美術

練馬区立美術館の「8つの意表」展を見る

東京中村橋の練馬区立美術館で「8つの意表」展が開かれている(6月20日まで)。美術館のホームページから、 「意表をつく」という言葉があります。 おおむね「相手の予期しないことをする」という意味で用いられますが、「意表」は字義に近く「こころをあ…

伊東深水の描く日劇ミュージックホール

伊東深水 現在東京ステーションギャラリーで開かれている「コレクター福富太郎の眼」に出品されている伊藤深水の「戸外は春雨」が朝日新聞に紹介された(6月15日付)。これについて大野拓生が書いている。 (……)気品の漂う美人画で戦後に高い人気を集めた…

小林英樹『「ゴッホ」にいつまでだまされ続けるのか』を読む

SOMPO美術館の「ひまわり」 小林英樹『「ゴッホ」にいつまでだまされ続けるのか』(情報センター出版局)を読む。小林がゴッホの作品の重要な6点を贋作だと指摘している。それは日本のSOMPO美術館所蔵の「ひまわり」、ワシントン・ナショナルギャラリー所蔵…

児島善三郎の花の絵

児島善三郎 児島善三郎 みずほ信託銀行に派遣で働いていたことがある。金庫の管理をしていた。金庫といっても現金ではなく有価証券を保管している金庫だった。銀行の入口は1階にあって、通常の顧客が出入りしていた。そこには外国の作家の版画が飾られてい…

早稲田大学會津八一記念博物館の「受贈記念 コレクター寺田小太郎―難波田龍起、相笠昌義を中心に―」を見る

東京早稲田の早稲田大学會津八一記念博物館で「受贈記念 コレクター寺田小太郎―難波田龍起、相笠昌義を中心に―」が開かれている(7月30日まで)。博物館のホームページから、その概要を、 当館は2010年と2019年に故寺田小太郎氏(1927-2018)のコレクション…

うしお画廊の石井紀湖展「―彫刻・墨絵―」を見る

東京銀座のうしお画廊で石井紀湖展「―彫刻・墨絵―」が開かれている(6月12日まで)。石井は東京藝術大学彫刻科を卒業し、大学院を修了している。ギャラリー山口やみゆき画廊で個展をしていたが、最近はうしお画廊で個展を繰り返している。 石井は大きな木彫…

トーキョーアーツアンドスペース本郷の「TOKAS-EMERGING 2021 Part 2」を見る

東京文京区のトーキョーアーツアンドスペース本郷で「TOKAS-EMERGING 2021 Part 2」が開かれている(6月20日まで)。1階から3階のスペースでそれぞれ個展形式で3組が展示している。 1階は久木田茜の個展「シンメトリーのひずみ」、久木田は1987年愛知県生…

東京ステーションギャラリーの「コレクター福富太郎の眼」展を見る

東京ステーションギャラリーで「コレクター福富太郎の眼」展が開かれている(6月27日まで)。美術館のホームページから、 福富太郎(ふくとみ たろう/1931-2018)は、1964年の東京オリンピック景気を背景に、全国に44店舗にものぼるキャバレーを展開して、…

銀座メゾンエルメス フォーラムのマチュウ・コプランによる展覧会「エキシビジョン・カッティングス」を見る

東京銀座の銀座メゾンエルメス フォーラムでマチュウ・コプランによる展覧会「エキシビジョン・カッティングス」が開かれている(7月18日まで)。マチュウ・コプランは、ロンドンを拠点に活動するするフランス/イギリス人キュレーター。タイトルの「カッテ…

養清堂画廊の山中現展を見る

東京銀座の養清堂画廊で山中現展が開かれている(6月12日まで)。山中はWikipediaによれば、1954年福島県喜多方市生まれ。東京芸術大学で油絵を学び、同大学院で木版画を専攻。1984年に西武美術館版画大賞展で受賞し、以後個展を中心に発表を続ける。各地の…

ギャラリー58の田中彰展を見る

東京銀座のギャラリー58で田中彰展が開かれている(6月5日まで)。田中は1949年高知県生まれ、1974年多摩美術大学美術学部グラフィックデザイン科卒業。いくつかの画廊で個展をした後、2004年ギャラリー汲美で個展を開き、汲美が閉じた後は主にギャラリー5…

ギャラリーN神田社宅の江口暢彌展を見る

東京神田のギャラリーN神田社宅で江口暢彌展「ニアリーイコール?ノットイコール?」が開かれている(5月29日=今日まで)。江口は1997年に多摩美術大学大学院美術研究科を修了している。もともとは日本画を学んでいた。5年前からスペインに渡り、スペイン…

櫻木画廊の中津川浩章展「線を開放する」を見る

東京上野桜木の櫻木画廊で中津川浩章展「線を開放する」が開かれている(6月6日まで)。中津川は1958年静岡県生まれ。和光大学で学び、個展をギャラリイK、パーソナルギャラリー地中海などで数回ずつ開き、その他、ギャラリーJin、ギャラリー日鉱、マキイ…

版画偽造事件のその後

読売新聞に「偽版画100点超押収」「大量流通 押印・紙質異なる」「巨匠の作品多すぎる」「業界団体 大阪の画商追及」との記事が1面と27面に載った(2021年5月23日付)。 1面 27面 27面つづき 昨年12月に大阪の画商から多数の版画が押収され、平山郁夫、東山…

ギャラリーアビアントの高橋理和展「軽さについて」を見る

DM葉書 東京吾妻橋のギャラリーアビアントで高橋理和展「軽さについて」が開かれている(5月30日まで)。高橋は1953年京都府舞鶴市生まれ、1972〜73年にスペインマドリッドプラド美術館において模写の勉強をしている。1977年東京造形大学美術学部油絵科卒業…

