2012-03-01から1ヶ月間の記事一覧
書店の平台にハヤカワ文庫の新刊ジョン・ル・カレ『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ(新訳版)』が並べられていた。以前、同じハヤカワ文庫から出ていたものは菊池光・訳だったが、これは村上博基・訳になっていた。帯によると、これを原作に作ら…
銀座1丁目のギャラリー銀座フォレストで開かれている飯嶋亜依展が興味深い(3月31日まで)。飯嶋は1988年茨城県生まれ、女子美術大学短期大学部テキスタイル専攻科を卒業している。初個展は昨年ギャラリー銀座フォレスト・ミニで開いた。飯嶋はテキスタイ…
銀座4丁目のギャラリー58の山下耕平展がおもしろい(3月31日まで)。山下は1984年兵庫県生まれ、2007年に佐賀大学文化教育学部デザイン専攻を卒業している。東京では、昨年4月の同じギャラリーでの個展に続いて2回目だ。 ギャラリーの右手の壁面に大きな…
森本恭正『西洋音楽論』(光文社新書)がすばらしい! 副題が「クラシックに狂気を聴け」というものなので、発売直後に書店で見かけても手に取らなかった。うさんくさい気がしたのだ。それが新聞の書評で評価されていたので読んでみる気になった。 著者はヨ…
3月26日の夜の7時頃、西空では金星と月と木星が縦に並んだ。月齢3.5の月がスカイツリーの塔の左側に位置し、その上に明るい金星が輝く。月の下方、展望台の左側に木星が光っている。月と惑星がほとんど縦列に並んだのだ。 ちなみに25日は上から金星、木星…
オオイヌノフグリ(大犬のふぐり=大きな犬の金玉) カンヒザクラ(寒緋桜)以前はヒカンザクラとも呼ばれたが、ヒガンザクラと紛らわしいのでこの名前に トサミズキ(土佐水木) ヒマラヤユキノシタ(ヒマラヤ雪の下) ヒメリュウキンカ ヒヤシンス 「あな…
現代美術のウォッチャー&コレクターの塩入敏治さんが、現代美術に関するギャラリー・レビュー gallery reviewをメールマガジン形式で定期的に発信している。塩入さんの許可を得て、ここにそのメルマガを再録した。 Gallery Review 03111…
浅草橋のマキイマサルファインアーツで書の個展を見る。ギャラリーの1階で「福田匠吾初個展」を、2階で福田の父の「祥洲の墨の世界2012」を開いている(4月1日まで)。 私は書についてはほとんど分からない。でも福田匠吾の初個展は良い字だと思った。左…
昨夜、仕事から帰宅した娘が、父さん何か元気がないけどどうしたの? 会社で嫌なことがあったの? と訊いてきた。いや、何もないよと答えたが、なぜか元気がないのは自覚していた。それがなぜなのか、自分でも理由が分からなかった。 今日、佐野眞一『東電OL…
東京京橋のギャラリイKで大島愛のドローイング展「感情の交換」が開かれている(3月24日まで)。大島愛は岡山県倉敷市出身、2008年に尾道大学美術学科油画コースを卒業し、2010年に同大学大学院美術専攻を修了している。画廊の壁に貼られた大島のテキストか…
藤森照信『フジモリ式建築入門』(ちくまプリマーブックス)を読む。これが分かりやすく面白かった。藤森照信は東大の建築史の先生(現在は名誉教授)。だから建築に関しては詳しいのが当然。そのフジモリ先生が中高校生向けに建築をやさしく語ってくれる。…
朝日新聞の朝日歌壇に佐々木幸綱が選んだ蒲郡市の渡辺あゆ里の短歌が掲載されていた(3月19日朝刊)。 また一人友に招かれ結婚式恵比寿顔でも心は般若 ノーコメントで紹介する。
近所の富士桜が開花した。富士桜は園芸名、標準和名はマメザクラだが、これはマメザクラの近似種のヤブザクラの由。 今年はたしかに春が遅い。例年ならベランダのスミレが満開なのに、今年はやっと蕾が出始めたところだ。 ヤブザクラについては、「桜の会」…
朝日新聞に連載されているコラム「東京物語散歩」は小説に描かれた東京の駅周辺の街を紹介している。3月7日に掲載されたのは常盤新平の短篇集『冬ごもり』だった。副題が「東京平井物語」、JR総武線平井駅を取り上げていて、全ての話で平井が舞台になって…
渡辺京二『私の世界文学案内』(ちくま学芸文庫)を読む。もう30年も前になるが、その頃日本近代史や近代日本思想史関係を読みあさっていた。それで北一輝に関する本も何冊か読んだ。北一輝に関しては松本健一の『北一輝論』が評判が高かったが、私はむしろ…
