2025-03-01から1ヶ月間の記事一覧
大内兵衛・茅誠司 他『私の読書法』(岩波新書)を読む。岩波書店の雑誌『図書』の昭和31年から35年にかけて20人の学者や作家などに執筆してもらったものをまとめたもの。具体的には、清水幾太郎、杉浦民平、加藤周一、蔵原惟人、茅誠司、大内兵衛、梅棹忠夫…
東京上野の東京都美術館で「人人展」が開かれている。また国立新美術館で「日本アンデパンダン展」が開かれている。どちらも3月31日まで。 ここではどちらも知人を中心に紹介する。 まず「人人展」から、 豊泉朝子 内藤瑤子 内藤瑤子 内藤瑤子 成田朱希 成…
サルトル『シチュアシオン X』(人文書院)を読む。「X」すなわち10巻。『シチュアシオン』はサルトルの評論集で日本ではこの10巻まで出版されている。内容は時事的な評論が多いが、哲学や文学にも及んでいる。 1巻 フォークナーやドス・パソス、ニザン、ナ…
東京銀座のギャラリー58で山下耕平展が開かれている(3月29日まで)。山下耕平は1984年兵庫県生まれ、2007年に佐賀大学文化教育学部デザイン専攻を卒業している。東京では、2011年からほぼ毎年このギャラリー58で個展を続けていて今回で14回目になる。 作家…
東京六本木のストライプハウスギャラリーで小堀令子展「Adieu」が開かれている(3月31日まで)。小堀は東京生まれ、1970年武蔵野美術大学を卒業している。祖父は著名な日本画家小堀鞆音で、鞆音は安田靫彦の師だった。令子は現在立軌会会員で、個展は御茶の…
東京銀座のうしお画廊で淀井由利子展が開かれている(3月29日まで)。淀井由利子は東京生まれ、武蔵野美術大学大学院油絵科を修了している。個展はみゆき画廊で行っていたが、みゆき画廊が閉廊後はうしお画廊で開いている。 今回は「日本埴輪図集によるシリ…
東京京橋のギャラリーなつかで「Bone & Flesh 骨×肉」が開かれている(3月29日まで)。中国出身の作家宋芸と張思藝の二人展で、宋芸は陶、張思藝は漆芸を制作している。 宋芸は1997年中国河北省生まれ、2019年に精華大学美術学院陶磁科を卒業し、2022年金沢…
東京銀座のコバヤシ画廊で坂本太郎展「VOICE」が開かれている(3月29日まで)。坂本太郎は1970年、埼玉県生まれ、2000年に愛知県立芸術大学大学院修士課程を修了している。都内では2000年に当時早稲田にあったガルリSOL、2001年以降銀座のフタバ画廊や小野…
えきたゆきこ『マコの宝物』(現代企画室)を読む。マコという小学生を主人公にした児童文学書。作者について、「著者略歴」から、 本名浴田由紀子。1950年山口県長門市に生まれる。北里大学卒業。臨床検査技師となる。74年、東アジア反日武装戦線大地の牙に…
東京上野の森美術館で「VOCA展 2025」が開かれている(3月30日まで)。今年のVOCA展は全国の美術館学芸員やキュレーター、研究者から推薦された40歳以下の23組(24名)の作家が出品している。年齢のほか平面作家であることが条件になっている。VOCA大賞1名…
東京日本橋の日本橋高島屋本館6階美術画廊Xで内田あぐり展「安里/積層」が開かれている(4月7日まで)。内田は1949年東京都生まれ、1975年武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻日本画コースを修了、1993年文化庁芸術家在外研修員として渡仏、第12回山…
大木毅『独ソ戦』(岩波新書)を読む。副題が「絶滅戦争の惨禍」。第2次世界大戦のドイツとソ連の戦いを描いたもの。副題が内容を語っている。この戦争の死者はソ連側で2,700万人、ドイツ側で(西部戦線を併せて)600~800万人にものぼった。 毎日新聞の藻…
東京六本木のストライプハウスギャラリーで松沢香代展「石蝉」が開かれている(3月28日まで)。松沢香代は1988―1995年に人形劇団「ひとみ座」に所属し、退団後造型作家として活動を開始する。2004年からここストライプハウスギャラリーで個展を開き、今回が…
