2017-03-01から1ヶ月間の記事一覧
上野の森美術館でVOCA展が開かれていた(3月30日まで)。東京藝大美術館で同大学大学院の学生たちのキュレーションによる企画展「Seize the Uncertain Day ――ふたしかなその日」が開かれている(4月5日まで)。さらに六本木の国立新美術館で日本アンデパンダ…
瀬戸賢一『時間の言語学』(ちくま新書)を読む。「はじめに」より、 本書は小著だが、一般に世にある時間論とは一線を画する。私たちが頭の中で時間をどのように考えるのかを、数多くの実際のことばの分析によって明らかにし、無意識的に使われるメタファー…
東京京橋のギャラリーなつかで灰原千晶展「もうそうかもしれない」が開かれている(4月1日まで)。灰原は1990年、千葉県生まれ。2013年に武蔵野美術大学造形学部油絵科油絵専攻を卒業している。今回が初個展となる。 画廊の中央に和式便器が設置してある。よ…
鈴木孝夫『教養としての言語学』(岩波新書)を読む。同じ著者の岩波新書『ことばと文化』『日本語と外国語』を読んできたが、本書は題名ほど硬い本ではない。 記号、あいさつ、指示語、人称、言語干渉の5章からなっている。鈴木は少年の頃から野鳥が好きで…
東京墨田区両国のギャラリーMoMo両国で篠原愛展「サンクチュアリ」が開かれている(4月8日まで)。篠原は1984年鹿児島県生まれ、2007年に多摩美術大学絵画学科油画専攻を卒業している。卒業した年銀座のギャラリーQでの個展で注目された。ついで2011年にギャ…
鈴木孝夫『日本語と外国語』(岩波新書)を読む。鈴木はアメリカのホテルでレンタ・カーを呼んだとき、オレンジ色の小型車が行くからと言われた。ところが車はなかなか現れなかった。ハッと気がついて、さきほどから停まっている茶色の車がそれかもしれない…
東京上野桜木のSCAI the BATHHOUSEで宮島達男展「LIFE(complex system)」が開かれている(4月22日まで)。宮島は1957年、東京生まれ。1984年に東京藝術大学を卒業し、1986年に同大学大学院を修了している。 宮島は数字を明滅させる発光ダイオードを使って作…
佐藤優『君たちが知っておくべきこと』(新潮社)を読む。副題が「未来のエリートとの対話」とあって、灘高校の生徒たちと3年にわたって3回対話したことの記録である。2013年と2014年、2015年のそれぞれ4月に灘高生たちが佐藤の家に集まって対話というか、佐…
鈴木孝夫『ことばと文化』(岩波新書)を読む。先日、鈴木孝夫・田中克彦『【対論】言語学が輝いていた時代』を読んで、鈴木孝夫をもっと読みたいと思って手に取った。期待どおりのおもしろい本だった。 ことばの意味や使い方には構造があって、それが言語に…
東京銀座のギャルリー志門で黒田薫・藤澤江里子二人展「さかいめ/わけてつながる」が開かれている(3月25日まで)。 藤澤は1960年東京都生まれ、武蔵野美術大学造形学部基礎デザイン科を卒業したあとBゼミスクールを修了している。その後、なびす画廊、かわ…
齋藤亜矢『ヒトはなぜ絵を描くのか』(岩波科学ライブラリー)を読む。裏表紙に簡単な解説がある。 ヒトの子どもは円と円を組み合わせて顔を描く。でもDNAの違いわずか1.2%のチンパンジーにはそれができない。両者の比較からわかってきた面白いことは? キ…
川上弘美『大きな鳥にさらわれないよう』(講談社)を読んだ。14篇の連作短篇で綴るSF仕立ての物語。川上は昔読んだ『センセイの鞄』がとても良かった。さて、本書の時代はいつとは記されていない。最初の短篇の「私」は現在までに2回結婚している。夫は4回…
東海林さだおの「食」の長期連載エッセイの文庫版最新作で39冊目の『サンマの丸かじり』(文春文庫)を読む。単行本はさらに数冊は刊行されているはず。もとは『週刊朝日』に毎号見開き2ぺージで連載されているもの。東海林さだおのエッセイを読むのはこれが…
東京八丁堀のヒノギャラリーで小林良一展「浮遊する層」が開かれている(4月1日まで)。小林は1957年、栃木県生まれ。1987年に東京造形大学美術学科絵画専攻を卒業している。1986年に小野画廊で初個展。その後ギャラリイKでも個展を行い、1994年からはヒノギ…
