2025-04-01から1ヶ月間の記事一覧

JINENギャラリーの田中涼子&おおらいえみこ展を見る

東京人形町のJINENギャラリーで田中涼子&おおらいえみこ展が開かれている(5月11日まで)。ここではおおらいえみこを紹介する。おおらいえみこは1962年埼玉県出身。1985年武蔵野美術大学造形学部視覚伝達デザイン学科を卒業、のち銅版画を古茂田杏子に学ん…

関川夏生『砂のように眠る』を読む

関川夏生『砂のように眠る』(中公文庫)を読む。副題が「私説昭和史1」、変わったつくりで短篇小説と評論が交互に6章ずつ並んでいる。小説は昭和30年代と40年代が時間的な舞台、そのときどきに作者とだいたい同じ年齢だった男の子、だが作者自身ではない…

上野東照宮のぼたん苑を見る

東京上野の上野東照宮のぼたん苑で春のぼたん祭が開かれている(5月6日まで)。ちらしによると、110種500株以上の牡丹が咲き誇っているという。このぼたん苑に入るのは30年ぶりだろうか。でも昔のことは覚えていない。 深紅、白、黄色、紫、ピンク、さまざ…

YKGの小林エリカ展を見る

東京六本木のYKGで小林エリカ展「Yの一生 The life of Y―ひとりの少女」が開かれている(5月31日まで)。ギャラリーのホームページより、 目に見えないもの、歴史、家族や記憶、場所の痕跡から着想を得て、小説、コミック、ドローイング、写真、映像、イン…

山種美術館の「桜さくらSAKURA2025」を見る

東京広尾の山種美術館で「桜さくらSAKURA 2025」が開かれている(5月11日まで)。桜をテーマにした日本画を並べている。何しろ天下の山種美術館だ。大家の名作がそろっている。速水御舟の「夜桜」、奥田元宗の「奥入瀬(春)」、松岡映丘の「春光春衣」、小…

フィリップ・K・ディック『高い城の男』を読む

SF

フィリップ・K・ディック(浅倉久志 訳)『高い城の男』(ハヤカワ文庫)を読む。第2次世界大戦でアメリカなど連合国が敗れ、日独など枢軸国が勝った世界を描いている。世界は日本やドイツが支配している。アメリカの西海岸は日本の支配する国になり、ソ連は…

eitoeikoの「桜を見る会」を見る

東京神楽坂のeitoeikoで「桜を見る会」が開かれている(5月24日まで)。ギャラリーのお知らせより、 内閣総理大臣の主催によって1952年から2019年まで新宿御苑で開かれた「桜を見る会」。公職選挙法違反、政治資金規正法違反、公文書管理法違反等が疑われ、…

ISSEY MIYAKE GINZA/445の「Fold And Crease (Extended)」を見る

東京銀座のISSEY MIYAKE GINZA/445で「Fold And Crease (Extended)」が開かれている(4月27日まで)。これはオランダの創作集団We Make Carpetsが作るインスタレーションで、日常使われる竹串に着色して絨毯のような作品を制作している。 ギャラリーのホー…

ローレンス・ブロック『エイレングラフ弁護士の事件簿』を読む

ローレンス・ブロック『エイレングラフ弁護士の事件簿』(文春文庫)を読む。朝日新聞に書評が掲載されていた。 エラリイ・クイーンも太鼓判! ミステリー史上最高で最凶の弁護士マーティン・エイレングラフ登場! 不敗の弁護士エイレングラフは言う、 「私…

井上寿一『新書 昭和史』を読む

井上寿一『新書 昭和史』(講談社現代新書)を読む。昭和史が好きだからつい手あたり次第読んでしまう。細部のエピソードが数多く拾い上げられている。そんなこともあってか378ページと新書としては分厚い。 一方、節目となる事件が簡単にしか触れられていな…

s+artsのさとう陽子展を見る

東京六本木のs+artsでさとう陽子展「むぼう日」が開かれている(4月26日まで)。さとう陽子は東京生まれ。1981年に日本大学芸術学部美術学科を卒業している。1986年から毎年様々なギャラリーで個展を開いて活発に活動している。 ギャラリーのホームページよ…

コバヤシ画廊の前本彰子展を見る

東京銀座のコバヤシ画廊で前本彰子展「予祝」が開かれている(4月26日まで)。前本彰子は石川県に生まれる。1980年京都精華短期大学絵画専攻科卒業、1982年Bゼミスクール修了。1983年よりコバヤシ画廊をはじめ個展多数。最近は特に東京都現代美術館のコレク…

