2008-07-01から1ヶ月間の記事一覧

場所が記憶する

ギャラリーへ入っていくと知っている女性がいてお久しぶりですと挨拶した。元気そうねと返され、だが誰だったのか思い出せない。記憶を探るとギャラリーのオーナーだった人、もうそのギャラリーはない、そこまで分かったのにどこのギャラリーだったか思い出…

「新世代への視点2008」

東京現代美術画廊会議が主催する「新世代への視点2008」が始まった。2006年に続いて2年ぶり、1993年から始まって9回目だという。各画廊の推薦する40歳以下の作家が取り上げられている。 ギャラリーなつか「斉藤里香展」http://homepage2.nifty.com/gallery…

私のブログ通信簿

yukioinoさん(id:yukioino)のところで見かけたブログ通信簿をやってみた。 マメだが主張も影響力もないというのは見事に当たっている。年齢はだいぶ若いが。そうか、詩人を目指せばよいのか。 私の過去の詩作品。 「オリーブの木陰」id:mmpolo:20060616 「…

安楽死の制度を切望する

近所のスーパーへ行ったらレジの近くでお客さんが騒いでいた。床に大きなウンコが2つ落ちていて、その1つを踏んでしまったらしい。ペットの持ち込みは禁じられているし、丸くて大きいので犬ではなさそうだ。店員があわてて始末をしている。アルツハイマー…

最近の美大事情

東京の2つの美大の先生の話を聞いた。男子学生と女子学生の割合がどちらも1:2だという。男子学生が3分の1しかいない。それで一つの美大はこれ以上男子学生が減らないよう受験の際男子学生の点数をかさ上げしているそうだ。しかしまた、昔から変わらな…

シンガポールの食中毒

以前手相を見てもらったら、外国に全く縁のない手相をしていますねえと感心された。驚いた、当たっている。生涯2度だけ外国へ行ったが、いずれも会社絡みで望んで出かけたことはなかった。最初はアジア太平洋雑草学会へ参加させられたときで、インドのバン…

ミカンコミバエの根絶余話

沖縄県に分布した柑橘の重大害虫ミカンコミバエの根絶は農林水産省と沖縄県にとって最重要の課題事項だった。沖縄県にのみ分布し本土に分布しないミカンコミバエのために、沖縄県からは柑橘が本土に一切移出できなかった。そのため農林水産省と沖縄県はミカ…

サントリーホールでの黛敏郎の印象

日本ペンクラブ・編「わたし、猫語がわかるのよ」(光文社文庫)を読んだ。日本ペンクラブの会員27人が書いた猫に関するエッセイ集だ。浅田次郎や米原万里、出久根達郎などが書いている。そのあとがき(森ミドリ)から。 あれは何年前だろう。 神宮前にある…

NADiffの移転オープンとChim ↑ Pomの個展

NADiffというのはこの冬まで表参道で営業していた本屋/CD屋というか、アート関係を扱っているお店だった。元々は西武デパートの一部門アールヴィヴァンがデパートの方針で閉店したためスタッフが独立してNADiffを開業したものだった。小さなスペースだが美…

沓澤貴子展が始まった

沓澤貴子(くつざわたかこ)展が始まった。東京都中央区日本橋本町のギャラリー砂翁(http://www.jpin.co.jp/saoh/)で7月30日(水)まで。 沓澤貴子は1971年生まれ、武蔵野美術大学大学院を修了し、ガレリアラセン(2001)、Oギャラリー(2002)、かわさき…

柴田南雄演奏会がある

9月26日(金)の夜、東京上野の文化会館小ホールで柴田南雄の演奏会がある。行きたいけど懐不如意だし悩んでいる。 「柴田南雄の遺したこと〜没後12年メモリアルコンサート〜後期の室内楽と合唱曲」だ。 http://www.tokyo-concerts.co.jp/index.cfm?lang=jp…

恋は盲目だなんて何という冗談だ

フィリップ・ソレルスの「奇妙な孤独」に「恋は盲目だなんて何という冗談だ。眼差しこそがすべてだというのに。」という文章があると思っていた。何しろ42年前の読書なのだ。読み直して見たらそんな一節はどこにもなかった。そんなはずはないと思って調べて…

小嵐九八郎「蜂起には至らず」をようやく読んだ

小嵐九八郎「蜂起には至らず」(講談社文庫)を読んだ。講談社のPR雑誌「本」に連載されていた頃拾い読みしていて興味はあるのになかなか読む気になれなかった。なにしろ副題が「新左翼死人列伝」といい、革マル派を除く27人の死者について書かれているのだ…

会わせたい人がいる

高校の同級生から電話があり、「会わせたい人がいるから新宿へ来ないか」と言う。残業をほっぽり出して、誰に会わせてくれるんだろうとわくわくしながら出かけていった。ルミネの喫茶店にいたのは友人と彼の勤める企業グループの生命保険の勧誘員の女性だっ…

マンションのエレベーターで棺桶を運ぶには

若い頃私は横浜市鶴見区に住んでいた。屋台をやっていた頃だ。アパートは鶴見駅の東側、鶴見川の近くにあった。このあたりは鶴見の下町というかドヤ街に近かった。同じ鶴見駅でも西側は山の手で総持寺があり総持寺が経営する鶴見大学がありそして高級住宅街…

