテーマを語っている。第5章…

加藤陽子『とめられなかった戦争』を読む

加藤陽子『とめられなかった戦争』(文春文庫)を読む。加藤は 以前、『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』を読んで大変感動した記憶があり、このブログにも紹介した。 本書は、2011年にNHK教育テレビで4回にわたって放送された内容を活字にしたものだ。…

吉岡まさみのトークショー「プロになる」を聞く

現在銀座を中心に15軒の画廊で「東北芸術工科大学 アートウォーク2017」が開かれている(2月25日まで)。これは東北芸術工科大学の卒業生支援のプログラムで、主に個展形式で卒業生の展覧会が開かれている。その一環として2月23日にSteps ギャラリーで、そこ…

ガレリア・グラフィカbisの田中幹展を見る

東京銀座のガレリア・グラフィカbisで田中幹展が開かれている(2月25日まで)。鉄で作られた抽象彫刻展だ。田中は1982年、神奈川県生まれ。2006年に多摩美術大学美術学部工芸学科を卒業している。2008年にここガレリア・グラフィカbisで初個展、その後横浜の…

ギャラリー檜Cの山本圭子展を見る

東京京橋のギャラリー檜Cで山本圭子展が開かれている(2月25日まで)。山本は1982年静岡県生まれ、2005年に東北芸術工科大学彫刻コースを卒業し、2007年に同大学大学院彫刻領域を修了している。個展は2015年のガレリア・グラフィカbis、昨年のART FOP THOUGT…

Oギャラリー「選選展」の山田栞子がおもしろい

東京銀座のOギャラリーで「選選(よりより)展」が開かれている(2月26日まで)。選選展は毎年Oギャラリーのオーナー大野さんが独断で選ぶ新人展だ。今回は創形美術学校の3人の版画家が選ばれている。木版の小山希と小口木版の鈴木智深、それにリトグラフの…

『田中克彦自伝』を読む

『田中克彦自伝』(平凡社)を読む。田中はモンゴル語が専門の言語学者。私の最も好きな言語学者で、田中の本は手に入る限り読んできたつもりだ。モンゴル語が専門ということで、言語学者としては中心には位置していない。中心はやはり英語、フランス語、ド…

『三島由紀夫レター教室』を読む

『三島由紀夫レター教室』(新潮社)を読む。達者な三島が手紙形式の小説で、なおかつ手紙のお手本になるような作品を書いた。さすがだなあ。登場人物は5人だけ。その5人の間でのやり取りで、31種類の手紙の見本を示してくれる。そしてそれが小説になってい…

カルヴィーノ『レ・コスミコミケ』を読む

SF

イタロ・カルヴィーノ『レ・コスミコミケ』(ハヤカワSF文庫)を読む。カルヴィーノはSFも書くが、むしろ純文学作家だ。イタリアで純文学という言い方もおかしいが、前衛的な奇妙な小説を書いている。その『冬の夜ひとりの旅人が』は以前このブログでも紹介…

A-thingsで岡崎乾二郎展を見る

、 東京吉祥寺のA-thingsで岡崎乾二郎展が開かれている(2月19日まで)。個展のタイトルが「”Things” never die. It only changes its form.」となっている。画廊のスタッフに話を聞くと、19日いっぱいで画廊を閉じ、どこでいつ再開するかは未定とのこと。タ…

ルミネのポスターのモデルの眉

井の頭線のどこかの駅だったか、大きなルミネのポスターが貼られていた。 生まれた感情の数だけ、女は表情が生まれる。 このモデルの眉がかもめ眉なのだ。(かもめ眉については2日前に書いた中田いくみの『かもめのことはよく知らない』の紹介を見てほしい。…

早春の花が咲いている

昨日近所の小さな植物園に行った。福寿草が咲き始めていた。 フキノトウも芽を出している。 ユキワリイチゲが数輪咲いていた。・ 今日東銀座の公園でカワヅザクラが咲き始めていた。

ギャラリーf分の1で奥村浩之彫刻展「始まり」を見る

、 東京御茶の水のギャラリーf分の1で奥村浩之彫刻展「始まり」が開かれている(2月25日まで)。奥村は1963年石川県生まれ、1986年に金沢美術工芸大学彫刻科を卒業し、1988年に同大学大学院修士課程を修了している。その翌年メキシコに渡り、以来メキシコ…