、 東京銀座のギャラリーせいほうで櫻井かえで彫刻展「ウサギと魚とマイホーム」が開かれている(3月17日まで)。櫻井は1974年東京都生まれ、2006年に武蔵野美術大学大学院造形研究科彫刻専攻コースを修了している。2001年にこのギャラリーせいほうで初個展…
山口拓夢『短歌で読む哲学史』(田畑ブックレット)を読む。田畑書店が新しく始めた叢書でその第1号。かなり力を入れているらしく価格がたったの1,300円+税。136ぺージとはいえ、1万部くらい刷っているのではないか。帯の文句が「短歌を手がかりに、たった1…
荒木陽子+荒木経惟『東京は、秋』(月曜社)を読む。本書は1972年にアラーキーが撮影し、それを二人が1983年と1984年に語ったもの。これらの写真はもう45年前になる。この年アラーキーは電通を退職しフリーになるが、もう広告写真はやめたので仕事がなかっ…
ベランダのスミレも花開き、近くの旧中川の南向きの土手にも早春の花が咲き始めていた。 スミレ タンポポ ナズナ ヨモギは花ではないが草餅の摘み草にちょうど良い ホトケノザ オオイヌノフグリ 犬 ふ ぐ り ど ん な 小 さ な 虫 を 待 つ 渚男
、 田中克彦『名前と人間』(岩波新書)を読む。もう21年前に出版されている。おそらく出版されてすぐ読んだはずだから21年ぶりの再読だけど全然記憶がなかった。しかし地味な題名で損をしていると思う。内容はとても面白いのに。 田中は本書で固有名詞につ…
東京木場のギャラリーCO-EXIST-TOKYOで小林耕二郎展「動ブツたち」が開かれている(3月18日まで)。小林は2001年に金沢美術工芸大学美術学部彫刻学科を卒業し、2003年には多摩美術大学大学院美術研究科彫刻専攻を修了している。2011年に新宿眼科画廊で個展を…
、 吉田健一『昔話』(講談社文芸文庫)を読む。吉田最晩年のエッセイで、雑誌『ユリイカ』に1975年から76年にかけて連載したもの。吉田はその翌年65歳で亡くなっている。 吉田健一は戦後の首相吉田茂の息子で英文学者。評論、小説、随筆、翻訳などで活躍し…
東京六本木のストライプハウスギャラリーで大坪美穂展「黄泉の国の神殿」が開かれている(3月14日まで)。大坪は1968年に武蔵野美術大学油絵科を卒業している。今まで銀座のシロタ画廊やギャルリ・プスなど各地で個展を開いていて、韓国やインドのグループ展…
、 東京銀座のステップス・ギャラリーで達和子展が開かれている(3月18日まで)。達は2001年にぎゃらりぃセンターポイントで個展を開き、その後ギャラリー山口、ギャルリー志門、ギャラリーテムズなど、多くの画廊で個展を開き、グループ展への参加も数多い…
、 鈴木孝夫・田中克彦『【対論】言語学が輝いていた時代』(岩波書店)を読む。鈴木は慶応大学名誉教授で優れた言語学者。田中は鈴木より8歳年下でモンゴル語専攻のこれまた優れた言語学者だ。その二人の対談が【対論】と題されている。単なる対談ではない…
田中克彦『従軍慰安婦と靖国神社』(KADOKAWA)を読む。田中はユニークな言語学者で、常識にとらわれない独自の意見を持っている。 私は従軍慰安婦について触れるのが億劫でこの話題にはあまり近づかなかった。細部がどうであれ、戦時中とはいえ若い娘たちが…
国立新美術館で草間彌生展「わが永遠の魂」が開かれている(5月22日まで)。草間は1929年、長野県松本市生まれ。近年海外できわめて高く評価され、最近10年間で価格が100倍になったと言われるほどだ。本展のキャッチフレーズも「稀代の天才芸術家草間彌生の…
上野の東京都美術館で第41回人人展が始まった(3月8日まで)。人人展は中村正義の発案で始まり、もう41回目になった。今回も30数名が出品している。どちらかと言えば異端的な作家が主流を占めている印象がある。中から数名の作家を紹介したい。 古茂田杏子(…
東京銀座のOギャラリーで川城夏未展が開かれている(3月5日まで)。川城は、1968年神奈川県茅ケ崎市生まれ。1992年女子美術大学洋画科卒業、1995年東京藝術大学大学院油画科修了。1998年ウインドゥギャラリーで初個展、以来数多くの個展を重ねてきている。今…