2009-01-01から1ヶ月間の記事一覧

「ずら」の語源は

ある美術のメーリングリストで、『銭ゲバ』を見ていたというOさんが「ずら」はどこの方言かと質問した。 それに対して山梨のYさんが回答した。 Oさん、ずらって、山梨県の方言だと思います。・・・たぶん。 そーずら、とか使いますから。 その回答を読んでO…

料理上手な友人

料理上手な友人が二人いる。どちらもIで始まるI藤君とI田君だ。後者の田君では強く印象に残ったエピソードがあった。男5人が新年会をしたときのこと。1泊2日で会場はバツイチの独り者が住む日高市は巾着田近くの1軒屋。前夜豪勢な宴会で朝目覚めると朝食…

リチャード・ロングの作品の展示方法

東京都現代美術館の常設展にリチャード・ロングの小枝の作品が展示されることがある。現在の常設展でも久しぶりに展示されている。これを初めて見たのはまだ東京都現代美術館ができる前の東京都美術館の現代美術の企画展のときだった。草間弥生のペニスのボ…

湯島の手打古式蕎麦

湯島天神の近くに手打古式蕎麦という蕎麦屋がある。ここはよそでは見られない不思議な蕎麦を出す。蕎麦が真っ黒なのだ。これを大根のしぼり汁に生醤油をかけたもので食べる。聞けば黒いのは甘皮ごとひいているためだという。古い製法なのだそうだ。 これが見…

三橋貴明「ドル崩壊!」をお勧めする!

ドル崩壊!作者: 三橋貴明,渡邉哲也出版社/メーカー: 彩図社発売日: 2008/08/22メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 3人 クリック: 34回この商品を含むブログ (8件) を見る 三橋貴明「ドル崩壊!」(彩図社)が面白い。いや面白いなんて言っちゃいけない。…

竿屋の商売

無料で廃品を回収しますと車で回っている業者がいる。使えなくなったノートパソコン、音の出なくなったラジカセやミニコンポ、動かなくなったミシンなど、無料にて無料にて回収しますとスピーカーから大きな声を出して回っている廃品回収車だ。 最近、廃品を…

佐藤美術館の三瀬夏之介展「冬の夏」

佐藤美術館で三瀬夏之介展「冬の夏」が始まっている(2月22日まで)。三瀬夏之介は1973年奈良生まれ、京都市立芸術大学大学院を修了して、2007年から1年間五島記念文化財団からフィレンツェに派遣されている。 三瀬は日本画を描いている。しかし伝統的な日…

スタニスワフ・レムが参照したレイ・ブラッドベリ

SF

スタニスワフ・レム「ソラリス」は、惑星ソラリスの知性が、調査に訪れた人間の無意識を探って、隠されていた記憶から恋人や赤ん坊のリアルな像をを作り出すSFだ。原作は1961年に発行された。 レイ・ブラッドベリ「火星年代記」(ハヤカワ文庫)の原作は1946…

ミーノ・武田展「苔庭を掛ける」

東京新橋のギャラリー閑々居でミーノ・武田展「苔庭を掛ける」が開かれている(24日まで、ただし延長する見込み)。生きているコケを額に植えている。額は壁に掛けている。即ち垂直になっているのだ。今までもコケの盆栽はあった。しかし、それを垂直に立て…

おかしなおかしな木村太陽展

木村太陽展が京橋のギャラリーASK?で開かれている。正確には、木村太陽×ポル・マロ二人展だが。木村の展示は首都圏では2005年の横浜のヨコハマポートサイドギャラリー以来久しぶりだ。 この作家は本当に変な作家で(いや、作品が)、どこからこんな発想が生…

パナソニックのコンパクトデジカメLUMIX TZ5の使い心地

[rakuten:dtc:10018580:detail] ちょっと関係した職場でコンパクトデジカメを使って取材した。購入したばかりの最新式のものだ。パナソニックLUMIX TZ5という機種。光学式10倍ズームが売り物で910万画素。コンパクトデジカメなんて各社研究が進んでいて、正…

NHK「クローズアップ現代」でアメリカカンザイシロアリが紹介された

1月19日のNHK「クローズアップ現代」でアメリカカンザイシロアリが紹介された。最近日本のあちこちでその被害が増加しているという。アメリカカンザイシロアリは乾燥した場所に生息する。住宅の土台部分など湿った場所に生息する在来種のヤマトシロアリやイ…

「菌類のふしぎーーきのことカビと仲間たち」

昨年10月から今年の1月12日まで上野の国立科学博物館でやっていた「菌類のふしぎーーきのことカビと仲間たち」を見に行った。最終日だったので混んでいた。マンガの「もやしもん」も流行っているし。 変形菌(粘菌)の子実体の実物が展示されていて、こんな…

いまどきの文学に関する中島梓の過激な発言

中島梓「ガン病棟のピーターラビット」(ポプラ文庫)は作家がすい臓ガンにかかり、築地の国立がんセンターに入院して手術を受ける闘病記だ。手術がどんなに大変かよく分かって興味深い。入院中、中島は病室で本を読む。ガン病棟のピーターラビット (ポプラ…

ワインについて、悪趣味な話

山崎カズヒトさん(id:caesarkazuhito:20090114)がワインについて書いているので、私もワインに関する悪趣味な思い出をちょっと。 昔カミさんと喧嘩したあと、和解したいと思ってワインをプレゼントしたことがある。カミさんは赤ワインの重いのが好きだった…

