ハルノ宵子『それでも猫は出かけていく』を読む

ハルノ宵子『それでも猫は出かけていく』(幻冬舎文庫)を読む。ハルノ宵子は吉本隆明の娘で作家の吉本ばななの姉、漫画家。ハルノは両親と3人で住む一軒家で多くの猫と暮らしていた。しかし、「家猫」は数匹で、多くは餌をもらいに家の中まで入ってきたり…

金井美恵子『迷い猫あずかってます』を読む

金井美恵子『迷い猫あずかってます』(中公文庫)を読む。1990年12月18日に子猫が迷い込んできた。飼い猫のようだったので、ちらしを作りあちこちに貼りだした。ちらしの文言、 迷い猫あずかってます 12月18日の昼ごろから、/この近辺で/迷い子になって/…

死臭について

高見順の詩「三階の部屋」を引く。 三階の部屋 窓のそばの大木の枝に カラスがいっぱい集まってきた があがあと口々に喚(わめ)き立てる あっち行けとおれは手を振って追い立てたが 真黒な鳥どもはびくともしない 不吉な鳥どもはふえる一方だ おれの部屋は…

出版社のコピーの甘さ

岩合光昭の『日本の猫』カレンダーは平凡社が発行している。9月は愛知県佐久島の猫だ。キャプションが、次のようになっている。 暖かな午後、広場に集まります。あとから来たメスが挨拶します。 これから得られる情報は左側の猫がメスだということくらいだ…

子猫と大人猫はどちらが魅力的か

うちのチビの11年前の写真が植物図鑑に載っている。イネ科のエノコログサを紹介するページで、ネコジャラシの別名があることを言っている。そこにこの写真を出し、「エノコログサの穂にはネコがよくじゃれる。」というキャプションを付けている。 そのため家…