中田いくみ『かもめのことはよく知らない』を読む

、 中田いくみ『かもめのことはよく知らない』(KADOKAWA)を読む。中田は画家だが、最近はマンガも描いている。私は彼女の画家としての仕事が好きで、このブログでも何度か紹介している。単行本としては初めての仕事だ。 「夜のとばり」は、少年が転校して…

サルトル『水いらず』を読む

サルトル『水入らず』(新潮文庫)を読む。短篇集で、「水いらず」「壁」「部屋」「エロストラート」「一指導者の幼年時代」の5篇が入っている。まさに50年ぶりの読書だったが、憶えていたのは「壁」の結末だけだった。評価が高いと思われる短篇集だが、そう…

ユカ・ツルノ・ギャラリーの狩野哲郎展を見る

天王洲アイルのユカ・ツルノ・ギャラリーで狩野哲郎展が開かれている(2月25日まで)。狩野は1980年宮城県生まれ。2005年に東京造形大学造形学部デザイン科を卒業、2007年同大学院造形研究科美術研究領域修士課程を修了している。 私は2011年の東京都現代美…

国立新美術館の「第15回NAU21世紀美術連合展」を見る

六本木の国立新美術館で「第15回NAU21世紀美術連立展」が開かれている(2月20日まで)。これはどんな美術展なのか? 展覧会のちらしから、 NAU21世紀美術連立展(NAU展)は、すでに実力の認められたメンバーと、推薦委員に推薦された作家、海外から推薦を受…

絶対的『彼と私』を見る

2月4日にトーキョーワンダーサイト本郷で行われた絶対的の公演『彼と私』を見た。演出が卓翔、学芸が川口智子とある。出演は梵谷(香港/現代演劇)、鵜澤光(能楽)、武田幹也(舞踏)の3名。 3名が自己紹介のあとモダンダンスと舞踏を組み合わせたようなダ…

EARTH+ギャラリーのながさわたかひろ展を見る

江東区木場のEARTH+ギャラリーで「ながさわたかひろ、その愛のカタチ。」が開かれている(2月12日まで)。ながさわは1972年山形県生まれ、2000年に武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻版画コースを修了している。2010年にart data bankで初個展、…

うしお画廊の追悼 酒匂譲個展を見る

東京銀座のうしお画廊で追悼 酒匂譲個展が開かれている(2月18日まで)。酒匂は昨年1月にみゆき画廊で41回目の個展を開き、その2カ月後に85歳で逝去した。酒匂譲は1930年鹿児島県生まれ、1953年に東京藝術大学油絵科を卒業し、1955年に同専攻科を修了してい…

ブルガーコフ『犬の心臓・運命の卵』を読む

、 ブルガーコフ『犬の心臓・運命の卵』(新潮文庫)を読む。「Star Classics―名作新訳コレクション―」の1冊。このシリーズではグレアム・グリーン『情事の終り』も良かった。 ブルガーコフはソ連の作家だが長くソ連内では発禁だったという。ソ連の民主化ペ…

近美の山田正亮展を見る

東京国立近代美術館で山田正亮展が開かれている(2月12日まで)。山田は1929年生まれ、2010年にがんで亡くなっている。 山田といえばとにかくストライプ。初期の静物画を別にしてひたすらストライプばかり描いてきた。おもしろいのは初期の静物画と30歳過ぎ…

櫻井共和『零度』を読む、また田淵安一と野見山暁治のこと

櫻井共和『零度』(櫂歌書房)を読む。櫻井は画家で、菊畑茂久馬と並ぶ九州派の重鎮櫻井孝身の息子だ。子供の時から父親の指導を受けて育ち、大人になったら画家になるつもりでいた。しかし入学した高校のデザイン科にあき足らず中退し、その後学校できちん…

斎藤美奈子『文庫解説ワンダーランド』を読む

斎藤美奈子『文庫解説ワンダーランド』(岩波新書)を読む。とても楽しい読書だった。これは岩波書店のPR誌『図書』に連載したもの。連載当時から毎月楽しみで読んでいた。題名通り、文庫の巻末についている解説について論評したものだが、あの斎藤美奈子だ…

浦久俊彦『138億年の音楽史』を読む

浦久俊彦『138億年の音楽史』(講談社現代新書)を読む。タイトル通りの奇妙な本。ビッグバンから138億年が経っていることからこの題名がある。ビッグバン直後にも音はあっただろうから、音楽の物語は宇宙の誕生までさかのぼれるのではないか。そんなところ…