志賀直哉の評伝を読む運転手

以前20年間ほどバイク通勤をしていた。墨田区内の自宅から秋葉原の会社まで5.5km、バイクなら通勤時間が10分だった。残業が多い職場で、退社が午後8時や9時は普通、一番忙しかったときは3か月以上午前0時前は退社しないと自分で決めたくらいだった。だが…

ギャラリーなつかの上野慶一展

銀座5丁目のギャラリーなつかで上野慶一展が開かれている(31日まで)。上野慶一は1956年東京生まれの52歳。もう40回くらい個展を行ってきたという。私は10年ほど前からときどき見てきたが、カットアウトシリーズやルヴハイシリーズが印象に残っている。カ…

ル・クレジオ「調書」が復刊した

ル・クレジオが昨年ノーベル文学賞を受賞し、長らく品切れだった処女作「調書」(新潮社)が復刊された。それで、新潮社のPR誌「波」1月号に野崎歓が「23歳の勇姿を、いまこそ再発見しようーーJ. M. G. ル・クレジオ『調書』」と題するエッセイを書いている…

今日は原和の5回目の祥月命日だ

今日は原和の5回目の祥月命日だ。5年前の今夜9時頃、別れの電話をくれてその3時間後に亡くなった。原和とは小学校、中学校、高校が一緒だったが、同じクラスになったことはなかったし、特に付き合いはなかった。高校を卒業して2人とも受験に失敗し、田…

ベストセラーを頻出していた草思社がなぜ倒産したのか

昨年、一時はベストセラーを頻出していた出版社草思社が倒産し、自費出版で台頭してきた文芸社に買収されてその子会社となった。いったい何が起きたのか? 草思社といえば「なぜ美人ばかりが得をするするのか」「他人をほめる人、けなす人」「謝らないアメリ…

ぎゃらりぃ朋の宮永直人展がすばらしい!

銀座1丁目のぎゃらりぃ朋(とも)で宮永直人展が開かれている(17日まで)。宮永直人は1973年東京生まれの35歳、1999年にギャラリー銀座フォレストで初個展を開いた。その時いい画家だと思い、それからずっと見てきた。 千住博のプライマリー画廊でもある高…

朝鮮人と日本人の物腰

小熊英二・姜尚中編「在日一世の記憶」(集英社新書)の書評を小倉紀蔵が読売新聞に書いた(2008年12月7日)。そこに朝鮮人と日本人の興味深い文化の違いが指摘されている。 文化とは悲しいものだ。在日コリアンを描いた映画「血と骨」を見たとき、そう思っ…

山本弘の作品解説(23)「雪の三叉路」

「雪の三叉路」、油彩F10号(53cmx45.5cm) 1970年代後半の飯田市での個展で発表された。先に紹介した「三叉路」(id:mmpolo:20081222)とよく似た構図だ。まるであぜ道のような細い三叉路の角に電柱が立っている。道の両側の霜枯れた畑に雪が降っている。吹…

ジイちゃんの俳句

娘の母方の祖父(ジイちゃん)は現役時代高校の英語の教師だった。学徒出陣で少し戦争にも行った。オタマジャクシを飯に混ぜると飯が灰色になるという話以外戦争の話はしなかった。戦場では嫌なことしかなかったという。戦争の初期には結構良い思いをした者…

山本弘の作品解説(22)「少女像(仮題)」

山本弘「少女像(仮題)」、油彩、サイズ不明 詳細不明、F3号か4号くらいの小品だと思う。少女を描いたもののようだ。筆触が美しい。二科の人気作家の織田広喜の作品に似ているが、織田より良いと思う。 織田広喜といえば、織田の作品を扱ったギャラリー汲…

山本弘の作品解説(21)「3号病棟」

「3号病棟」または「第三病棟」、油彩F50号(90.9cmx116.7cm) 1976年9月の飯田市勤労福祉センターでの個展に出品され、その後1995年7月の東邦画廊での山本弘遺作展にも出品された。 題名は山本が入院していた飯田病院の精神科の病棟の名前、山本はアル中…

ニホンカワウソが好きになったわけ

先日「ニホンカワウソ絶滅宣言」(id:mmpolo:20090102)というエントリーを書いた。それに対してyukioinoさん(id:yukioino)が★印を付けてくれ、「とても悲しい」と書いた部分をチェックされていた。それで、「とても悲しい」が唐突だったと気づいた。なぜ…

ソクーロフ「チェチェンへ/アレクサンドラの旅」

ソクーロフ監督作品「チェチェンへ/アレクサンドラの旅」を渋谷ユーロスペースで見る。撮影時点で80歳のロシアのソプラノ歌手ガリーナ・ヴィシネフスカヤが主演の戦争映画。といってもおばあさんがチェチェン駐屯のロシア軍の孫を訪ねる話。不便な貨車に兵…

山本弘の作品解説(20)「過疎の村」

山本弘「過疎の村」、油彩F20号(60.6cm×72.7cm) 夏から晩夏にかけての頃、山本は仲間と飯田市の郊外、大平地区へスケッチ旅行にでかけた。旅行というかバスで1時間もかからない。大平地区は飯田市のある伊那谷と木曽を結ぶ峠に位置している。峠道があまり…

ニホンカワウソ絶滅

ニホンカワウソ友の会事務局の田邊さんから年賀状をいただいた。そこに次のように書かれていた。 安藤先生よりニホンカワウソの絶滅(宣言)が出されました。 この安藤先生とは、安藤元一「ニホンカワウソーー絶滅に学ぶ保全生物学」(東大出版会)の安藤さ…