2009-02-01から1ヶ月間の記事一覧

「ハチはなぜ大量死したのか」を読んで

ハチはなぜ大量死したのか作者: ローワン・ジェイコブセン,中里京子出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2009/01/27メディア: 単行本購入: 6人 クリック: 64回この商品を含むブログ (78件) を見る ローワン・ジェイコブセン「ハチはなぜ大量死したのか」(文藝…

山崎さんの話

定年が近い山崎さんが東北へ出張した。初めて行った街で夜バーへ行ったと言う。そのバーではホステスがテーブルの向こう側に座っていて、横に来てくれないんだよ。せめてダンスができればいいのに。 どうしてダンスができればいいんですか? だって女性の身…

加藤周一を読む喜び

加藤周一セレクション2 (平凡社ライブラリー)作者: 鷲巣力出版社/メーカー: 平凡社発売日: 1999/08/09メディア: 文庫 クリック: 3回この商品を含むブログ (3件) を見る 加藤周一セレクション2「日本文学の変化と持続」(平凡社ライブラリー)を読む。 後白…

猫に起こされた

今日は田舎で人に会う約束で、朝の高速バスを予約していた。5時40分に目覚ましを合わせていたのに、鳴ってすぐ止めてまた寝てしまった。7時少し前に猫に起こされた。いつも朝飯を催促して、寝ている私の顔を触るのだ。額や頬をそっと。 あわてて跳び起きて…

安藤元一「ニホンカワウソ」を読む

昨年の2月20日も「今日は獺祭(だっさい)」(2008年2月20日)というエントリーを書いた。ちょうど先日18日に、安藤元一「ニホンカワウソ」(東京大学出版会)を読み終わったところだ。副題が「絶滅に学ぶ保全生物学」、この副題がすべてを表している。 著…

橋本治「蝶のゆくえ」を読む

新潮社の季刊誌「考える人」2007年春号「特集 短篇小説を読もう」に橋本治と高橋源一郎の対談が掲載されている。 高橋源一郎 『蝶のゆくえ』は、「小説すばる」に連載されているときからすごいなと思っていましたけど、単行本が出たときその圧倒的なすごさに…

再び根室にて

一昨日から根室に来ている。19日から1泊2日で帯広に来ていったん帰り、また22日から1泊2日で根室に来るはずだったのが、天候不順で東京に戻れず、そのまま根室で待機しろと言われてホテルで燻っている。 暇なとき読むために2冊の本を持ってきた。佐高信と橋…

佐高信「追悼譜」を読む

追悼譜 (ちくま文庫)作者: 佐高信出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2008/09/10メディア: 文庫この商品を含むブログ (2件) を見る 佐高信「追悼譜」(ちくま文庫)を読んだ。佐高信は経済関係の評論家として著名だが、その著書を読んだのは初めてだ。本書は…

縄文学への道

池橋宏「稲作渡来民」(講談社選書メチエ)の参考文献に「縄文学への道」という題名を見たとき、つい「なわ文学への道」と読んでしまい、団鬼六を連想した。 団鬼六については以前触れたことがあったが、(団鬼六「最後の愛人」を読む)(2007年12月14日)半…

春の花

仕事で北海道を回ってきた。石狩当別、北広島、千歳、倶知安、留萌、稚内。稚内は道路がすべて雪で覆われていて全く地面が見えなかった。歩道の脇には1.5メートルくらいの雪の壁。羽田空港に降り立つと、そこは春だった。 カメラを手に近所を回ってみた。墨…

テツオ・ナジタに関して大江健三郎が書いている

以前、「折口信夫への中沢新一と三島由紀夫の相反する二つの評価」(2008年9月28日)と題したエントリーで国文学者新山茂樹とアメリカの歴史学者テツオ・ナジタの不思議な関係を紹介した。 それを読んだSHOKOさんからコメントをいただいた。 昔、横浜の三流…

