ミーノ・武田展「苔庭を掛ける」

 東京新橋のギャラリー閑々居でミーノ・武田展「苔庭を掛ける」が開かれている(24日まで、ただし延長する見込み)。生きているコケを額に植えている。額は壁に掛けている。即ち垂直になっているのだ。今までもコケの盆栽はあった。しかし、それを垂直に立てたのは初めてだろう。
 表参道にあるプラダ本社ビルにもコケの壁がある。海外の設計家がコケの壁を指定したという。施工の竹中工務店が苦労してコケの壁を作った。しかし青々としていないのだ。何だか茶色になっている。うまく水が回っていないのではないか。
 そんな先入観があったので、このミーノ・武田展もあまり期待していなかったのだが、いや見事だった。中にミズゴケが埋められていて、そこを水が循環している。1つの額の中には数種類のコケが植え込まれている。明るい色のコケはゼニゴケだ。庭園ではゼニゴケは普通のコケを駆逐してしまうので嫌われる。ゼニゴケが増えてしまわないか尋ねると、その心配はないとの答えだった。日本庭園を模して石も設置されている。造形的にもなかなかきれいだった。


アートギャラリー閑々居(かんかんきょ)
営業時間  11:00-18:00  日曜休廊
105-0004 東京都港区新橋1-8-4 丸忠ビル5F
TEL 03-5568-7737 FAX 03-5568-7784
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