農業

木村裕・監修、大中洋子・絵『まんがでわかる畑の虫』を読む

木村裕・監修、大中洋子・絵『まんがでわかる畑の虫』(農山漁村文化協会)を読む。イラストで畑作害虫を紹介している図鑑。大中の描くイラストが分かりやすく、木村による記載も簡潔でよくできている。取り上げられている虫(害虫)は27項目。種類でなく項…

秋のバラ

秋のバラが咲いている。花屋にもバラの花が並んでいる。実はヨーロッパで愛でられたバラは春にしか咲かなかった。秋に咲くバラは比較的新しいのだ。大場秀章『バラの誕生』(中公新書)によると、18世紀に中国のコウシンバラがヨーロッパにもたらされた。こ…

プルーン灰色かび病

パックで買ったプルーンの1個にカビが生えていた。これは灰色かび病で、灰色かび病菌(Botrytis cinerea)によって発生する。灰色かび病菌は多犯性で、様々な作物に寄生する。ブドウや桃、桜桃、ナス、トマト、イチゴ、バラ、その他多くの野菜や花きなど。 …

見慣れない花の名前は?

娘がスマホにGoogleレンズというアプリを入れてくれた。これが大変な優れもので、スマホのカメラで撮影すると即座に対象の名前を教えてくれる。旧中川の河川敷に作られている花壇の花はネモフィラであり、同じくドイツアヤメとかオオツルボとかガザニアとか…

佐藤洋一郎『稲と米の民族誌』を読む

佐藤洋一郎『稲と米の民族誌』(NHKブックス)を読む。副題が「アジアの稲作景観を歩く」と言い、佐藤が30年間にわたって調査したアジアのイネと稲作の現地調査を振り返っている。今まで佐藤の著書としては、『稲の日本史』、『イネの文明』、『イネの歴史』…

「イネの文明」を読んで

佐藤洋一郎「イネの文明」(PHP新書)を読んだ。副題が「人類はいつ稲を手にしたか」、著者は植物遺伝学者で稲の起源を研究している。本書では、従来インディカのイネとジャポニカのイネは共通の野生イネから選別されて栽培種になったと理解されていたが、著…

ビルの中に作られた水田と菜園

私の勤める職場はビルの11階に食堂がある。食堂の窓から眺めると真向かいのビルの1階が何かやけに明るくて、あれは何だろうと同僚の間で話題になっていた。仕事の帰り道に覗きに行った。ガードマンが親切に案内してくれて、受付嬢たちが笑顔で説明してくれ…

「究極の田んぼ」という過激な自然農法をすすめる本

岩澤信夫「究極の田んぼ−−耕さず肥料も農薬も使わない農業」(日本経済新聞出版)が過激な自然農法を提案している。まず、有機農業を否定する。有機農産物は危険だと驚くようなことを言う。 JAS(日本農林規格)法による日本の有機農法は、非常に変則的な形…

稲作の起源、中尾佐助の誤り

今西錦司グループの中尾佐助が好きでたくさんの著書を読んできた。むしろ中尾を通じて今西を知ったのだと思う。最初に読んだのが「栽培植物と農耕の起源」(岩波新書)だった。それから「照葉樹林文化」(中公新書)「続照葉樹林文化」(中公新書)「料理の…