2022-02-01から1ヶ月間の記事一覧

クレオパトラ一族の複雑な家族関係

昨日紹介したポーランドのノーベル文学賞受賞詩人ヴィスワヴァ・シンボルスカは、30年にわたり数百冊の本の書評を書いてきた。その一部が、『シンボルスカ詩集』(土曜美術社出版販売)に抄録されている。そこに取り上げられているアンナ・シヴィデルクヴナ…

『シンボルスカ詩集』を読む

つかだみちこ編・訳『シンボルスカ詩集』(土曜美術社出版販売)を読む。1996年度のノーベル文学賞受賞のポーランドの詩人。フルネームはヴィスワヴァ・シンボルスカ、1923年生まれの女性詩人だ。中に「橋の上の人々」という詩がある。私はまさかこれは鮎川…

SOMPO美術館の「FACE展 2022」を見る

新宿のSOMPO美術館で「FACE展 2022」が開かれている(3月13日まで)。以前の東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館が新しく美術館を建てて名称も変わった。それから初めて入ったのだった。 本展は1,142名の応募から83点の入選作を選び、9点の受賞作を決…

難波田史男の作品

いただいたカレンダーが壁に掛かっている。今月は難波田史男の「ある日の幻想」だ。難波田史男は難波田龍起の次男、瀬戸内海を航行中の船から転落死する。享年31歳。 たくさんのペン画を残した。史男の作品を数多く収蔵している東京オペラシティアートギャラ…

ポール・ヴァレリー『ドガ ダンス デッサン』を読む

ポール・ヴァレリー『ドガ ダンス デッサン』(岩波文庫)を読む。詩人のヴァレリーは37歳年上のドガと親しくつきあっていた。その交友の中から見聞きしたドガの言葉やドガの知人たちに関するエピソードを書いている。本書は今まで吉田健一、粟津則雄、清水…

長谷川櫂『俳句と人間』を読む

長谷川櫂『俳句と人間』(岩波新書)を読む。岩波書店のPR誌『図書』に2019年10月から2021年10月まで連載したエッセイ。これが素晴らしい。冒頭、右太腿に皮膚がんができていたという個人的な話題から始まる。そこから正岡子規が脊椎カリエスと診断されたと…

丸谷才一・編『恋文から論文まで』を読む

丸谷才一・編『恋文から論文まで』(福武書店)を読む。まえがきみたいな文章で、編者の丸谷が書いている。 (……)随筆がある。評論がある。対談がある。講義がある。題材も、恋文、料理、作文、卒業論文、小説、悪文と幅が広い。筆者の職業だつて、いろいろ…

山本弘のカット

長野県飯田市に『橋』という同人誌がある。昭和32年創刊だから、もう65年の歴史を持っている。昨年11月に第73号が発行されている。その創刊号に山本弘がカットを描いている。山本27歳の仕事だ。それを紹介する。

最相葉月『辛口サイショーの人生案内DX』を読む

最相葉月『辛口サイショーの人生案内DX』(ミシマ社)を読む。最相が読売新聞の「人生案内」の回答者として様々な悩みに答えた応答をまとめたもの。読売新聞の「人生案内」はたしか戦前から続いていて、社会風俗の豊富な事例として研究データとしても活用さ…

司馬遼太郎『この国のかたち 六』を読む

司馬遼太郎『この国のかたち 六』(文春文庫)を読む。司馬が『文藝春秋』の巻頭言として連載していたものだが、「歴史のなかの海軍」を書いていて、その5回目を書いたところで亡くなってしまう。この優れた論考は未完で中断してしまった。 「歴史のなかの海…

うしお画廊の大沢昌助展「具象・抽象」を見る

DM葉書 東京銀座のうしお画廊で大沢昌助展「具象・抽象」が開かれている(2月26日まで)。大沢昌助没後26年だという。今回は水彩や版画など小品が多い。初期から晩年まで多彩な作風が見られる。出品者は息子の大沢泰夫さん。彼が愛蔵する作品(油彩画、水彩…

藍画廊の番留京子展を見る

東京銀座の藍画廊で番留京子展が開かれている(2月26日まで)。番留は富山県生まれ。1985年、創形美術学校を卒業している。1986年、ギャラリー青山で初個展。以来多くのギャラリーで個展を開いてきたが、最近はギャラリー・オカベで定期的に開催してきた。…

ガルリSOLの「M SCULPTURE 2022」を見る

東京銀座のガルリSOLで「M SCULPTURE 2022」が開かれている(2月19日まで)。あないまみ、笠原鉄明、松尾玲央奈、松本憲宜、森哲弥が出品している。このうち、松尾玲央奈がとても良かった。 松尾は小品を多数展示している。コンクリート製の丸いボールに鎖…

須藤靖『宇宙は数式でできている』を読む

須藤靖『宇宙は数式でできている』(朝日新書)を読む。普通だったら、「数式でできている」なんて本は難しそうで読まない。でも著者の須藤は東大の宇宙物理学の教授でありながら、洒脱なエッセイストで、以前は読売新聞の、現在は朝日新聞の書評執筆者だ。…

