横尾忠則による志村真幸著『未完の天才 南方熊楠』の書評



 横尾忠則による志村真幸著『未完の天才 南方熊楠』(講談社現代新書)の書評が朝日新聞に掲載された(2023年8月12日朝刊)。写真がそれだが、印刷がひっくり返っている。でもこの通り印刷されていた。大きなゴジックの文字「未完」だけが正立している。

 以前横尾が何度も印刷を重ねた書評と違って、これは引っ繰り返せば読むことはできる。

 その横尾の書評であるが、熊楠に限らず人間はみな未完のまま死ぬと言う。横尾も同じく自分のすべての作品を未完と定めていると言う。この書評ではそれくらいのことしか書かれていない。熊楠に関するわずかな言及は、本書の「はじめに」を引用しただけだ。おそらく横尾は本書を読んではいないのだろう。

 以前どこかで、横尾は自分の年間の読書量は、朝日新聞の書評に取り上げたものだけだと書いていた。すると、その数はせいぜい年間十数冊に過ぎないだろう。今回のように「はじめに」しか読まないことは今までなかったかもしれないが、横尾の姿勢からしたらあっても不思議はないだろう。

 その無内容の書評をごまかすために、印刷を天地逆にして掲載したと見るのが妥当だろう。

 以前(2019年)、横尾が朝日新聞に、印刷を重ねてほとんど読めない書評を掲載したときもここに紹介している。それを下に引く。

横尾忠則の書評

https://mmpolo.hatenadiary.com/entry/2019/04/29/134617

 そろそろ横尾は書評家から引退してもいいのではないか。