ヒロ・ヤマガタの語ったこと

7月14日の朝日新聞夕刊にヒロ・ヤマガタへの聞き書きが載っている。ひと頃街角に仮設されたギャラリーで若い娘たちを販売員にして大量に売られていた絵があった。それも数十万円から百万円を軽く越えた値段で。本物だから資産になるとか、いい加減なことを…

山本弘さん27回目の祥月命日

今日は画家山本弘の27回目の祥月命日だ。1981年のこの日、山本弘は自宅で縊死した。51歳だった。アル中の治療のため飯田市立病院の精神科に1年間入院していて3月に退院し、4か月後に亡くなってしまった。退院後はまた飲酒を始めたらしい。亡くなる前それ…

井上隆夫展の作品がよく分からなかった

京橋の村松画廊で井上隆夫の彫刻展「黙する言語」を見た(6月30日〜7月5日)。これが不思議な作品だった。画廊には木のオブジェみたいなものが並んでいる。壁には古い墓標が立てかけられている。作品とは言え誰かの墓標を持ってきてしまって良いのかと考え…

芸術院会員になるのは大変だ

島根県にある彫刻家内藤伸の家へ東京からはるばる画家東郷青児が訪ねてきて、現金の入った菓子折を置いていった話は前に書いた。「彫刻家内藤伸」(id:mmpolo:20061109)。 日本芸術院会員は定員制で、会員が亡くならないと補充はない。新しい会員は現会員の…

素人と専門家

西山伊三郎著「身近な野草を鉢植えに」(農文協)は副題を「草もの盆栽のすすめ」といい、草もの盆栽作りの指導書だ。私もお世話になっている。この一章に「タマゴケ・スナゴケ」があり、コケの栽培法として次のように書かれている。 きめが細かなコケを生わ…

日本の建前社会

全農(全国農業協同組合連合会)が長年使用してきた「協」をデザインしたマーク(農協マーク)を、新しい「JA」マークに変えたとき、マークの色も金赤(黄ベタ+赤ベタ、イエロー100%+マゼンタ100%)からモスグリーンに変更した。農協系統のメーカーは自社…

筆跡鑑定は信じられるかもしれない

仕事で多くの若者の住所と名前の直筆を見ている。すると筆跡にいくつかのパターンがあることが分かる。ちまちまとした小さな文字、「八」の字のように下向きに開いた無警戒な文字、四方に広がった文字等々。これらを見ているとヴァルター・ベンヤミンを思い…

手塚プロの実在した小悪党

もう古い話だから公開してもいいだろう。当時クライアントの要請である商品のイメージキャラクターに鉄腕アトムを契約していた。その頃はまだ鉄腕アトムの著作権を日本テレビが管理していて、交渉はすべて日本テレビと行なっていた。契約して何年目かに手塚…

世界の人口が多すぎる

毎日新聞7月6日の書評欄に若狭毅による古田隆彦「日本人はどこまで減るか」(玄冬舎新書)の紹介が小さく載っている。 日本の人口が2004年の1億2784万人をピークに減り始めた。政府やメディアはその理由を「少子高齢化」で説明し、人口減少を問題視する。…

コダクローム製造中止

写真展でカメラマンと話したら、コダクロームが製造中止になり、イマジカでやっていた現像も現在はアメリカでしかやっていないという。驚いた! しかし、現在のフィルムの衰退時代からすれば仕方ないことではあるだろう。 コダクロームはとにかく超微粒子の…

アザレアの生育不良

先月ベランダのアザレアの葉の異常に気づいた。写真の左側の葉に比べて中央から右側の葉が小さく色も悪い。1本の木で一部分の生育が悪いのはどうしたのだろう。 私はチャノヒメハダニかチャノホコリダニの被害ではないかと推測した。物置を探して使用期限が…

金属アレルギー

洗濯機から金属音が聞こえる。ジーパンの金具が洗濯槽にあたっているのだろうと思っていたが、最後に洗濯物を取りだしてみたら底に懐中時計が転がっていた。ジーパンのポケットに入れておいて洗ってしまったようだ。残念ながら防水ではない。 ずいぶん前から…

「シズコさん」の知恵遅れの弟妹

佐野洋子「シズコさん」(新潮社)は「100万回生きたねこ」の作者がどんなに壮烈な子供時代を送ったのか、その強烈な個性の母親像が語られている。シズコさんとは佐野洋子の母親の名前だ。 私は母さんがこんなに呆けてしまうまで、手にさわった事がない。四…

ナボコフ「ロリータ」を読んで

ウラジーミル・ナボコフ/若島正・訳「ロリータ」(新潮文庫)を読んだ。すごい小説だ。古今東西の文学のパロディやほのめかし、そして充実した細部、生半可な小説ではない(そのことを知ったのは巻末につけられた40ページにも及ぶ豊富でていねいな訳注のた…

今夏62歳になる秋山さんに倣って

ギャラリーアポロの秋山修さんから「APOLLOMEDIATE」7月号が送られてきた。ここに秋山さんは毎月エッセイを書いている。 今年の八月で、ぼくは満六十二歳になる。昔なら、とっくに死んでいていい年だ。(中略) ジジイになってきて、一番思うことは二十四時…