2023-08-01から1ヶ月間の記事一覧

O美術館の座の会展「座2023」を見る

東京大崎のO美術館で第11回 座の会展「座2232」が開かれている(8月31日まで)。2012年に第1回展が開かれた座の会展も今回で12回を迎えた。基本、日本画家の会であったが、漆芸作家もの加わり、狭い意味の日本画にこだわらない作家も参加している。気になっ…

飯田市美術博物館の「コレクション展示 洋画家たちの小部屋―心の深遠―」を見る

長野県の飯田市美術博物館で「コレクション展示 洋画家たちの小部屋―心の深遠―」が開かれている(10月1日まで)。地元出身の画家が取り上げられている。わが山本弘とその先輩関龍夫、それに原鼎の3人だ。3人で合わせて29点が展示されている。 ここでは山…

ブログ休み

ブログは2~3日休みます。

猪熊弦一郎『マチスのみかた』を読む

猪熊弦一郎『マチスのみかた』(作品社)を読む。これがすばらしく大当たりの本だった。猪熊は戦後日本の最も重要な画家の一人。マチスに師事している。そんな猪熊が生前フランスでマチスに会い、絵を描くことについてアドバイスされたこと、マチスの生涯、…

ギャラリーアビアントの根木悟展を見る

DM葉書 東京吾妻橋のギャラリーアビアントで根木悟展が開かれている(9月2日まで)。根木は1968年愛知県生まれ、1991年嵯峨美術短期大学洋画専攻科を卒業し、初め京都の画廊で個展を開いていたが、2012年からは毎年中和ギャラリーで個展をしている。ここギ…

野呂邦暢『日本史の旅人』を読む

野呂邦暢『日本史の旅人』(中公文庫)を読む。副題が「野呂邦暢史論集」。野呂邦暢は作家、37歳で芥川賞を受賞するも43歳の若さで亡くなっている。私は40年以上前、野呂の小説が好きで何冊も読んだ記憶がある。亡くなって40年以上経った昨今また野呂が再評…

TOKASの太田遼展を見る

東京本郷のTOKAS(トーキョーアーツアンドスペース本郷)で「誰かのシステムをめぐる時part2」という展覧会が開かれている(9月24日まで)。3つの階それぞれ別の展示だが、1階は太田遼の展示となっている。太田は1984年生まれ、2016年に武蔵野美術大学大…

Stepsギャラリーの槙野央展を見る

東京銀座のStepsギャラリーで槙野央展「日々のあれこれ」が開かれている(9月2日まで)。槙野は1972年茨城県生まれ、1997年に茨城大学大学院教育学研究科美術教育専修を修了している。1994年にときわ画廊などで個展をし、つくば美術館などのグループ展に参…

吉行淳之介『目玉』を読む

吉行淳之介『目玉』(新潮文庫)を読む。以前読んでいたが、荒川洋治が『文庫の読書』(中公文庫)で、戦後の最高の短篇小説10篇の中に吉行淳之介の「葛飾」を挙げていた。それで「葛飾」の入っている短篇集『目玉』を再読した。 『目玉』は、単行本が平成元…

巷房・2と階段下の宇野和幸展を見る

東京銀座の巷房・2と階段下で宇野和幸展が開かれている(9月2日まで)。宇野和幸は1960年千葉生まれ、東京藝術大学大学院を修了し、現在嵯峨美術大学で教えている。作品は和紙にシンナープリント、アクリル絵具などを使い、今回大きな作品は天地175mm、左…

『谷川俊太郎が聞く 武満徹の素顔』を読む

谷川俊太郎・聞き手『谷川俊太郎が聞く 武満徹の素顔』(小学館)を読む。武満が亡くなった後、武満の親しかった友人たちや娘の武満真樹など8人に、谷川俊太郎が聞き手となって武満との交友や個人的な思い出などを聞いている。 その8人とは、小澤征爾、高…

志村真幸『未完の天才 南方熊楠』を読む

志村真幸『未完の天才 南方熊楠』(講談社現代新書)を読む。熊楠は驚くべき才能を多方面に発揮しながら、その仕事のほとんどが未完成に終わった。柳田国男とともに民俗学の基礎を築いたものの、途中で喧嘩別れしてしまった。キノコの新種をいくつも発見して…

櫻井芳雄『まちがえる脳』を読む

櫻井芳雄『まちがえる脳』(岩波新書)を読む。櫻井は行動神経科学、実験心理学の専門家。本書で脳の仕組みとコンピュータのそれとはまるで違うということを繰返し主張する。正常に働いているコンピュータは間違えることはないが、脳は間違えるようにできて…

JINENギャラリーが移転した

JINENギャラリーが移転し、8月15日から新しいスペースで展覧会が始まった。今度の場所は地下鉄人形町駅から徒歩3分というアクセスの良いところで、以前と同様A室とB室の二つのスペースがある。 今回まるやまさとわ(A室)と岸紗英子(B室)の個展をしている…

カダン有楽町の高橋大輔展を見る

東京有楽町のカダン有楽町で高橋大輔展が開かれている(8月27日まで)。高橋は1980年埼玉県生まれ。2005年に東京造形大学絵画専攻を卒業している。主な個展は、switch point、HARMASギャラリー、ウラノ等。2015年には東京オペラシティアートギャラリーの「絵…