ギャラリーなつかの瀧田亜子展を見る

東京京橋のギャラリーなつかで瀧田亜子展が開かれている(4月22日まで)。瀧田亜子は東京生まれ、青山学院女子短期大学芸術学科を中退した後、中国ウルムチの新彊大学や杭州市の中国美術学院で書を学んでいる。帰国後早見芸術学院で日本画を学んだ。2003年…

塚原琢哉『遥かなる遠山郷』を読む

糸のような細い道が家々をつなぎ、畑に通じている 45度の急な斜面を耕す 塚原琢哉『遥かなる遠山郷』(信濃毎日新聞社)を読む(見る)。副題が「60年前の記憶」とある。これは出版時(2017年)の60年前、1958年に写真家塚原琢哉が長野県飯田市(当時は上町…

ギャルリー東京ユマニテの村井進吾展を見る

東京京橋のギャルリー東京ユマニテで村井進吾展「トキノス――なかに黒」が開かれている(4月26日まで)。村井進吾は1952年大分県生まれ、1978年に多摩美術大学大学院美術研究科を修了している。主な個展として、ギャラリー山口、愛宕山画廊、そして東京ユマ…

トキ・アートスペースのいぐち なほ展を見る

東京神宮前のトキ・アートスペースでいぐちなほ展「痕跡」が開かれている(4月13日まで)。いぐちは東京出身、1996年に学習院大学文学部哲学科を卒業している。2011年このトキ・アートスペースで初個展、以来ほぼ毎年個展を続けている。 DM葉書 画廊の壁に…

ファーガス・マカフリーのアンゼルム・キーファー展を見る

東京表参道のファーガス・マカフリーでアンゼルム・キーファー展が開かれている(7月12日まで)。キーファーはドイツを代表する優れた現代美術の作家で、現在京都の二条城で大規模な個展が開かれている。昨年は同じファーガス・マカフリーで小品展が開かれ…

うしお画廊の石井紀湖展を見る

東京銀座のうしお画廊で石井紀湖展「森の月」が開かれている(4月12日まで)。石井は東京藝術大学彫刻科を卒業し、大学院を修了している。ギャラリー山口やみゆき画廊、最近ではうしお画廊やギャルリー東京ユマニテbisで個展を繰り返している。 大きな木彫…

ギャルリー東京ユマニテbisの中井川由季展を見る

東京京橋のギャルリー東京ユマニテbisで中井川由季展「地下に眠る」が開かれている(4月19日まで)。中井川由季は1960年茨城県生まれ、1984年多摩美術大学絵画科を卒業し、1986年同大学大学院美術研究科修士課程を修了している。1990年にポルトガルより招聘…

熊谷伸一郎『金子さんの戦争』を読む

熊谷伸一郎『金子さんの戦争』(リトルモア)を読む。副題が「中国戦線の現実」。著者熊谷が太平洋戦争の中国戦線に従軍していた金子安次にインタビューしてまとめたもの。金子安次は浦安の漁師の次男として生まれた。徴兵検査の結果は甲種合格、1940年の12…

辻邦生『小説を書くということ』を読む

辻邦生『小説を書くということ』(中公文庫)を読む。1993年と94年のCWS創作学校での3回の講演「小説の魅力」と「小説における言葉」、「小説とは何か」、それに小説執筆に関わる3つの講演、そして「『春の戴冠』をめぐって」などの講演を記録したもの。 …

金柑画廊の川口祐展を見る

東京目黒の金柑画廊で川口祐展「ある日、ある朝、ある時間」が開かれている(4月13日まで)。川口祐は1970年東京生まれ、2003年から3年間ギャラリイKで個展をし、その後数カ所のギャラリーで個展を開き、2013から2016年までSTORE FRONTで、2018年にはスイ…

和田秀樹・池田清彦『オスの本懐』を読む

和田秀樹・池田清彦『オスの本懐』(新潮新書)を読む。高齢者専門の精神科医和田秀樹とユニークな生物学者池田清彦の対談。池田清彦は地球温暖化はデマだ等と過激な主張を繰り返している生物学者で、ダーウィンの進化論も批判している。 結構売れている本の…

上坂あゆ美『老人ホームで死ぬほどモテたい』を読む

上坂あゆ美『老人ホームで死ぬほどモテたい』(書肆侃侃房)を読む。上坂あゆ美は1991年生まれ、2017年から短歌を作り始める。その前は美大を卒業して絵を描いていたらしい。書肆侃侃房の新鋭短歌シリーズに応募して採用された。その時わずか40首しか作って…