ギャラリイKの葉緑素為吉展「からっぽ」を見る

東京京橋のギャラリイKで葉緑素為吉展「からっぽ」が開かれている(2月19日まで)。画廊の中央に透明なコップ(グラス)が丸く集められて置かれている。グラスは市販のもので、中はからっぽ、下部に20色くらいのテープが巻かれている。グラスはちょうど100…

スタニスワフ・レム『地球の平和』を読む

SF

スタニスワフ・レム『地球の平和』(国書刊行会)を読む。レム最後から2番目の長篇SF小説。お馴染み泰平ヨンが主人公で饒舌に語り活躍する。出版社のホームページから、その内容紹介。 自動機械の自立性向上に特化された近未来の軍事的進歩は、効果的かつ高…

東京都現代美術館のユージーン・スタジオ展を見る

展覧会ちらし 東京都現代美術館でユージーン・スタジオ展「新しい海」が開かれている(2月23日まで)。ユージーンは1989年アメリカ生まれの寒川裕人によるアーティストスタジオとのこと。ヒロヒトと読ませたくないのかな。 最初に「群像」という白い大きな…

アンドーギャラリーの中沢研展を見る

東京江東区木場公園近くのアンドーギャラリーで中沢研展が開かれている(4月28日まで)。中沢は1970年東京生まれ、1994年に多摩美術大学大学院美術研究科絵画専攻を修了している。1992年にINAXギャラリー2で個展を開いた後、ギャラリー現やギャラリー山口、…

JINENギャラリーのすずきあかね展を見る

東京日本橋小伝馬町のJINENギャラリーですずきあかね展「私はニケの羽根を食べました。」が開かれている(2月13日まで)。すずきは1995年東京都生まれ、2018年に武蔵野美術大学造形学部油絵学科版画専攻を卒業し、同年東京藝術大学大学院美術研究科絵画専攻…

練馬区立美術館の香月泰男展を見る

香月泰男展ちらし 練馬区立美術館で香月泰男展が開かれている(3月27日まで)。美術館のホームページから。 太平洋戦争とシベリア抑留の体験を描いたシベリア・シリーズにより、戦後美術史に大きな足跡を残した香月泰男(1911-74)の画業の全容をたどる回顧…

モニカ・ヴィッティ主演の映画『スエーデンの城』の音楽の思い出

時事通信が2月3日にモニカ・ヴィッティの訃報を伝えていた。 【AFP=時事】イタリアの女優モニカ・ヴィッティさんが死去した。90歳。文化相が2日、発表した。ヴィッティさんは、ミケランジェロ・アントニオーニ監督作品への出演で知られる。 ローマ生…

ギャラリー58の山下耕平展を見る

DM葉書 東京銀座のギャラリー58で山下耕平展が開かれている(2月12日まで)。山下は1984年兵庫県生まれ、2007年に佐賀大学文化教育学部デザイン専攻を卒業している。東京では、2011年から毎年このギャラリー58で個展を続けている。 今回は大きな顔を描いて…

奥野良之助『金沢城のヒキガエル』(再録)

書店に『金沢城のヒキガエル』(平凡社ライブラリー)が平積みされていた。以前、本書を紹介したことを思い出し、あれから15年経ったからいいかと思ってここに再録することにした。(「奥野良之助「金沢城のヒキガエル」の進化論批判」) ・ 今西錦司を読ん…

鮎川信夫・大岡信・北川透 編『戦後代表詩選 続』を読む

鮎川信夫・大岡信・北川透 編『戦後代表詩選 続』(思潮社 詩の森文庫)を読む。先日読んだ正編の続きで、副題が「谷川俊太郎から伊藤比呂美」。『現代詩の展望』(1986年11月刊)の「戦後史100選」を2冊に分けて編集したものの後編に当る。38人の戦後詩人の…

高橋源一郎・斎藤美奈子『この30年の小説、ぜんぶ』を読む

高橋源一郎・斎藤美奈子『この30年の小説、ぜんぶ』(河出新書)を読む。二人が雑誌『SIGHT』で「ブック・オブ・ザ・イヤー」という名称の対談を2003年から2014年まで行った。そのうちの2011年以降、2014年までのものを収録し、さらに2019年に「平成の小説を…

ギャラリーQの山部泰司展「遠隔山水図」を見る

DM葉書 東京銀座のギャラリーQで山部泰司展「遠隔山水図」が開かれている(2月12日まで)。山部は1958年岡山県生まれ、1981年京都市立芸術大学美術科を卒業し、1983年同大学大学院美術研究科を修了している。1981年大阪のギャラリー白で初個展、以来大阪や…

アートスペース羅針盤の大塚亨彫刻展を見る

東京京橋のアートスペース羅針盤で大塚亨彫刻展が開かれている(2月5日まで)。大塚は1980年岐阜県生まれ、2003年に多摩美術大学彫刻科を卒業し、2005年に東京藝術大学大学院美術研究科文化財保存学専攻 保存修復彫刻を修了する。2006年にギャラリーQで初…

藍画廊の岡典明展を見る

DM葉書 東京銀座の藍画廊で岡典明展「船 山を往く」が開かれている(2月12日まで)。岡は1964年横浜市生まれ、1990年多摩美術大学大学院美術研究科修了。個展は1991年から藍画廊など様々な画廊で行っている。 左下は劣化したセロテープ 今回の展示は針金を…