2018-04-01から1ヶ月間の記事一覧

銀座ニコンサロンの小林マコト写真展「東京鋭角地」を見る

東京銀座の銀座ニコンサロンで小林マコト写真展「東京鋭角地」が開かれている(5月1日まで)。小林は1953年長野県松本市生まれ、1979年に北海道大学大学院を修了している。Workshopや夜の写真学校などで写真を学び、2017年にPlaceMで個展「鋭角地」を行って…

南千住のホテル街

連休のはじめに毎年恒例の「こんこん靴市」が南千住の浅草玉姫稲荷神社で開かれている(4月28日・29日)。神社の境内で浅草にある36の靴生産業者が中心となって催すもので、約10万足の靴が並び、市価の6〜9割引きで購入できるというもの。 南千住駅から浅草…

シロアリのスウォーム撮影に失敗する

昨日4月27日、東京銀座へヤマトシロアリのスウォーム(結婚飛行)を撮りに行く。ヤマトシロアリは東京都心では例年5月の連休前後にスウォームを行っている。時間は午前10時ころから1時間弱。1年間に1度だけ、正確な発生日時は分からない。ただ前日に雨…

唐沢孝一『目からウロコの自然観察』を読む

唐沢孝一『目からウロコの自然観察』(中公新書)を読む。これがとても良かった。全体を春、初夏、夏、秋、冬と5つの季節ごとに45のテーマを立てて、テーマごとに数ページずつあてて自然観察のポイントを手際よく紹介している。すべてカラーページで、小さ…

西武渋谷店のヨシダ ナギ展を見る

東京西武渋谷店A館7階特設会場でヨシダ ナギ展が開かれている(5月13日まで)。ヨシダは1986年生まれ、独学で写真を学び、2009年から単身アフリカへ渡り、少数民族をテーマに写真を撮り、写真集を出版している。今回もパプア・ニューギニアのオモマサライ族…

誰が絵が分かるのか?

誰が絵が分かるのか? ちょっと考えると画廊のオーナーかなあと思う。特に美術作品を売買して経営をしている企画画廊のオーナーではないかと。でもそれは違っている。企画画廊のオーナーは優れた美術作品を見分けるのではなく、現在からちょっとばかり先の将…

櫟画廊の窪田美樹展「移送」を見る

東京銀座の櫟画廊で先週窪田美樹展「移送」が開かれた。窪田は1975年、神奈川県生まれ。2001年に武蔵野美術大学大学院彫刻コースを修了している。主な個展・グループ展は、2006年第3回府中ビエンナーレ、2008年資生堂ギャラリーの第3回shiseido art egg、…

洋裁をおぼえたい

資生堂がPR誌『花椿』を発行している。この雑誌が好きでデパートなどの資生堂の化粧品売り場へ行ってもらっていた。そのうち、以前の勤務先で定期購読するようにした。化粧とかにはほとんど興味がないのに、モードの動きみたいなのが面白かった。流行の映画…

山本弘の作品解説(64)「ピエロ(仮題)」

山本弘「ピエロ(仮題)」、油彩、F10号(53.0cm×45.5cm) 制作年不明。「弘」のサインと作風からおそらく晩年の作品。題名は書かれていないが、顔の中央の鼻が赤いので、いつも描いていたピエロだろう。頭が長いのはピエロ特有の帽子をかぶっているのだろう…

WATERMARKの岡田まりゑ展を見る

東京国立の画廊WATERMARKで岡田まりゑ展が開かれている(4月30日まで)。岡田は横浜生まれ、武蔵野美術大学を卒業している。1980年より2014年まで版画協会展に毎年35回も出品していた。日本のみならず世界各地の展覧会に参加している。今回は小品を中心にド…

TBスタジオプロデュース公演『手紙』を見る

TBスタジオプロデュース公演『手紙』を見る。作・演出が得丸伸二で、出演が得丸と山上優の二人。リーディング・シアター=朗読劇。 得丸の演出後記から、 本作はA・R・ガー二―の『ラブレターズ』を上演しようとして上演権が取得できなかったため、日本版ラブ…

川端裕人『我々はなぜ我々だけなのか』を読む

川端裕人『我々はなぜ我々だけなのか』(ブルーバックス)を読む。副題が「アジアから消えた多様な「人類」たち」で、アジアには我々ホモ・サピエンスしかいないのはなぜかと問うている。現在はホモ・サピエンスだけだ。しかし直立原人や北京原人が存在した…

ギャラリーなつかの瀧田亜子展を見る

東京京橋のギャラリーなつかで瀧田亜子展が開かれている(4月24日まで)。瀧田は1972年東京都生まれ。2年間ほど中国へ留学し書を学んできた。2003年ギャラリー・オカベで初個展、以来、なびす画廊での個展を中心に銀座の画廊で発表を繰り返してきた。昨年7月…

うしお画廊の井上敬一展を見る

東京銀座のうしお画廊で井上敬一展が開かれている(4月21日まで)。井上は1947年、福岡県田川市生まれ。1980年に福岡教育大学美術研究科を修了している。 何年も銀座のみゆき画廊で発表していたが、みゆき画廊が閉じてしまったので一昨年からうしお画廊での…

辻惟雄『奇想の系譜』を読む

辻惟雄『奇想の系譜』(ちくま学芸文庫)を読む。本書ははじめ1970年に美術出版社より発行された。私もその数年後に読んでいる。その本は誰かに貸して返ってこなかった。再読したくあらためて本書を入手した次第。本書には6人の画家が取り上げられている。岩…