川上弘美「ニシノユキヒコの恋と冒険」がつまらない

ニシノユキヒコの恋と冒険 (新潮文庫)作者: 川上弘美出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2006/07/28メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 35回この商品を含むブログ (206件) を見る 川上弘美の「ニシノユキヒコの恋と冒険」(新潮文庫)を読んだが、これがつまら…

性的な夢を見た

風邪っぽかったので昼寝をした。夢を見たが欲求不満なのか性的な夢だった。古い知人の女性をホテルへ誘ったら躊躇することなくついてきてくれた。安っぽい旅館へ入った。通された部屋は日本間だった。 部屋に入ってすぐキスしたり胸を愛撫したりした。二人と…

保証協会の役目

一般に上場していない中小企業の経営者は、銀行から借り入れをするときにその連帯保証を求められる。連帯保証人だけは決してなるなとの親の遺言があっても、これは逆らえない。会社が銀行から融資を受けると、経営者がその連帯保証人になる。そして会社が倒…

岩坪賢の初個展がすばらしい

日本画の岩坪賢の初個展がすばらしい。中央区京橋のアートスペース羅針盤で2月14日まで開かれている。左右2メートル前後の大作に、若い娘たちの眠っていたりくつろいでいる姿を描いている。画面には2、3人の娘たちが描かれているが、彼女たちがいる空間…

愚かを相手のたたかい

ジョン・ル・カレ「スマイリーと仲間たち」(ハヤカワ文庫)から "愚かを相手のたたかいには神も手を焼く" スマイリーの頭にシラーの句がうかんだ。シラーは官僚を加えるのを忘れている。 この言葉と「蟹は己の甲羅に似せてその穴を掘る」という諺を杖のよう…

わが郷里の山、風越山

先月、入院しているお袋を見舞いに行った折り、天竜川の東岸、わが故郷喬木村の河岸段丘から北西を見た景色。飯田市の後ろに大きくそびえる山が風越山(ふうえつざん、かざこしやま)だ。または権現山とも言う。山頂には白山権現が祭られている。数年前に亡…

ランペドゥーサ「山猫」を読む

イタリアの作家ランペドゥーサの「山猫」(岩波文庫)を読む。イタリアの由緒正しい古い古い家柄の貴族の没落の物語だ。ランペドゥーサはシチリアの貴族の家系、この小説は同じくイタリア貴族の映画監督ヴィスコンティの「山猫」の原作だ。40年以上前に佐藤…

トルーマン・カポーティの「カメレオンのための音楽」

カメレオンのための音楽 (ハヤカワepi文庫)作者: トルーマンカポーティ,Truman Capote,野坂昭如出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2002/11/01メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 18回この商品を含むブログ (34件) を見る トルーマン・カポーティの「カメレオ…

天袋の中のポルノ写真

もう30年ばかり前のことになるが、北陸の県立農業試験場の研究者がポルノ写真をコレクションしていた。現在と違って当時そのような写真を入手するのは本当に至難だった。たいていの人は一生に数枚程度しか見ることがなかっただろう。 しかしマニアはいるので…

ブログのお休み

今日からしばらく仕事で出張が続くのでブログをお休みします。週末頃には再開できると思います。

みゆき画廊で酒匂譲展が始まる

昨年、「酒匂譲展がすばらしい」(2008年1月28日)と紹介したが、今年も酒匂譲展が銀座のみゆき画廊で2月2日から7日まで開かれる。 酒匂先生は今年79歳なのに、色彩が美しい。形が力強い。マンネリにほど遠いすばらしい画家だ。プロの画家たちがほめるの…

ハインライン「悪徳なんかこわくない」はTSの世界だ

SF

悪徳なんかこわくない 上 (ハヤカワ文庫 SF ハ 1-6)作者: ロバート A.ハインライン,矢野徹出版社/メーカー: 早川書房発売日: 1977/09メディア: 文庫 クリック: 6回この商品を含むブログ (13件) を見る悪徳なんかこわくない 下 (ハヤカワ文庫 SF ハ 1-7)作者:…