2024-01-01から1年間の記事一覧

ギャラリーQの土方英俊展を見る

東京銀座のギャラリーQで土方英俊展が開かれている(9月21日まで)。土方英俊は1977年三重県生まれ、2003年に東京造形大学造形学部美術学科絵画専攻を卒業し、2007年に正眼短期大学禅・人間学科を卒業している。2004年にギャラリーエスで初個展、以来20年ぶ…

コバヤシ画廊の村上早展を見る

東京銀座のコバヤシ画廊で村上早展が開かれている(9月21日まで)。村上早は1992年群馬県生まれ。2014年に武蔵野美術大学造形学部油絵学科版画専攻を卒業し、2017年同大学大学院博士後期課程中退。毎年コバヤシ画廊で個展を続けていて今年が9回目になる。2…

ガルリSOLの松尾玲央奈展を見る

東京新富のガルリSOLで松尾玲央奈展「融和する心緒」が開かれている(9月21日まで)。松尾玲央奈は1984年、福岡県生まれ。2007年に女子美術大学芸術学部立体アート学科を卒業し、2012年に同大学大学院美術研究科美術専攻後期博士課程を修了している。初個展…

シロタ画廊の今村由男個展を見る

東京銀座のシロタ画廊で今村由男個展「うつろう日々の貌」が開かれている(9月21日まで)。今村由男は1948年長野県喬木村生まれ、フランスで銅版画多色刷りを学び、その後文化庁特別派遣芸術家在外研修員としてパリへ行っている。スペインカダケス国際版画…

和田誠・村上春樹『ポートレイト・イン・ジャズ』を読む

和田誠・村上春樹『ポートレイト・イン・ジャズ』(新潮文庫)を読む。55人のジャズメンたちを取り上げて、和田誠のイラスト、村上春樹の文章で構成されている。とても楽しい本。ジャズメンの選択は和田誠が好きに選んで個展で発表し、それに村上が関連する…

松岡和子『深読みシェイクスピア』を読む

松岡和子『深読みシェイクスピア』(新潮文庫)を読む。シェイクスピア全作品の個人翻訳に取り組んだ松岡和子に小森収がインタビューして本書が成立した。『ハムレット』、『ヘンリー6世』3部作、『リア王』、『ロミオとジュリエット』『オセロー』、『恋…

櫻木画廊の中津川浩章展を見る

東京上野桜木の櫻木画廊で中津川浩章展「描くことの根源へ」が開かれている(9月15日まで)。中津川浩章は1958年静岡県生まれ。和光大学で学び、個展をギャラリイK、パーソナルギャラリー地中海などで数回ずつ開き、その他、ギャラリーJin、ギャラリー日鉱…

サリンジャー、村上春樹・訳『キャッチャー・イン・ザ・ライ』を読む

サリンジャー、村上春樹・訳『キャッチャー・イン・ザ・ライ』(白水社)を読む。昔、野崎孝訳の『ライ麦畑でつかまえて』を読んでとても気に入った記憶がある。もう50年から55年くらい前だ。そんなに古い記憶なので、内容はほとんど覚えていなかった。この…

アートスペース羅針盤の北村武志展を見る

東京京橋のアートスペース羅針盤で北村武志展が開かれている(9月14日まで)。北村武志は1963年長野県生まれ、武蔵野美術大学日本画科を卒業している。1992年に岐阜県多治見市の画廊で初個展、以来名古屋地方を中心に個展を開いてきたが、東京では2000年の…

Stepsギャラリーの田崎亮平展を見る

東京銀座のStepsギャラリーで田崎亮平展が開かれている(9月14日まで)。田崎亮平は1988年神奈川県生まれ、2013年に東京大学工学部建築学科を卒業している。2013年にStepsギャラリーで初個展、今回が3回目の個展となる。 田崎の制作方法について、Stepsギ…

金丸裕子『自由が丘画廊ものがたり』を読む

金丸裕子『自由が丘画廊ものがたり』(平凡社)を読む。副題が「戦後前衛美術と画商・実川暢宏」。実川は1968年、世田谷区の自由が丘に自由が丘画廊を開く。それ以前に戦後現代美術の草分けだった南画廊に出入りし、若いのに山口長男の80号の油彩の大作を買…

ギャラリー枝香庵Flatの「コレクターによる田端麻子展」を見る

東京銀座のギャラリー枝香庵Flatで「コレクターによる田端麻子展」が開かれている(9月8日まで)。田端は1972年神奈川県藤沢市生まれ、1996年に多摩美術大学油画専攻を卒業している。各地のギャラリーで個展を開いている人気画家だ。今回は、コレクターた…

ギャラリー広田美術の阿部ふみ展を見る

東京銀座のギャラリー広田美術で阿部ふみ展「琴線のドローイング」が開かれている(9月7日まで)。阿部ふみは1980年東京生まれ、2007年に東京芸大美術学部油画専攻を卒業している。2011年みゆき画廊で初個展、その後広田美術で個展を繰り返し行っている。 …

恩地日出夫監督と山本弘

昭和43(1968)年、私は山本弘と飯田市の銀座通りを散歩していた。山本弘は画家でアルコール中毒だった。酒を飲まないと外出しなかったから、この時も酔っていたのだろう。妻の愛子さんも一緒だったかもしれない。銀座通りには常盤劇場という映画館があった…

ギャラリーなつかの小瀧雅道展を見る

東京京橋のギャラリーなつか及びCross View Artsで小瀧雅道展が開かれている(9月14日まで)。小瀧雅道は1961年東京生まれ、19894年東京藝術大学美術学部絵画科日本画科を卒業し、1989年同大学大学院後期博士課程を修了している。1999年フリーマンフェロー…

