2022-08-01から1ヶ月間の記事一覧
東京京橋のギャラリー檜Fで間々田佳展「〔満〕/〔空〕⇒間」が開かれている(9月3日まで)。間々田は1989年千葉県生まれ、2013年に武蔵野美術大学造形学部を卒業し、2015年に同大学大学院造形研究科修士課程を修了している。2016年にギャラリー檜で初個展…
東京銀座のギャラリーQで滝本優美展が開かれている(9月3日まで)。滝本は1992年、東京都生まれ、2016年に武蔵野美術大学造形学部油絵専攻を卒業し、2018年に同大学大学院造形研究科修士課程油絵コースを修了している。2016年にJINENギャラリーで初個展、…
東京銀座の巷房・2で遠藤加央里個展が開かれている(9月3日まで)。遠藤は1998年東京都生まれ、2021年金沢美術工芸大学工芸科陶磁コースを卒業し、現在同大学大学院修士課程工芸専攻陶磁コースに在籍中。今回が東京での初個展となる。 遠藤は陶でレリーフ…
旧中川、左:江戸川区、右:墨田区 朝日新聞の朝日歌壇に十亀弘史の短歌が選ばれている(8月28日付け)。 墨田区と江戸川区との区境の川の両側どちらも真夏 (東京都 十亀弘史) 墨田区と江戸川区の区境の川といえば旧中川だ。曲がりくねって決して大きいと…
東京大崎のO美術館で第11回 座の会展「座2022」が開かれている(9月1日まで)。2012年に第1回展が開かれた座の会展も今回で11回を迎えた。基本、日本画家の会であったが、漆芸作家もの加わり、狭い意味の日本画にこだわらない作家も参加している。気になっ…
横尾忠則『創造&老年』(SBクリエイティブ)を読む。80歳前後の横尾忠則が、80歳以上の作家、画家、建築家、写真家、映画監督、作曲家らと老年と創造について対談した記録。具体的には、瀬戸内寂聴、磯崎新、野見山暁治、細江英公、金子兜太、李禹煥、佐藤…
「なんでお母さんのことを先生って呼んじゃうの?」という質問に対して、チコちゃんの答えは「心の辞書で隣に並んだ言葉だから」というものだった。 東京大学の広瀬友紀教授が「人は自分が覚えた言葉を脳の中に記憶し、使えるように整理していきます。この辞…
木村敏『異常の構造』(講談社学術文庫)を読む。本書は50年前に講談社現代新書として発行されていたもの。木村は本書で精神分裂病(現在の呼称では「統合失調症」)について分析している。統合失調症を単なる精神障害の病気として扱うのではなく、それが人…
堤未果『デジタル・ファシズム』(NHK出版新書)を読む。副題が「日本の資産と主権が消える」。 カバー袖の惹句から、 コロナ禍の裏で、デジタル改革という名のもとに恐るべき「売国ビジネス」が進んでいるのをご存知だろうか? アマゾン、グーグル、ファー…
東京銀座のギャラリー58で松見知明展が開かれている(8月27日まで)。松見は1984年、福井県生まれ。2010年に福井大学教育地域科学部美術教育サブコースを卒業し、2012年に同大学大学院教科教育専修美術専攻を修了している。初個展は2011年にこのギャラリー5…
東京銀座のポーラ ミュージアム アネックスで野口哲哉展「this is not a samurai」が開かれている(9月11日まで)。野口は1980年、香川県高松市生まれ。2003年広島市立大学芸術学部油絵科卒業、2005年同大学大学院修了。今まで練馬区立美術館や秋水美術館、…
東京西日暮里のHIGURE 17-15 casで「うるしプロジェクト」が開かれていた(8月20日まで)。「うるしプロジェクト」は、石井潤一郎、おーなり りゅうじ、梶原瑞生のユニット。 画廊には、数十セントの長さに切られた10本の丸太が置かれている。それは1本の木…
東京谷中のHAGISOで大川祐展「私たちの傍にあるもの」が開かれている(9月11日まで)。大川は1970年東京生まれ、2003年から3年間ギャラリイKで個展をし、その後数カ所のギャラリーで個展を開き、2013からと2016年までSTORE FRONTで、2018年にはスイッチポ…
東京銀座の養清堂画廊で渡辺晃一展が開かれている(8月27日まで)。渡辺は北海道出身。筑波大学大学院芸術研究科修了。2001年、文部科学省在外派遣員としてアメリカ、イギリスに滞在。ペンシルバニア州立大学客員研究員。ロンドン芸術大学客員研究員。2018…
ちらし 東京六本木の国立新美術館で李禹煥展が開かれている(11月7日まで)。李について美術館のホームページより、 李禹煥(リ・ウファン) 1936年、韓国慶尚南道に生まれる。ソウル大学校美術大学入学後の1956年に来日し、その後、日本大学文学部で哲学を…
