読売新聞の書評欄

週末の新聞には書評欄があり、新刊書の書評が掲載される。毎日新聞、朝日新聞は土曜日に、読売新聞は日曜日に掲載される。書評欄は朝日新聞が3~4ページ、毎日新聞が3ページ、読売新聞も3ページだった。それが今日の読売新聞では2ページになっていた。 …

練馬区立美術館の「8つの意表」展を見る

東京中村橋の練馬区立美術館で「8つの意表」展が開かれている(6月20日まで)。美術館のホームページから、 「意表をつく」という言葉があります。 おおむね「相手の予期しないことをする」という意味で用いられますが、「意表」は字義に近く「こころをあ…

溝口睦子『アマテラスの誕生』を読む

溝口睦子『アマテラスの誕生』(岩波新書)を読む。副題が「古代王権の源流を探る」というもので、とても収穫の多い読書だった。 本書の惹句から、 戦前の日本で、有史以来の「国家神」「皇祖神」として報じられた女神「アマテラス」。しかしヤマト王権の時…

伊東深水の描く日劇ミュージックホール

伊東深水 現在東京ステーションギャラリーで開かれている「コレクター福富太郎の眼」に出品されている伊藤深水の「戸外は春雨」が朝日新聞に紹介された(6月15日付)。これについて大野拓生が書いている。 (……)気品の漂う美人画で戦後に高い人気を集めた…

井坂洋子『犀星の女ひと』を読む

井坂洋子『犀星の女ひと』(五柳書院)を読む。詩、小説、評論、随筆、俳句と多岐にわたって書いた作家を詩人の井坂が暖かく書いている。表紙の犀星の写真がいいが、新潮社の犀星担当の編集者だった谷田昌平によるもの。 犀星といえば、萩原朔太郎の親友だっ…

小林英樹『「ゴッホ」にいつまでだまされ続けるのか』を読む

SOMPO美術館の「ひまわり」 小林英樹『「ゴッホ」にいつまでだまされ続けるのか』(情報センター出版局)を読む。小林がゴッホの作品の重要な6点を贋作だと指摘している。それは日本のSOMPO美術館所蔵の「ひまわり」、ワシントン・ナショナルギャラリー所蔵…

児島善三郎の花の絵

児島善三郎 児島善三郎 みずほ信託銀行に派遣で働いていたことがある。金庫の管理をしていた。金庫といっても現金ではなく有価証券を保管している金庫だった。銀行の入口は1階にあって、通常の顧客が出入りしていた。そこには外国の作家の版画が飾られてい…

田村隆一『詩集 言葉のない世界』を紹介する荒川洋治

荒川洋治が毎日新聞の書評欄で田村隆一『詩集 言葉のない世界』(港の人)を紹介している(6月12日付)。 (……)初版は1962年刊。たった10編。詩の文字の印刷されたところが、35ページしかない、とても薄い詩集だけれど、緊迫感は、無常のもの。名編「帰途…

谷川由里子『サワーマッシュ』を読む

谷川由里子『サワーマッシュ』(左右社)を読む。谷川は第1回笹井宏之賞大森静佳賞の受賞者。笹井宏之賞は書肆侃侃房が主催する短歌新人賞で、夭折した歌人笹井宏之を記念して作られた。大賞のほか、選考委員が選ぶ賞があり、選者の大森静佳が谷川を選んでい…

早稲田大学會津八一記念博物館の「受贈記念 コレクター寺田小太郎―難波田龍起、相笠昌義を中心に―」を見る

東京早稲田の早稲田大学會津八一記念博物館で「受贈記念 コレクター寺田小太郎―難波田龍起、相笠昌義を中心に―」が開かれている(7月30日まで)。博物館のホームページから、その概要を、 当館は2010年と2019年に故寺田小太郎氏(1927-2018)のコレクション…

中沢新一『アースダイバー 神社編』を読む

中沢新一『アースダイバー 神社編』(講談社)を読む。これがめっぽう面白かった。中沢は全国の古い神社の歴史を探り、そこから日本の古層へとダイビングしていく。縄文から弥生~古墳時代の、歴史に書かれていない古い姿を掘り出していく。取り上げられてい…

うしお画廊の石井紀湖展「―彫刻・墨絵―」を見る

東京銀座のうしお画廊で石井紀湖展「―彫刻・墨絵―」が開かれている(6月12日まで)。石井は東京藝術大学彫刻科を卒業し、大学院を修了している。ギャラリー山口やみゆき画廊で個展をしていたが、最近はうしお画廊で個展を繰り返している。 石井は大きな木彫…

トーキョーアーツアンドスペース本郷の「TOKAS-EMERGING 2021 Part 2」を見る

東京文京区のトーキョーアーツアンドスペース本郷で「TOKAS-EMERGING 2021 Part 2」が開かれている(6月20日まで)。1階から3階のスペースでそれぞれ個展形式で3組が展示している。 1階は久木田茜の個展「シンメトリーのひずみ」、久木田は1987年愛知県生…

洋式トイレの蓋

読売新聞の書評で飯間浩明が本田弘之・岩田一成・倉林秀男『街の公共サインを点検する』(大修館書店)を紹介している(6月6日付)。飯間は国語辞典編纂者で、新しい言葉を、新聞や雑誌、本、テレビ、SNSなどから集め、街の看板やポスター、貼紙、のぼり、…

東京ステーションギャラリーの「コレクター福富太郎の眼」展を見る

東京ステーションギャラリーで「コレクター福富太郎の眼」展が開かれている(6月27日まで)。美術館のホームページから、 福富太郎(ふくとみ たろう/1931-2018)は、1964年の東京オリンピック景気を背景に、全国に44店舗にものぼるキャバレーを展開して、…