ギャルリー東京ユマニテbisの丸尾紘美展を見る

東京京橋のギャルリー東京ユマニテbisで丸尾紘美展「a calm lake’」が開かれている(9月7日まで)。丸尾紘美は1985年兵庫県神戸市生まれ、2008年大阪芸術大学美術学科版画コースを卒業し、2010年同大学大学院芸術研究科芸術制作博士課程(前期)芸術制作専…

ポーラ ミュージアム アネックスの板谷龍一郎展を見る

東京銀座のポーラ ミュージアム アネックスで板谷龍一郎展「Everyday Life THERE」が開かれている(9月23日まで)。板谷は1974年大阪生まれ、大阪からトロント、東京、ロンドンの生活を経て、現在はベルリン在住。住んでいる街や旅先の風景、部屋にあるモノ…

小森収インタビュー集『はじめて話すけど……』を読む

小森収インタビュー集『はじめて話すけど……』(草原推理文庫)を読む。小森収が8人の作家や編集者たちにインタビューしたもの。明確なテーマを決めて、そのテーマに絞ってインタビューしている。各務三郎は早川書房の『ミステリマガジン』の編集長だった。…

川村記念美術館休館か

DICは27日、保有・運営するDIC川村記念美術館(千葉県佐倉市)の運営を見直すと発表した。東京に移転するか運営を中止するかを検討する。年内に結論を出し、2025年1月下旬に休館する。資産効率の観点から運営方法の見直しが必要だと判断した。(日本経済新聞…

末木文美士『日本思想史』を読む

末木文美士『日本思想史』(岩波新書)を読む。カバー袖の惹句に、 古代から今にいたるまで、日本人はそれぞれの課題に取り組み、生き方を模索してきた。その軌跡と膨大な集積が日本の思想史をかたちづくっているのだ。〈王権〉と〈神仏〉を二極とする構造と…

ギャルリー東京ユマニテbisのコノハ展を見る

東京京橋のギャルリー東京ユマニテbisでコノハ展「何が言いたい?」が開かれている(8月31日まで)。コノハは2002年茨城県生まれ、現在美大に在学中で今回が初個展となる。 「沈まぬ舟」 初個展だというが面白かった。シュールレアリスム的な作品だが、むし…

アートトレースギャラリーの戸田尚克展を見る

東京両国のアートトレースギャラリーで戸田尚克展「ささらぐ」が開かれていた(8月26日まで)。戸田尚克は1995年東京生まれ、2022年東京芸術大学大学院美術研究科彫刻専攻を修了している。その後ドイツへ留学した模様。2018年熱海市のギャラリーで発表し、…

カフカ著、頭木弘樹 編『決定版 カフカ短編集』を読む

カフカ著、頭木弘樹 編『決定版 カフカ短編集』(新潮文庫)を読む。なぜ今カフカ短編集かと思ったら、編者の頭木は20歳で難病になったと後書きで書く。13年間の闘病生活で、『決定版カフカ全集』(新潮社、全12巻)をかたわらに置いて、全巻をそれぞれ100回…

ガルリSOLの「ステキナ彫刻たち展」を見る

東京新富のガルリSOLで「ステキナ彫刻たち展」が開かれている(8月31日まで)。彫刻家の4人展で、参加しているのは石彫の長内夏希、金属の福田直樹と翁長瞳、それにミクストメディアの小俣英彦。 長内夏希の石の作品は4つで1作品とのこと。4人のうち、…

トキ・アートスペースの瀬戸理恵子作品展を見る

東京神宮前のトキ・アートスペースで瀬戸理恵子作品展「断面から見えてくるもの」が開かれている(9月1日まで)。瀬戸は広島市生まれ、武蔵野美術大学油絵学科を卒業し、その後広島大学大学院美術教育専攻を修了している。1995年渡米、1997年ペンシルヴァ…

ギャラリーSAOH & TOMOSの大矢雅章展を見る

東京神宮前のギャラリーSAOH & TOMOSで大矢雅章展「constellation」が開かれている(8月31日まで)。大矢は1972年神奈川県生まれ、1998年に多摩美術大学大学院美術研究科絵画専攻を修了している。深沢幸雄・森野眞弓・渡辺達正氏より銅版画を学ぶと略歴にあ…

ギャラリーQの安藤開展を見る

東京銀座のギャラリーQで安藤開展が開かれている(8月24日まで)。安藤開は1988年神奈川県生まれ、2013年に多摩美術大学美術学部工芸科を卒業し、2015年同大学大学院美術研究科博士前期課程工芸選考を終了した。2014年にギャラリーQで初個展、以来ギャラリ…

アートスペース羅針盤の鈴木律子展を見る

東京京橋のアートスペース羅針盤で鈴木律子展が開かれている(8月24日まで)。鈴木律子は1971年三重県生まれ、主に名古屋、三重の画廊で発表している。 鈴木の言葉、 大地のエネルギーや楠から伝わる生命の大切さを3次元の世界で表現しようと模索しています…

国立新美術館の田名網敬一展を見る

東京六本木の国立新美術館で田名網敬一展「記憶の冒険」が開かれている(11月11日まで)。田名網は1936年東京生まれ、武蔵野美術大学を卒業している。世界各地で個展を開いているというが、私は10年以上前ギンザグラフィックギャラリーで個展を見たのを憶え…

須藤靖『AIなき世界に戻れるか?』を読む

須藤靖『AIなき世界に戻れるか?』(インターナショナル新書)を読む。副題が「物理学者、17の思考実験」というもの。東大教授だった宇宙物理学者の須藤靖が、東京大学出版会のPR誌『UP』に連載したエッセイと他の雑誌に掲載した合計17編をまとめたもの。 「…