山本弘の作品解説(63)「灰色の家」

山本弘「灰色の家」、油彩、F10号(53.0cm×45.5cm) 1978年制作。晩年の48歳のときの作品。灰色の家とあるが、粗末な一軒家のようだ。山本はしばしば畑の中の作業小屋だったり農作業の道具置き場だったりしているような建物を描いている。これは家とあるが、…

山本弘の作品解説(62)「秋雨」

山本弘「秋雨」、油彩、F10号(45.5cm×53.0cm) 1978年制作。晩年の48歳のときの作品。裏面に秋雨と題名が書かれている。降り続く秋の雨を描いているようだ。画面は縦の動きが主流になっている。まさに雨が降っている情景だろう。以前にも霧そのものをテーマ…

鷲田清一『ひとはなぜ服を着るのか』を読む

鷲田清一『ひとはなぜ服を着るのか』(ちくま文庫)を読む。ファッションやモード(流行)を哲学的に分析している。鷲田は現象学が専門の哲学者で大阪大学総長などをしてきている。 わたし自身が(……)哲学者でありながら、ファッションについて文章を書きだ…

高島屋X画廊の吉川民仁展「Timbre」を見る

東京日本橋高島屋6階美術画廊Xで吉川民仁展「Timbre」が開かれている(4月23日まで)。吉川は1965年、千葉県生まれ。1991年武蔵野美術大学大学院造形研究科油絵コース修士課程を修了している。1995年文化庁インターンシップ研修員。1990年に鎌倉画廊で初個展…

山本弘の作品解説(61)「人物(仮題)」

山本弘「人物(仮題)」、油彩、F10号(53.0cm×45.3cm) 制作年不詳。しかし作風から晩年の作品に間違いない。おそらく47、8歳ころの作品。山本は51歳で自死しているので、40歳台後半は事実上の晩年になる。 強い筆触で人の形が描かれ、顔のみ灰色の絵の具で…

山本弘の作品解説(60)「庚申塚(仮題)」

山本弘「庚申塚(仮題)」、油彩、F10号(53.0cm×45.3cm) 制作年不詳。サインもない。そのことと作風から晩年の作品だろう。飯田地方に庚申と書かれた石碑の庚申塚が多くみられる。それを描いたものだろう。石碑の表面が画面いっぱいに描かれ、大きな文字で…

浅井秀美『東京・ある日ある時』『東京・愛犬日和』を見る

浅井秀美『東京・ある日ある時』『東京・愛犬日和』(本坊書房)を見る(読む)。前者は「昭和から平成へ」、後者は「平成の下町」という副題がついている。浅井は1947年静岡県生まれ、1968年日本写真専門学院(現・日本写真芸術専門学校)を修了後、写真事…

山本弘の作品解説(59)「河童(仮題)」

山本弘「河童(仮題)」、油彩、F10号(53.0cm×45.3cm) 制作年不詳。キャンバスの裏に未亡人の字で「河童 1977年」と書かれている。確かに河童に違いない。画風からも漢字の「弘」のサインからもこの年代で間違いないだろう。山本弘47歳の晩年の作品。痩せ…

コート・ギャラリー国立の達和子展を見る

東京都国立市のコート・ギャラリー国立で達和子展が開かれている(4月10日まで)。達は1947年滋賀県生まれ。1969年に武蔵野美術大学を卒業している。その後1975年から15年間ほど香港に住み、2000年には武蔵野美術学園造形芸術研究科を卒業している。 1999年…

山本弘の作品解説(58)「独りの道」

山本弘「独りの道」ボードに油彩、F10号(53.0cm×45.0cm) 1968年制作。山本弘38歳のときの作品。51歳で亡くなる山本の中期の作品。具象的な作風から後期の抽象的な作風に移り変わるころの過渡的な作品か。左手に弧を描くように描かれているのが道なのか。そ…

ギャラリーJyの染谷レーコ展「夢――ちょっと変なエロス」を見る

東京外苑前のギャラリーJyで染谷レーコ写真展「夢――ちょっと変なエロス」が開かれている(4月22日まで)。染谷は1980 年、埼玉県生まれ。今回がこのギャラリー ジーで15回めの個展になる。染谷は以前はレーコでなく玲子と表記していた。私も何度か紹介してい…

古田亮『横山大観』を読む

古田亮『横山大観』(中公新書)を読む。近代日本画の巨匠横山大観についてはあまり興味がなかった。しかし勉強のつもりで読んだのだったがこれがとても面白かった。「カラー版」とあり、大観の代表作がカラー図版で紹介されており、大観の伝記と併せて大観…

藍画廊の若宮綾子展を見る

東京銀座の藍画廊で若宮綾子展が開かれている(4月7日まで)。これがとても良かった。若宮は1966年神奈川県横浜生まれ、1989年女子美術大学芸術学部洋画科油絵専攻卒業、1990年同大学芸術学部研究課程を修了している。1993年に藍画廊で初個展、以来毎年のよ…

石川美子『ロラン・バルト』を読む

石川美子『ロラン・バルト』(中公新書)を読む。カバーの惹句から、 『恋愛のディスクール・断章』『記号の国』で知られる批評家ロラン・バルト(1915−80)。「テクスト」「エクリチュール」など彼が新たに定義し生み出した概念は、20世紀の文学・思想シー…

国立新美術館の「日本アンデパンダン展」を見る

東京六本木の国立新美術館で「第71回日本アンデパンダン展」が開かれている(4月2日まで)。無審査のためもあって膨大な展示数だ。もっぱら知人の作品を探す。入り口に出品者一覧が掲示されているので名前と部屋番号をメモする。 近藤あき子は銀座のギャラリ…