横尾忠則による志村真幸著『未完の天才 南方熊楠』の書評

横尾忠則による志村真幸著『未完の天才 南方熊楠』(講談社現代新書)の書評が朝日新聞に掲載された(2023年8月12日朝刊)。写真がそれだが、印刷がひっくり返っている。でもこの通り印刷されていた。大きなゴジックの文字「未完」だけが正立している。 以…

東京都美術館の荒木珠奈展を見る

東京上野の東京都美術館ギャラリーA・B・Cで荒木珠奈展が開かれている(10月9日まで)。荒木は1970年東京都生まれ、1991年に武蔵野美術大学短期大学部を卒業、1993-94年にメキシコ国立自治大学美術学部で学び、1997年武蔵野美術大学造形学部を卒業している…

読売新聞読書委員が勧める旅行中に読みたい本

読売新聞の読書委員が旅行中に読みたい本を推薦している(読売新聞、2023年8月13日付け)。21人の読書委員が各自1冊ずつで21冊。題して「旅行中に読みたい非日常を味わう本」。 私はこの21冊中3冊に興味を持った。 *牧野邦昭推薦 玉村豊男著『料理の四面…

目黒区美術館の中村直人展を見る

東京目黒の目黒区美術館で中村直人展が開かれている(9月3日まで)。中村は1905年長野県神川村(現・上田市)生まれ。彫刻家を志し、1936年日本美術院同人に推挙される。真珠湾攻撃戦役《九軍神》像制作、のちに東郷神社に奉納される。戦後、戦争協力者に…

荒川洋治『文庫の読書』を読む

荒川洋治『文庫の読書』(中公文庫)を読む。荒川は詩人で書評家、私の大好きな文筆家だ。ここには荒川が書いた文庫本の書評が100冊分集められている。 気になったところを引用する。三浦哲郎『盆土産と十七の短篇』の項で、荒川が評価する短編が列挙される。…

いりや画廊の寺本幸弥彫刻展を見る

東京入谷のいりや画廊で寺本幸弥彫刻展が開かれている(8月19日まで)。寺本は1997年福岡県生まれ、2020年に九州産業大学芸術学部を卒業している。今回が初個展となる。 彫刻家前田哲明がギャラリーのホームページに書いている。 画竜点睛を欠くという言葉…

OギャラリーUP・sの日高理恵銅版画展を見る

東京銀座のOギャラリーUP・sで日高理恵銅版画展「emotion」が開かれている(8月13日まで)。日高は1982年に京都市立芸術大学工芸科陶磁器コースを卒業し、2017年から大阪、京都、滋賀などのギャラリーで個展を開いてきた。東京では初個展となる。 黒い犬が…

ギャラリーQの植竹雄二郎展を見る

東京銀座のギャラリーQで植竹雄二郎展「人のかたち」が開かれている(8月12日まで)。植竹は2015年に武蔵野美術大学彫刻学科を修了している。2022年にギャラリーKingyoで、今年新宿眼科画廊で個展を開いている。2021年に岡本太郎現代芸術賞展特別賞を受賞し…

うしお画廊のTシャツ展を見る

東京銀座のうしお画廊でTシャツ展が開かれている(8月13日まで)。すべてアーティストが描いたTシャツとトートバッグが展示販売されている。画廊主の牛尾さんのfacebookへの投稿から、 うしお画廊のTシャツ展始まりました〜 印刷あり、手描きあり、この夏の…

東京都現代美術館の常設展「MOTコレクション」を見る

東京木場公園の東京都現代美術館で常設展「MOTコレクション」が開かれている(11月5日まで)。そこでは「特集展示 横尾忠則――水のように」が特集されている。美術館のホームページでは、「横尾忠則の特集展示では、絵画とグラフィック作品約70点をご紹介し…

東京都現代美術館のデイヴィッド・ホックニー展を見る

東京木場の東京都現代美術館でデイヴィッド・ホックニー展が開かれている(11月5日まで)。ホックニーは1937年イギリス生まれ。ホックニーについて、美術館のホームページには、 1937年イングランド北部のブラッドフォードに生まれ、同地の美術学校とロンド…

東京画廊+BTAPの松浦浩之展を見る

東京銀座の東京画廊+BTAPで松浦浩之展「新作マルチプル作品展示会」が開かれている(8月10日まで)。松浦は1964年東京生まれ。画廊のホームページから、 2005年に東京画廊で開催された個展『Super Acrylic Skin』でデザイナーからアーティストへと転身し、…

ギャラリーせいほうの加新紺展を見る

東京銀座のギャラリーせいほうで加新紺展「巡―めぐる―」が開かれている(8月5日まで)。加新は東京造形大学彫刻科卒業。ギャラリーのホームページから、 2007年頃から抽象的な表現を始め、絶妙なバランス感覚で空間を物語る彼女の作品は設計者たちからも好…

うしお画廊の幡谷フミコ展を見る

東京銀座のうしお画廊で幡谷フミコ展が開かれている(8月5日まで)。幡谷は70代、画廊には車いすに乗った画家がいた。DM葉書の幡谷の言葉、 絵の特長は、繊細で几帳面な作風でしたが、思いがけず病に倒れ、大雑把で描きなぐる作風に変えざるをえませんでし…

ギャルリ・シェーヌの福岡しの野展を見る

東京銀座のギャルリ・シェーヌで福岡しの野展「原子の肖像」が開かれている(8月5日まで)。福岡は1987年神奈川県生まれ、2011年に武蔵野美術大学造形学部日本画学科を卒業し、2013年に同大学大学院造形研究科美術専攻日本画コースを修了している。2015年…