ギャラリー枝香庵の田端麻子展を見る

DM葉書 東京銀座のギャラリー枝香庵で田端麻子展が開かれている(5月30日まで)。田端は1972年神奈川県藤沢市生まれ、1996年に多摩美術大学油画専攻を卒業している。2年ぶりの個展だという。 いつも通りに平面作品のほかに立体作品を展示している。1センチ…

eitoeikoの「桜を見る会」を見る

DM葉書 東京神楽坂のeitoeikoで「桜を見る会」が開かれている(5月29日まで)。はじめ5月15日までだったが、コロナ禍でいったん中断し、5月12日から29日まで会期を延長した。 出品している作家は、岡本光博、中村洋子、古屋郁、本間純、アハメッド・マナン…

ギャルリー東京ユマニテの野田裕示展「100の庭」を見る

DM葉書 東京銀座のギャルリー東京ユマニテで野田裕示展「100の庭」が開かれている(5月29日まで)。野田は1952年和歌山県生まれ、多摩美術大学を卒業した翌年すでに伝説の南画廊で個展を開いている。その後ギャルリー東京ユマニテで個展を繰り返してきた。2…

藍画廊の今道子展を見る

DM葉書 東京銀座の藍画廊で今道子展が開かれている(5月22日まで)。今は1955年、神奈川県鎌倉市生まれ。1978年、創形美術学校版画科卒業後、東京写真専門学校を中退。1991年、第16回木村伊兵衛写真賞を受賞している(以上Wikipediaより)。 今は生の魚を使…

山梨俊夫『風景画』を読む

山梨俊夫『風景画』(集英社)を読む。副題が「テーマで見る世界の名画」として、68点の‘名画’を山梨俊夫が解説している。 全体が3部に分かれ、「自然と都市」「物語の舞台」「想像の構成」となっている。「自然と都市」では1世紀の古代ローマから始まるが、…

10年前の安齊重男展「絵画試行」について

DMハガキ 今から10年前の2011年に東京銀座のギャラリー現で安齊重男展「絵画試行」が開かれた。安齊は、「現代美術の伴走者」を自称し、国内外の現代美術の現場を写真によって記録してきた(wikipediaより)。2007年には、国立新美術館で大規模な「安齊重男…

関龍夫という画家がいた

前回、吉行淳之介関係で紹介した関龍夫さんについて書いてみる。関は1899(明治32)年長野県飯田市生まれ、早稲田大学に学び、川端画学校を卒業する。岡精一、山本鼎、林倭衛に師事する。東宝文芸部舞台科に入社する。また昭和17年43歳で独立美術展に初入選…

過疎の村、大平集落

新潮社の「とんぼの本」シリーズに『信州かくれ里 伊那谷を行く』という本があり、そこに「大平峠」という項目がある。大平峠は長野県の飯田市と木曽を結ぶ大平街道の途中にあり、そこに大平集落があった。それについて、 なまこ壁のある大きな土蔵、太さ40…

松濤美術館の「フランシス・ベーコン/リース・ミューズ7番地、アトリエからのドローイング、ドキュメント」を見る

東京渋谷の松濤美術館で「フランシス・ベーコン/リース・ミューズ7番地、アトリエからのドローイング、ドキュメント」が開かれている(6月13日まで)。副題が「バリー・ジュール・コレクションによる」とある。 美術館のホームページに展覧会の主旨が掲載さ…

コバヤシ画廊の野沢二郎展「風をふくむ、断章」を見る

東京銀座のコバヤシ画廊で野沢二郎展「風をふくむ、断章」が開かれている(4月24日まで)。野沢は茨城県生まれ、1982年に筑波大学大学院を修了している。これまで「VOCA展'97」や同年の「バングラデシュ. アジア美術ビエンエーレ」に参加し、2012年はDIC川…

東京画廊の小清水漸「垂線」展を見る

DM葉書 東京銀座の東京画廊で小清水漸「垂線」展が開かれている(4月17日まで)。ギャラリーが配布しているちらしから、 小清水漸は1944年愛媛県宇和島生まれ。1966年から1971年まで多摩美術大学彫刻科在籍。(……)1960年代後半から木、石、紙、土、鉄など…

うしお画廊の井上敬一展を見る

東京銀座のうしお画廊で井上敬一展が開かれている(4月17日まで)。井上は1947年、福岡県田川市生まれ。1980年に福岡教育大学美術研究科を修了している。井上は銀座のみゆき画廊で個展をしていたが、みゆき画廊が閉じてからはうしお画廊で個展を開いている…

ギャラリーなつかの瀧田亜子展を見る

東京京橋のギャラリーなつかで瀧田亜子展が開かれている(4月17日まで)。瀧田は1972年東京都生まれ。2年間ほど中国へ留学し書を学んできた。毎年ほぼ2回の個展を繰り返してきて、旺盛な制作意欲を示している。 今回大きな作品は左右5メートルもある。今ま…

√kコンテンポラリーとスペース√kの堀江栞展を見る

東京神楽坂の√kコンテンポラリーとスペース√kで堀江栞展「声よりも近い位置」が開かれている(5月15日まで=コンテンポラリー、4月17日まで=スペース)。堀江は1992年生まれ、2014年多摩美術大学美術学部日本画専攻を卒業している。2014年に加島美術で初個…

山本弘の作品解説(101)「どんど」

山本弘「どんど」、油彩、F4号(24.2cm×33.3cm) 制作年不詳。実は30年近く前買ってくれた人がいて、それ以来見る機会を失った。これも古い写真からスキャンしているが、色はかなり濃くなっているのではないか。 「どんど」はどんど焼きのこと。正月明けに…