思考

池谷裕二『自分では気づかないココロの盲点 完全版』を読む

池谷裕二『自分では気づかないココロの盲点 完全版』(講談社ブルーバックス)を読む。副題が「本当の自分を知る練習問題80」。脳には「認知バイアス」という思考や判断のクセがあるという。それを80項目の質問と答えによって教えてくれる。 デパートの食品…

村上靖彦『客観性の落とし穴』を読む

村上靖彦『客観性の落とし穴』(ちくまプリマ―ブックス)を読む。 大学の授業で学生から「先生の言っていることに客観的な妥当性はあるのか」と質問されることがあるという。村上は、「客観性」「数値的なエビデンス」は、現代の社会では真理とみなされてい…

発想はどこから来るか

横尾忠則『創造&老年』(SBクリエイティブ)に次のような横尾の発言がある。 あのね、直感が浮かんできたりすることがあるじゃないですか? 普段の自分では想像もできないような面白いことや不思議なことが、ある時突然、浮かんでくる。それはどこから来る…

山鳥重『「気づく」とはどういうことか』を読んで

山鳥重『「気づく」とはどういうことか』(ちくま新書)を読む。山鳥は失行症・失語症・失認症・健忘症などの高次脳機能障害の専門家。臨床の現場から脳の認知について独特の研究をしている。山鳥の『言葉と脳と心』(講談社現代新書)も極めて興味深く読ん…

執筆という行為自体が考える行為(再録)

ブログを書く時間がないので、以下、昔書いたのを再録する。 ルイーズ・バレット/小松淳子・訳『野性の知能』(インターシフト)に執筆という行為について興味深いことが書かれている。 ……言語は私たちにコミュニケーション能力を与えるものだし、私たちの…

執筆という行為自体が考える行為

ルイーズ・バレット/小松淳子・訳『野性の知能』(インターシフト)に執筆という行為について興味深いことが書かれている。 ……言語は私たちにコミュニケーション能力を与えるものだし、私たちの脳の構造にもうまく適している。しかし、それだけでなく、私た…

オクタビオ・パスと渡辺京二

ノーベル文学賞を受賞したメキシコの詩人オクタビオ・パスは『マルセル・デュシャン論』(書肆風の薔薇)で機械と人間を比較して、人間こそ不死だと書く。 これらの機械は、われわれの身体よりも長もちのする材料でできているにもかかわらず、われわれよりも…

記憶のかたち

お茶の水駅近くのお堀の岸に白い百合の花が咲いていた。よく知っている百合だ。何だったっけ? 「た」行の名前だった気がする。タメトモユリ(為朝百合)だったか、いや違う、タメトモユリはヤマユリよりも大きくて日本でもっとも華やかな白い百合だ。こんな…