東京銀座のOギャラリーで波磨悠子銅版画展「幻想東海道五十三次 全揃」が開かれている(3月23日まで)。波磨悠子は2001年多摩美術大学美術学部絵画科油画専攻を卒業し、2003年同大学大学院絵画科版画専攻を修了している。2000年よりガレリア・グラフィカbis…
東京銀座の東京画廊+BTAPで朴民俊展「妙」が開かれている(4月5日まで)。ギャラリーのホームページより、 朴民俊(パク・ミンジュン)は1971年、韓国ソウル生まれ。2006年、弘益大学校の修士課程を修了したのち、2007年、東京芸術大学大学院の絵画技法・…
東京小伝馬町のみうらじろうギャラリーで松山賢展「縄文復元模造図絵」が開かれている(3月23日まで)。松山のプロフィールはギャラリーのホームページによると、 岩手県御所野遺跡近くで生まれる。湯舟沢遺跡すぐ横で育つ。 京都市立芸術大学大学院修了。…
東京神楽坂のM.G.P 宮崎進記念美術館で宮崎進の常設展示を見る。1階とB1階の二つの部屋だけの展示だが、さすがに良い作品が展示されている。特に1階の平面作品が良い。立体は1階に大きな頭部が、地下にトルソが設置されている。トルソは悪くなかった。 …
瀬戸内寂聴『場所』(新潮社)を読む。瀬戸内寂聴が住んだ土地を訪ねて、当時のことを振り返っている。父の郷里に瀬戸内家の墓を訪ねる。その墓には聖書の文句が彫りこまれていた。父の大伯母が建てたものだという。瀬戸内寂聴=春美は18歳で東京の女子大に…
ジョン・スタインベック『チャーリーとの旅』(岩波文庫)を読む。副題が「アメリカを探して」、スタインベックが老犬チャーリーと共にアメリカを一周した旅行記。荒川洋治が書評で「20世紀紀行文学の代表作」と褒めていた。荒川の書評の一節、 ニューヨーク…
東京京橋のギャルリー東京ユマニテで井上雅之展「雛形より」が開かれている(3月29日まで)。井上は1957年神戸市出身、1985年多摩美術大学大学院美術研究科修士課程修了。2017年第24回日本陶芸展大賞受賞。1980年代から陶を素材に立体作品の制作を試み、国…
東京京橋のギャラリー川船で水村喜一郎デッサン展「下町を描く」が開かれている(3月15日まで)。水村喜一郎は1946年東京墨田区生まれ、9歳のときに高圧電線に触れ両腕を失うが、画家を志し、口に絵筆をとり画才を発揮、その後障害を克服し画家として自立…
東京銀座のコバヤシ画廊で岡村桂三郎展が開かれている(3月15日まで)。岡村は1958年東京都生まれ、1988年に東京藝術大学大学院後期博士課程を満期退学している。 「魚」 「波」 「波」 「魚」の一部 「波」の一部 いつもながら大きな作品を展示している。…
東京銀座のギャラリー58で中村龍馬個展が開かれている(3月8日まで)。中村龍馬は2001年東京生まれ、2024年和光大学表現学部芸術学科を卒業し、現在同大学表現学部芸術学科研究生在学中、2021年に和光大学ホワイトギャラリーで初個展。中村龍馬のコメント …
川村二郎『感覚の鏡』(講談社)を読む。副題が「吉行淳之介論」で46年前に出版されたもの。川村は吉行の作品について実に丁寧に細かく分析する。ただ『原色の街』など初期作品を中心としている。3分の1くらいまで進んだところで、これまた初期の「薔薇販売…
東京谷中のスカイ・ザ・バスハウスで嵯峨篤展「Synchronicity」が開かれている(4月5日まで)。嵯峨篤は1970年生まれ。ギャラリーのテキストから、 嵯峨篤は、過去20年に渡り、絵具の塗布と表面の研磨を手作業で繰り返し、鏡面のような質感を生み出すとい…
東京銀座の藍画廊で番留京子展が開かれている(3月13日まで)。番留京子は富山県生まれ。1985年、創形美術学校を卒業している。1986年、ギャラリー青山で初個展。以来多くのギャラリーで個展を開いてきたが、ギャラリー・オカベが閉廊するまではそこがホー…
東京東麻布のPGI(フォト・ギャラリー・インターナショナル)で圓井義典写真展「写真という寓意」が開かれている(3月15日まで)。圓井義典は大阪生まれ、1996年東京藝術大学美術学部デザイン科を卒業し、1997年東京綜合写真専門学校研究科を修了している。…