美術

成り上がり者の好きな前衛芸術

昨日紹介した「商品」を作り続ける作家たちに関連して、10年ほど前に紹介した辻井喬・上野千鶴子「ポスト消費社会のゆくえ」(文春新書)の一部を再録する。辻井喬は西部デパート・セゾングループの創立者堤清二の文学作品を発表するときのペンネーム。 辻井…

「商品」を作り続ける作家たち

赤瀬川原平『反芸術アンパン』(ちくま文庫)に興味深い記述があった。 1960年代の赤瀬川らネオダダのグループの作品は売れなかった。彼らは当時の作風を変えて新しい方向へ進んでいった。赤瀬川がそのことを外国の作家たちと比較した。 不思議に思うのは、…

ギャラリイKの崔恵貞(チェ・ヘジョン)展を見る

ちらし 東京京橋のギャラリイKで崔恵貞(チェ・ヘジョン)展が開かれている(9月25日まで)。崔は韓国の作家で、2002年にソウル大学校/美術大学彫塑化科を卒業し、2009年にはフランスのEcole Emile Cohlを、また2020年にはソウル市立大学校修士を卒業して…

ギャラリーなつかの平田達哉展を見る

東京京橋のギャラリーなつかで平田達哉展「表現の汽水域」が開かれている(9月25日まで)。平田は1961年、北海道遠軽町生まれ。1984年、金沢美術工芸大学美術科油画専攻を4年次で中退。この年、スペインのグラナダで2人展を開く。1991〜93年、イタリアで…

GSIXの蔦屋書店のタムラサトル展を見る

東京銀座のGSIXの蔦屋書店のGINZA ATRIUMでタムラサトル展「TOKYO マシーン」が開かれている(9月23日まで)。タムラは1972年栃木県生まれ、1995年に筑波大学芸術専⾨学群 総合造形を卒業している。主な個展としてギャラリーのホームページに栃木県立美術館…

赤瀬川原平『反芸術アンパン』を読む

赤瀬川原平『反芸術アンパン』(ちくま文庫)を読む。タイトルからは分かりにくいが、読売アンデパンダン展を回顧したもの。面白くてとても勉強になった。 読売アンデパンダン展は、日本美術会の主宰する日本アンデパンダン展に1年遅れて、1949年に第1回展が…

ギャルリ東京ユマニテbisの飯島祐奈展「石でキリトル」を見る

DM葉書 東京京橋のギャルリ東京ユマニテbisで飯島祐奈展「石でキリトル」が開かれている(9月25日まで)。飯島は1995年東京都生まれ、2018年女子美術大学芸術学部美術学科立体アート専攻卒業、2021年同大学大学院美術研究科博士前期課程美術専攻立体芸術研…

うしお画廊の淀井彩子展―色彩・時間 2021-を見る

DM葉書 東京銀座のうしお画廊で淀井彩子展―色彩・時間 2021-が開かれている(9月25日まで)。淀井は1966年に東京芸術大学美術学部油画科を卒業し、1968年に同大学大学院油画専攻を修了している。その後フランス政府給費留学生としてパリに留学。2011年まで…

ギャラリー枝香庵の浜田浄展を見る

東京銀座のギャラリー枝香庵で浜田浄展が開かれている(9月25日まで)。浜田は1937年高知県出身、1961年に多摩美術大学美術学部油画専攻を卒業している。2015年には練馬区立美術館で個展が開かれている。 枝香庵には3つのスペースがあり、最上階では新作が…

ギャラリー58の「秋山祐徳太子と東京都知事選許」を見る

東京銀座のギャラリー58で「秋山祐徳太子と東京都知事選許」展が開かれている(10月9日まで)。秋山は1935年東京都生まれ、昨年4月3日に85歳で亡くなった。1960年武蔵野美術学校(現武蔵野美術大学)彫刻科を卒業。工業デザイナーとして大手電機メーカー…

藍画廊の阿片陽介展を見る

DM葉書 東京銀座の藍画廊で阿片陽介展が開かれている(9月18日まで)。阿片は1987年神奈川県生まれ、2010年に多摩美術大学美術学部工芸学科陶専攻を卒業し、2017年に筑波大学大学院博士前期課程芸術専攻総合造形領域を修了している。2015年に藍画廊で初個展…

ポルトリブレの郡司宏遺作展を見る

DM葉書 東京高円寺のポルトリブレ デ・ノーヴォで郡司宏遺作展が開かれている(9月20日まで)。郡司は1952年東京都生まれ、始め版画を制作していたが、30年以上前からタブローを発表している。個展は1985年のシロタ画廊をはじめ、空想ガレリア、中和ギャラ…

コバヤシ画廊の村上早展を見る

DM葉書 東京銀座のコバヤシ画廊で村上早展が開かれている(9月18日まで)。村上は1992年群馬県生まれ。2014年に武蔵野美術大学造形学部油絵学科版画専攻を卒業し、2017年同大学大学院博士後期課程中退。毎年コバヤシ画廊で個展を続けていて今年が6回目にな…

ギャラリー檜Fの柴崎和也展を見る

東京京橋のギャラリー檜Fで柴崎和也展が開かれている(9月11日まで)。柴崎は1982年、大阪府生まれ。2012年に多摩美術大学大学院美術研究科を修了している。2010年にギャラリー檜B・Cで初個展。その後ガレリア・グラフィカbisやギャラリー檜グループ、ギャ…

文房堂ギャラリーとボヘミアンズ・ギルドの大西茅布展を見る

DM葉書 東京神田神保町の文房堂ギャラリーとボヘミアンズ・ギルドで大西茅布展が開かれていた(9月4日まで)。大西は2003年大阪府生まれ、今年最年少で岡本太郎賞を受賞し、4月には東京藝術大学絵画科油画に現役合格した。今回ボヘミアンズ・ギルドが主催…

