TS4312の澤登恭子展を見る

東京四谷三丁目のTS4312で澤登恭子展「華麗なる崩壊」が開かれている(10月27日まで)。澤登恭子は1998年東京藝術大学美術学部絵画科油画卒業、2000年に同大学大学院美術研究科壁画研究室を修了している。今まで水戸芸術館や大阪、ロンドン、山口などで発表…

ポーラ ミュージアム アネックスのアンリ・マティス展を見る

東京銀座のポーラ ミュージアム アネックスでアンリ・マティス展「色彩を奏でる」が開かれている(10月27日まで)。 ちらしの言葉、 (……)本展覧会では、マティスが生涯を通じて描き続けた室内画の名品、ポーラ美術館収蔵の《リュート》をはじめとした絵画…

三野博司『アルベール・カミュ』を読む

三野博司『アルベール・カミュ』(岩波新書)を読む。若いころカミュの『異邦人』は私の最も好きな本の一つで、たぶん10回以上読み直している。ただ、『異邦人』以外はそれほど好きではなく、いずれも1回しか読まなかった。 本書で三野はカミュの小説や評論…

ギャラリーアビアントの及川伸一展を見る

東京本所吾妻橋のギャラリーアビアントで及川伸一展「relation24」が開かれている(10月18日まで)。及川伸一は1949年東京生まれ。1980年から1992年まで独立美術に出品していたが、1992年からは個展を主な発表の場所としている。これまでギャラリー汲美、ギ…

ギャラリーゴトウの森本秀樹展を見る

東京銀座のギャラリーゴトウで森本秀樹展が開かれている(10月15日まで)。森本秀樹は1951年、愛媛県宇和島出身。ギャラリー汲美をはじめ、ギャラリーゴトウ、小田急デパートなどで数多くの個展を行っている。現在宇和島市在住。 森本はまず色彩が美しい。そ…

ギャラリーなつかの小室茉莉展と神通舞子展を見る

東京京橋のギャラリーなつかで小室茉莉展「悉く本当」と神通舞子展が開かれている(10月12日まで)。先週に続いて「たまびやき」で、「たまびやき」とは多摩美術大学工芸選考陶の選抜展、今回は院生の展示になる。 小室茉莉は2000年埼玉県生まれ、現在多摩美…

出久根達郎『本の身の上ばなし』を読む

出久根達郎『本の身の上ばなし』(ちくま文庫)を読む。出久根達郎は元古書店主で直木賞受賞者。達者な筆致で古書業界を語るエッセイが面白い。本書は『日本経済新聞』の2019年から2020年の土曜日に毎週連載されたものをまとめている。本文庫で毎回4ページ…

ヒノギャラリーの丸山富之展を見る

東京八丁堀のヒノギャラリーで丸山富之展「彫刻竹取物語」が開かれている(10月12日まで)。丸山富之は1956年長野県生まれ、1986年東京藝術大学大学院彫刻専攻を修了している。1987年ときわ画廊で初個展、以来ときわ画廊、次いでヒノギャラリーで個展を繰り…

荒川洋治『文学の空気のあるところ』を読む

荒川洋治『文学の空気のあるところ』(中公文庫)を読む。詩人の荒川が各地で行った書物にまつわる9つの講演を集めたもの。荒川は書評家としても一流で、たくさんの小説や詩歌を読んでいる。その文学愛にあふれた講演はいずれも楽しくて、機会があれば聴講…

ギャラリー川船の日比野絵美展を見る

東京京橋のギャラリー川船で日比野絵美展「版画と生活」が開かれている(10月12日まで)。日比野絵美は1986年神奈川県生まれ、2009年に日本大学芸術学部美術学科版画コースを卒業し、2011年同大学大学院芸術学研究科造形芸術専攻博士前期課程を修了している…

ギャラリーなつかの「たまびやき」を見る

東京京橋のギャラリーなつかで「たまびやき」が開かれている(10月5日まで)。「たまびやき」とは、多摩美術大学/工芸専攻 陶/学部選抜作品展のこと。今週が学部生、来週が院生になる。 長浦悠月「ポケット」 これをポケットから発想しただなんて! 加藤…

柴田悦子画廊の浅見貴子展を見る

東京銀座の柴田悦子画廊で浅見貴子展「玉堂を学ぶ」が開かれている(10月5日まで)。浅見貴子は1964年埼玉県生まれ、1988年に多摩美術大学美術学部絵画科日本画専攻を卒業している。1992年に藍画廊で初個展。その後各地で何度も個展を開いている。またアー…

ギャラリー枝香庵の野澤義宣展を見る

東京銀座のギャラリー枝香庵で野澤義宣展「己事記」が開かれている(10月7日まで)。野澤義宣は1947年東京都生まれ。1966年寛永寺坂美術研究所に学ぶ。1974年臥牛会を結成(2006年退会)。以前は真っ黒な画面を作っていた。現在はモノクロに線描の抽象的な…

都心のモモヒメヨコバイ

東京銀座の首都高速道路をまたぐ萬年橋横に公園がある。公園にはハナモモが植えられていて、春にはハナモモがきれいな花を咲かせている。このハナモモに私が知る限り昨年からモモヒメヨコバイが大発生している。 モモヒメヨコバイは新しい侵入害虫で、数年前…

東京画廊+BTAPの崔明永展を見る

東京銀座の東京画廊+BTAPで崔明永展が開かれている(9月28日まで)。崔明永は1941年韓国生まれ、1964年に弘益大学校美術大学絵画科を卒業している。ギャラリーのホームページから、 1970年代以降、崔は絵画の本質的な平面性に着目し、平面の可能性を探求す…

