高島屋X画廊の吉川民仁展「Timbre」を見る

 東京日本橋高島屋6階美術画廊Xで吉川民仁展「Timbre」が開かれている(4月23日まで)。吉川は1965年、千葉県生まれ。1991年武蔵野美術大学大学院造形研究科油絵コース修士課程を修了している。1995年文化庁インターンシップ研修員。1990年に鎌倉画廊で初個展をして以来、同画廊やギャラリー覚日本橋高島屋美術画廊Xなどで個展を重ねている。2012年には川村記念美術館の「抽象と形態」にも選ばれて参加した。またスイスのアートバーゼルやNICAFに何度も出品をしている。昨秋は杉並区の数寄和でも個展をしている。
 画廊で配布しているパンフレットから、

……色が色を呼び、その相関性によって立ち上がってくる画面。ペインティングナイフによって規則性を持って引かれた線は、観る者の自由な創意を音符に見立てた五線譜のようであり、背景に見られる幾重にも塗り重ねられた絵具の痕跡からは東洋美術の思想回帰への希求をも感じさせます。……

 吉川もまた「自分の絵画で絵具が奏でる音色を味わってみたいと思っている」と書いている。タイトルのtimbreは音色の意。





 濃色の油絵具の表面に自在な線が引かれている。その線が画面を軽やかなものに変えている。艶めかしく深いマチエールと自由な線の交響が快い。今年53歳、いま一番脂の乗っている年代ではないか。
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吉川民仁展「Timbre」
2018年4月4日(水)→4月23日(月)
10:30〜19:30
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東京日本橋高島屋6階美術画廊X
東京都中央区日本橋2-4-1
電話03-3211-4111(代)