ガルリH(アッシュ)の古井彩夏展を見る

DM葉書 東京日本橋小舟町のガルリH(アッシュ)で古井彩夏展「面と線と函」が開かれている(9月11日まで)。古井は1988年東京都生まれ、2011年に女子美術大学立体アート学科を卒業し、2013年に女子美術大学大学院立体芸術研究領域を修了している。個展は200…

銀座メゾンエルメス フォーラムのジュリオ・ル・パルク展を見る

エルメスビル外壁 東京銀座の銀座メゾンエルメス フォーラムでジュリオ・ル・パルク展が開かれている(11月30日まで)。ル・パルクは1928年アルゼンチン生まれ、1958年にフランスへ移住、以来同地を拠点に制作を続けている。日本では今回が初個展となる。 エ…

O美術館の「座の会展2021」を見る

大崎のO美術館で「第10回 座の会展 座2021」が開かれている(9月2日まで)。2012年に第1回展が開かれた座の会展も今回で10回を迎えた。基本、日本画家の会であったが、漆芸作家もの加わり、狭い意味の日本画にこだわらない作家も参加している。ここでは主…

トキ・アートスペースの瀬戸理恵子作品展を見る

東京外苑前のトキ・アートスペースで瀬戸理恵子作品展「濾過装置としてのリエコの身体」が開かれている(9月5日まで)。瀬戸は広島市生まれ、武蔵野美術大学油絵学科を卒業し、その後広島大学大学院美術教育選考を修了している。1995年渡米、1997年ペンシ…

Jinenギャラリーの諸橋杢子展を見る

DM葉書 東京日本橋小伝馬町のJinenギャラリーで諸橋杢子展が開かれている(8月29日まで)。諸橋は2017年から毎年櫻木画廊で個展を開いてきて、今回初めてJinenギャラリーでの個展開催となる。 諸橋はリアルな木の葉の立体作品を作っている。色彩もごく自然…

藍画廊の「往復書簡Vol.4」を見る

ちらし 東京銀座の藍画廊で「往復書簡Vol.4」が開かれている(8月28日まで)。伊藤ちさとと坂本美果の二人展で、東京造形大学の近藤昌美教授が企画している。伊藤は1984年宮城県生まれ、2009年に東京造形大学を卒業している。坂本は1999年山梨県生まれ、現…

尾藤豊という画家

先日のギャラリー川船の入札会で尾藤敏彦の作品を落札した。落札したあとで調べたら、尾藤豊と間違えて落札してしまったことが分かった。尾藤敏彦は人人会の会員で、生身の人間から型を取って金属の立体を制作している。 尾藤敏彦 私が間違えた尾藤豊はルポ…

作品の成立は?

袖壁 もう25年ほど前になるが、いまでも印象的で記憶に残っている光景がある。営業に出ていて昼になったので会社へ帰ろうと駅に向かって歩いていた。神田にあった秋山画廊の近くだったと思う。一軒の民家の玄関脇の、袖壁というのだろうか、1メートル角くら…

マーク・マンダースと吉田哲也

東京都現代美術館では、前回個展として展示したマーク・マンダースの彫刻を、「MOTコレクション」の一部として、「マーク・マンダース 保管と展示」と題して再展示している。マーク・マンダースはブロンズの大きな作品が多い。その中にあって、壁面に小さな…

藍画廊の衣真一郎展を見る

東京銀座の藍画廊で衣真一郎展が開かれている(8月7日まで)。本展は銀座・京橋を中心とする現代美術の画廊が共同主催する「画廊からの発言 新世代への視点2021」のひとつで、今回藍画廊は衣真一郎を選んでいる。 衣は1987年群馬県生まれ、2013年に東京造…

クロスビューアーツの桑原理早を見る

東京京橋のクロスビューアーツで桑原理早・原裕子展が開かれている(8月7日まで)。原は陶で面白い形を作っていて興味深いが、今回は桑原を紹介する。 桑原は1986年、東京都出身。2011年に武蔵野美術大学造形学部日本画学科を卒業し、2013年同大学大学院造…

ギャラリー川船で「夏期入札展示会」が始まった

東京京橋のギャラリー川船で「夏期入札展示会」が始まった(7月31日まで)。 入札の方式は「二枚札方式」、これは入札カードに上値(上限)と下値(下限)の二つの価格を書いて入札するもの。他に入札者のない場合は下値で落札する。上値が同額の場合には下…

ギャラリーなつかの芦川瑞季展を見る

東京京橋のギャラリーなつかで芦川瑞季展が開かれている(8月7日まで)。本展は銀座・京橋を中心とする現代美術の画廊が共同主催する「画廊からの発言 新世代への視点2021」のひとつで、今回ギャラリーなつかは芦川を選んでいる。 芦川は1994年静岡県生ま…

「画廊からの発言 新世代への視点2021」が始まる

東京銀座・京橋を中心とする現代美術の画廊が共同主催する「画廊からの発言 新世代への視点2021」が明日から始まる。これは恒例の8軒の画廊が推薦する40歳以下の若手作家8人の個展だ。現代美術の代表的な貸画廊が選んだ作家たちだから見逃せない重要な企画…

東京都現代美術館の「MOTコレクション」を見る

東京木場公園の東京都現代美術館で「MOTコレクション」が開かれている(10月17日まで)。主として収蔵品を展示しているが、前回まで個展をしていたマーク・マンダースをこちらのスペースで再展示している。 まず入口すぐのアルナルド・ポモドーロの「太陽の…