銀座メゾンエルメス フォーラムのマチュウ・コプランによる展覧会「エキシビジョン・カッティングス」を見る

東京銀座の銀座メゾンエルメス フォーラムでマチュウ・コプランによる展覧会「エキシビジョン・カッティングス」が開かれている(7月18日まで)。マチュウ・コプランは、ロンドンを拠点に活動するするフランス/イギリス人キュレーター。タイトルの「カッテ…

養清堂画廊の山中現展を見る

東京銀座の養清堂画廊で山中現展が開かれている(6月12日まで)。山中はWikipediaによれば、1954年福島県喜多方市生まれ。東京芸術大学で油絵を学び、同大学院で木版画を専攻。1984年に西武美術館版画大賞展で受賞し、以後個展を中心に発表を続ける。各地の…

ギャラリー58の田中彰展を見る

東京銀座のギャラリー58で田中彰展が開かれている(6月5日まで)。田中は1949年高知県生まれ、1974年多摩美術大学美術学部グラフィックデザイン科卒業。いくつかの画廊で個展をした後、2004年ギャラリー汲美で個展を開き、汲美が閉じた後は主にギャラリー5…

キダチチョウセンアサガオが咲いている

キダチチョウセンアサガオが咲いている。別名エンジェルトランペットとかダチュラとか呼ばれる。主に地下茎から抽出した成分は、聴覚性幻覚・急性痴呆・行動異状を引き起こすという。植松黎の「世界の毒草」に詳しい記述がある(『一冊の本』2017年8月号)。…

笹井宏之歌集『ひとさらい』を読む

笹井宏之歌集『ひとさらい』(書肆侃侃房)を読む。笹井宏之はWikipediaによれば、「15歳の頃から身体表現性障害という難病で寝たきりになり日常生活もままならず」、「2005年に「数えてゆけば会えます」で第4回歌葉新人賞を受賞。2007年、未来短歌会入会、…

ギャラリーN神田社宅の江口暢彌展を見る

東京神田のギャラリーN神田社宅で江口暢彌展「ニアリーイコール?ノットイコール?」が開かれている(5月29日=今日まで)。江口は1997年に多摩美術大学大学院美術研究科を修了している。もともとは日本画を学んでいた。5年前からスペインに渡り、スペイン…

櫻木画廊の中津川浩章展「線を開放する」を見る

東京上野桜木の櫻木画廊で中津川浩章展「線を開放する」が開かれている(6月6日まで)。中津川は1958年静岡県生まれ。和光大学で学び、個展をギャラリイK、パーソナルギャラリー地中海などで数回ずつ開き、その他、ギャラリーJin、ギャラリー日鉱、マキイ…

鈴木真砂女『鈴木真砂女』を読む

岩合光昭カレンダー『日本の猫』の5月25日の項に「卯波立つ」とあった。卯波は『広辞苑』によれば、「卯月(陰暦4月)のころに海に立つ波。卯月波。〈季・夏〉。」とある。卯波と言えば、東京銀座の京橋に近い路地にその名前の小料理屋があった。並木通りに…

日本一焼き肉店が多いまち

朝日新聞が長野県飯田市を「日本一焼き肉店が多いまち」と報じている(5月24日夕刊)。「飯田市 マトンもジビエも馬の腸も」と。 人口1万人あたりの焼き肉店数「日本一」――。全国の焼き肉店数ランキングが4月下旬に好評され、長野県飯田市が1位の座を守っ…

テーブルヤシの丈詰め

ここに2枚の写真がある。1枚目の写真は子猫がバードウォッチングをしている。2枚目の写真は子猫もインコもいない。どちらにも共通しているのがテーブルヤシだ。 この子猫は4年前に18歳で亡くなっている。子猫はおそらく2000年に撮影したものだろう。2枚目の…

版画偽造事件のその後

読売新聞に「偽版画100点超押収」「大量流通 押印・紙質異なる」「巨匠の作品多すぎる」「業界団体 大阪の画商追及」との記事が1面と27面に載った(2021年5月23日付)。 1面 27面 27面つづき 昨年12月に大阪の画商から多数の版画が押収され、平山郁夫、東山…

ギャラリーアビアントの高橋理和展「軽さについて」を見る

DM葉書 東京吾妻橋のギャラリーアビアントで高橋理和展「軽さについて」が開かれている(5月30日まで)。高橋は1953年京都府舞鶴市生まれ、1972〜73年にスペインマドリッドプラド美術館において模写の勉強をしている。1977年東京造形大学美術学部油絵科卒業…

ギャラリー枝香庵の田端麻子展を見る

DM葉書 東京銀座のギャラリー枝香庵で田端麻子展が開かれている(5月30日まで)。田端は1972年神奈川県藤沢市生まれ、1996年に多摩美術大学油画専攻を卒業している。2年ぶりの個展だという。 いつも通りに平面作品のほかに立体作品を展示している。1センチ…

ギャラリー58の「アヴァンギャルド・ポスター・コレクション」を見る

東京銀座のギャラリー58で「アヴァンギャルド・ポスター・コレクション」が開かれている(5月22日まで)。展示されている戦後の前衛美術を代表する作家たちは、赤瀬川原平、秋山祐徳太子、池田龍雄、篠原有司男、ゼロ次元、中村宏、三木富雄、吉野辰海らだ…

牧野信一「西瓜喰ふ人」を読む

牧野信一の短篇小説「西瓜喰ふ人」を読む。牧野は明治29年生まれで、昭和11年に39歳で自死している。私小説の作家であまり関心を持たなかった。しかし、大江健三郎と古井由吉が対談『文学の淵を渡る』(新潮文庫)で牧野を絶賛している。牧野をとびきりの名…