Stepsギャラリーの田中啓一郎展を見る

東京銀座のStepsギャラリーで田中啓一郎展「Right becomes Left」が開かれている(9月28日まで)。田中啓一郎は1990年東京生まれ、2015年に東京造形大学造形学部美術学科絵画専攻を卒業し、2019年ギャラリーHANAで初個展。 絵画専攻というが、作品はほとん…

フマ コンテンポラリーアートの平賀敬大作展を見る

東京八丁堀のフマ コンテンポラリーアートで平賀敬大作展「酒とバラの日々 その世界」が開かれている(9月28日まで)。平賀敬は1936年東京生まれ、1958年立教大学経済学部を卒業している。1964年国際青年美術家展大賞を受賞、1965-1967年アメリカの8つの…

オフィスIIDAの佐藤杏子展を見る

東京銀座のオフィスIIDAで佐藤杏子展「Oil paintingを中心に」が開かれている(10月5日まで)。佐藤杏子は1954年、茨城県土浦市生まれ。1980年、多摩美術大学大学院を修了している。1978年から日本版画協会展に毎年出品し、1995年に準会員優秀賞受賞。1989…

大森洋平『考証要集』を読む

大森洋平『考証要集』(文春文庫)を読む。副題が「秘伝! NHK時代考証資料」。著者の大森洋平はNHKで時代考証業務を担当、2013年現在NHKドラマ番組部シニア・ディレクター。長年まとめた職員向け資料を上梓したもの。 なるほど知らない事柄が満載されている…

アートトレースギャラリーの田中綾子展を見る

東京両国のアートトレースギャラリーで田中綾子展「例えば、コップの水をただ見つめるように」が開かれている(9月30日まで)。田中綾子は1993年大阪府生まれ、2019年に東京藝術大学美術学部彫刻科卒業、2021年同大学大学院美術研究科彫刻専攻を修了してい…

ギャラリーQの土方英俊展を見る

東京銀座のギャラリーQで土方英俊展が開かれている(9月21日まで)。土方英俊は1977年三重県生まれ、2003年に東京造形大学造形学部美術学科絵画専攻を卒業し、2007年に正眼短期大学禅・人間学科を卒業している。2004年にギャラリーエスで初個展、以来20年ぶ…

コバヤシ画廊の村上早展を見る

東京銀座のコバヤシ画廊で村上早展が開かれている(9月21日まで)。村上早は1992年群馬県生まれ。2014年に武蔵野美術大学造形学部油絵学科版画専攻を卒業し、2017年同大学大学院博士後期課程中退。毎年コバヤシ画廊で個展を続けていて今年が9回目になる。2…

ガルリSOLの松尾玲央奈展を見る

東京新富のガルリSOLで松尾玲央奈展「融和する心緒」が開かれている(9月21日まで)。松尾玲央奈は1984年、福岡県生まれ。2007年に女子美術大学芸術学部立体アート学科を卒業し、2012年に同大学大学院美術研究科美術専攻後期博士課程を修了している。初個展…

シロタ画廊の今村由男個展を見る

東京銀座のシロタ画廊で今村由男個展「うつろう日々の貌」が開かれている(9月21日まで)。今村由男は1948年長野県喬木村生まれ、フランスで銅版画多色刷りを学び、その後文化庁特別派遣芸術家在外研修員としてパリへ行っている。スペインカダケス国際版画…

和田誠・村上春樹『ポートレイト・イン・ジャズ』を読む

和田誠・村上春樹『ポートレイト・イン・ジャズ』(新潮文庫)を読む。55人のジャズメンたちを取り上げて、和田誠のイラスト、村上春樹の文章で構成されている。とても楽しい本。ジャズメンの選択は和田誠が好きに選んで個展で発表し、それに村上が関連する…

松岡和子『深読みシェイクスピア』を読む

松岡和子『深読みシェイクスピア』(新潮文庫)を読む。シェイクスピア全作品の個人翻訳に取り組んだ松岡和子に小森収がインタビューして本書が成立した。『ハムレット』、『ヘンリー6世』3部作、『リア王』、『ロミオとジュリエット』『オセロー』、『恋…

櫻木画廊の中津川浩章展を見る

東京上野桜木の櫻木画廊で中津川浩章展「描くことの根源へ」が開かれている(9月15日まで)。中津川浩章は1958年静岡県生まれ。和光大学で学び、個展をギャラリイK、パーソナルギャラリー地中海などで数回ずつ開き、その他、ギャラリーJin、ギャラリー日鉱…

サリンジャー、村上春樹・訳『キャッチャー・イン・ザ・ライ』を読む

サリンジャー、村上春樹・訳『キャッチャー・イン・ザ・ライ』(白水社)を読む。昔、野崎孝訳の『ライ麦畑でつかまえて』を読んでとても気に入った記憶がある。もう50年から55年くらい前だ。そんなに古い記憶なので、内容はほとんど覚えていなかった。この…

アートスペース羅針盤の北村武志展を見る

東京京橋のアートスペース羅針盤で北村武志展が開かれている(9月14日まで)。北村武志は1963年長野県生まれ、武蔵野美術大学日本画科を卒業している。1992年に岐阜県多治見市の画廊で初個展、以来名古屋地方を中心に個展を開いてきたが、東京では2000年の…

Stepsギャラリーの田崎亮平展を見る

東京銀座のStepsギャラリーで田崎亮平展が開かれている(9月14日まで)。田崎亮平は1988年神奈川県生まれ、2013年に東京大学工学部建築学科を卒業している。2013年にStepsギャラリーで初個展、今回が3回目の個展となる。 田崎の制作方法について、Stepsギ…