木村紀子『原始日本語のおもかげ』(平凡社新書)を読む。袖の惹句から、 茸がどうして「~タケ」なのか? 次の飲み屋に向かうとき、かえるのはなぜ「カシ」なのか? 身近な言葉の来歴をさぐってゆくと、文字以前、列島上に、まだ声としてだけ響いていたころ…
佐藤義雄が紹介する『人口大逆転』(グッドハート、プラダン著、日本経済新聞出版)の書評が大変興味深い(読売新聞、2022年8月14日)。それは次のように書かれている。 著者はこれまでの約30年間の世界経済のトレンドを分析し、今後の展開を予想する。この…
会田誠『性と芸術』(幻冬舎)を読む。会田が23歳の時に描いた「犬」という一見倒錯的な作品について、ほぼ1冊を費やして解説している。「犬」は思春期の裸の少女を描いている。彼女は首に鎖を付けられ、両手は手首から両脚は膝から先が失われている。両手両…
東京木場公園の東京都現代美術館で「MOTアニュアル2022:私の正しさは誰かの悲しみあるいは憎しみ」が開かれている(10月16日まで)。参加作家は、高橋和也、工藤春香、大久保あり、良知暁の4人。作家たちについて、美術館のホームページでの紹介、 高川和也…
東京木場公園の東京都現代美術館で「MOTコレクション:コレクションを巻き戻す2nd」という名の常設展が開かれている(10月16日まで)。これがとても充実していて見応えがあった。残念ながら作品の撮影が禁止されていたので、画像は紹介できない。 遠藤利克の…
『映画芸術』(NO.479)2022年春号「恩地日出夫、追悼」を読む。恩地監督は2022年1月20日に亡くなった。享年89歳、あと2日で90歳だった。多くの映画人が追悼の言葉を寄せている。 黒沢年男は、自分は若いけど人を見る目はあった方だと言って、恩地さんに対…
東京亀戸の亀戸アートセンターで内山聡展が開かれている(8月28日まで)。内山は1978年神奈川県生まれ。2005年に多摩美術大学大学院日本画研究領域を修了している。2003年にアートスペース羅針盤で初個展、その後神奈川県のギャラリーHIRAWATAやギャラリー…
内田春菊『私たちは繁殖している 16』(ぶんか社)を読む。この16巻は自分のがん体験を描いているとあったので読むことにした。内田は大腸がんと診断され、抗がん剤治療を受け、5時間の手術ののち人工肛門を増設した。元からあった肛門は手術で閉じ、左わき…
J. D. ゼトゥン『延びすぎた寿命』(河出書房新社)を読む。副題が「健康の歴史と未来」。著者はフランスの医学部教授。人間の寿命と疾病の関係を研究している。先史時代から工業化以前まで人間の健康状態は平均してかなり悪かった。その平均寿命は世界の大…
姫岡とし子『ローザ・ルクセンブルク』(山川出版社:世界史リブレット)を読む。副題が「闘い抜いたドイツの革命家」。リブレット=小冊子だから100ページちょっとの簡単な伝記。私はローザについてはほとんど知らなかった。先に読んだ池上彰・佐藤優『激動…
ヤマザキマリが毎日新聞に毎週人生相談の回答をしている。今回は「性生活に興味を持たぬ妻」というタイトル(2022年8月6日付)。 結婚生活1年半の妻と「生の不一致」に悩んでいます。私は性生活をもっと充実させたいのですが、妻は性的なことに興味がなく…
池上彰・佐藤優『漂流 日本左翼史』(講談社現代新書)を読む。『日本左翼史』シリーズの3冊目で最終巻。副題が「理想なき左派の混迷 1972―2022」、最初の『真説 日本左翼史』の副題が「戦後左派の源流 1945-1960」と15年間を扱い、次の『激動 日本左翼史』…
東京銀座のガルリSOLで「今在る、四人展」が開かれている(8月6日まで)。参加しているのは、阿部元子、斎藤伊生史、荒井信吉、勝間田佳子の4人だが、私には荒井信吉の作品が面白かった。荒井は1970年東京都生まれ、1996年に多摩美術大学を卒業している。2…
東京京橋のギャラリー檜Cで桜井久美作品展が開かれている(8月6日まで)。桜井は1991年青山女子短期大学芸術科卒業、1999年武蔵野美術学園彫塑科を卒業している。1996年にモスクワで個展をし、その後銀座のギャラリー・アート・ポイント、ギャラリーなつか…
筒井清忠 編『昭和史講義 戦後文化篇(上)』(ちくま新書)を読む。19のテーマについて各専門家がそれぞれ20ページほどを当てて解説している。この上巻は思想や文学などを取り上げ、下巻は主に映画を取り上げている。コンパクトにまとめられて大項目主義の…