吉本隆明が昨日3月16日に亡くなった。87歳だったという。吉本隆明の詩集から「少女」を引用したい。 少女 えんじゆの並木路で 背をおさえつける 秋の陽のなかで 少女はいつわたしとゆき遭うか わたしには彼女たちがみえるのに 彼女たちには きつとわたしが…
「とろけるくりーむパン」の八天堂の店頭の旗に「広島」「三原発」と書かれていた。3原発なんて、広島に3つの原発があったっけ? よく見たら、「広島」「三原」発だった。 これは公孫樹(イチョウ)。表参道の並木のイチョウ。
東京銀座1丁目のギャラリー現の井上修策展「エアーボール」が興味深い(3月17日まで)。金属製のボールが画廊中に転がっている。なかなかきれいだ。このボールの中には大震災の半月後から採集した空気が入っているという。ビニール袋に毎日空気を詰め、そ…
銀座5丁目の養清堂画廊で馬場知子展が始まった(3月24日まで)。馬場知子は私の最も好きな版画家の一人だ。馬場は1991年に女子美術大学絵画科版画専攻を卒業し、1992年に同大学研究生を修了している。そして翌1993年に銀座のギャラリー山口で初個展を開い…
1年後の春は何事もなかったかのようにさまざまな花々を咲かせている。 梅の花 福寿草 クリスマスローズ 陽当たりの良い土手のタンポポ ホトケノザ、アップにするときれいだ ユキワリイチゲは満開に近い ユキワリソウも咲き始めた フキノトウも蕾になっている
東京千駄ヶ谷の秋山画廊で小山穂太郎展が開かれている(3月26日まで)。小山穂太郎は1955年東京生まれ、1982年に東京芸術大学美術学部油画専攻を卒業し、1987年同大学院博士後期課程を修了した。現在は東京芸術大学の教授となっている。 今回の展示はガラス…
東京都現代美術館近くのアンドーギャラリーで中沢研展が開かれている(4月28日まで)。中沢は1970年東京生まれ、1994年に多摩美術大学大学院美術研究科絵画専攻を修了している。1992年にINAXギャラリー2で個展を開いた後、ギャラリー現やギャラリー山口など…
イギリス文学の古典といえるジョゼフ・コンラッド『闇の奥』(光文社古典新訳文庫)をようやく読んだ。今まで読んでいなかったのだ。それをなぜ今回読んだか。 昨秋最も好きな作家の一人ジョン・ル・カレの新作『ミッション・ソング』(光文社文庫)を読んだ…
電車の額面広告に文教大学生涯学習センターの広告が展示されており、「生涯学習のススメ」として2つの講演が紹介されていた。その1つが文教大学学長による講演で、タイトルが大きく掲げられている。 生きるために学び、学ぶことを楽しみ、 生きることで学…
東京銀座の2つのギャラリーで松尾玲央奈展が開かれている(3月10日まで)。銀座6丁目のガルリSOLと銀座4丁目のGGJ(Ginza Gallery Joshibi=銀座ギャラリー女子美)だ。松尾は1984年福岡県生まれ、現在女子美術大学大学院博士後期課程在学中。ガルリSOL…
東京都練馬区立美術館の中村正義展を見た(4月1日まで)。これがとても良かった。中村正義は1924年生まれの日本画家、はじめ中村岳陵に師事し、日展のスターとして期待されその審査員までつとめたが、情実で動く審査にいやけがさし、日展を脱退する。「人…
3月3日の朝日新聞「be on Saturday」の特集がサトウハチロー作詞の童謡「うれしいひなまつり」だった。その有名な歌詞が間違っているという。 お内裏さまと おひなさま 二人ならんで すまし顔 浅草橋「吉徳」の資料室長小林すみ江がその間違いを指摘してい…
銀座ニコンサロンで石川直樹写真展「やがてわたしがいる場所にも草が生い茂る」が開かれている(3月6日まで)。石川は1977年東京生まれ、2008年東京芸術大学大学院美術研究科博士後期課程を修了している。2008年写真協会新人賞・講談社出版文化賞、2011年…
宮本常一『忘れられた日本人』(岩波文庫)と佐野眞一『宮本常一が見た日本』(NHK出版)を読む。『忘れられた〜』は13の短編からなっていて、個々のバラツキはあるものの全体に良い。就中、世間で評価の高い「土佐源氏」は絶品だった。盲目の元馬喰の乞食が…
2月26日(おや、2.26だ)の日曜日に近所で撮影した春の花々。撮影場所は、墨田区の香取神社境内、小さな植物園、旧中川の土手、団地の公園などだった。 香取神社境内の白梅。紅梅のあと白梅の深空あり(飯田龍太) 植物園に咲いていたサルココッカ、ツゲ科…