2025-06-01から1ヶ月間の記事一覧

ギャラリイKの松本久恵展を見る

東京京橋のギャラリイKで松本久恵展が開かれている(7月5日まで)。松本久恵は1968年埼玉県生まれ、1991年に多摩美術大学美術学部絵画科日本画専攻を卒業している。1997年には門井久恵名でギャラリー神宮苑で初個展、2002年にギャラリー野守、2016年にここ…

関川夏央『昭和時代回想』を読む

関川夏央『昭和時代回想』(中公文庫)を読む。副題が「私説昭和史3」で、これが面白かった。 「平凡パンチ」創刊号は1964年4月だったと関川は書く。 5人の青年がそこにいる。5人のうち4人は立っている。残ったひとりは左ハンドルのスポーツカーに乗って…

関口美術館の「川村家3代展」を見る

東京葛西の関口美術館で「川村家3代展」が開かれている(7月13日まで)。美術館のホームページから、 彫刻家・柳原義達先生の書生として7年間学んだ川村兼章さんの作品を中心に、川村家4人の作品を展示致します。 会場には、師である柳原義達の鳩の彫刻・…

小堀鴎一郎『死を生きる』を読む

小堀鴎一郎『死を生きる』(朝日新聞出版)を読む。副題が「訪問診療医がみた709人の生老病死」。著者の祖父は森鴎外で、母は小堀杏奴、父は画家の小堀四郎である。 小堀鴎一郎は長く食道外科医として勤務した。国立国際医療センターを65歳で定年退職した後…

ギャラリイKの「セントリペタルⅢ」を見る

「セントリペタルⅢ」DM葉書 東京京橋のギャラリイKで「セントリペタルⅢ」が開かれている(6月28日まで)。3人の作家(熊谷衣瑠菜、四條朋恵、山本衣織)が参加しているが、ここでは山本衣織を紹介する。山持衣織は2001年静岡県生まれ、2024年に多摩美術大…

始弘画廊の深沢軍治展を見る

東京表参道の始弘画廊で深沢軍治展が開かれている(6月28日まで)。深沢軍治は1943年山梨県生まれ、1971年に東京芸術大学大学院美術研究科を修了している。深沢は様々な画廊で個展を開いているが、みゆき画廊やそれを受けついだうしお画廊、始弘画廊などで…

ギャラリーなつかの上浦佑太展を見る

東京京橋のギャラリーなつかで上浦佑太展が開かれている(6月28日まで)。上浦佑太は1982年神奈川県生まれ、2006年に筑波大学芸術専門学群構成コースを卒業し、2009年に同大学大学院人間総合科学研究科博士前期課程芸術専攻構成領域を修了している。 2008年…

田中小実昌『ミミのこと 他二篇』を読む

田中小実昌『ミミのこと 他二篇』(中公文庫)を読む。直木賞受賞作の「ミミのこと」と「浪曲師朝日丸の話」、それに直木賞候補作の「自動巻時計の一日」を収録した短編集。 ミミは聾唖の娼婦、口もきけないし文盲でもある。パンパン狩りから逃げてきたミミ…

G・ガルシア=マルケス『物語の作り方』を読む

G・ガルシア=マルケス『物語の作り方』(岩波現代文庫)を読む。ガルシア=マルケスとプロのシナリオライターたちがキューバに集結して、テレビドラマのシナリオを構想する。 シナリオライターの一人が自分が書いたシナリオまたはそのシノプシスを提出し、…

青柳いづみこ『青柳瑞穂の生涯』を読む

青柳いづみこ『青柳瑞穂の生涯』(新潮社)を読む。青柳いづみこはピアニスト、瑞穂はその祖父でフランス文学者。瑞穂はフランス文学の翻訳のほかに骨董にも詳しく、古物商から買い求めた掛け軸が光琳の作で、後日それは国の重要美術品に認定された。乾山の…

いりや画廊の丸山芳子展を見る

東京入谷のいりや画廊で丸山芳子展「地の脈 Veins Beneath」が開かれている(6月28日まで)。丸山芳子は福島県生まれ、1981年に創形美術学校造形科を卒業している。ギャラリー21+葉、なびす画廊、秋山画廊、藍画廊、ギャラリー檜などで個展を繰り返し、201…

ギャルリー東京ユマニテの川島清展を見る

東京京橋のギャルリー東京ユマニテで川島清展「ドローイング Vol.3 地下茎の葉子」が開かれている(6月28日まで)。川島清は1951年福島県生まれ、1986年東京藝術大学大学院美術研究科後期博士課程を満期退学している。1981年ときわ画廊で初個展、以来様々な…

櫻木画廊の沓澤貴子展を見る

東京上野桜木の櫻木画廊で沓澤貴子展「a quiet garden」が開かれている(6月22日まで)。沓澤貴子は静岡県生まれ、1996年に武蔵野美術大学造形学部油絵学科を卒業し、1998年に同大学大学院油絵コースを修了している。2001年ガレリアラセンで初個展を開き、O…

ギャラリーカメリアの堀由樹子展を見る

東京銀座のギャラリーカメリアで堀由樹子展「アトラス」が開かれている(6月21日まで)。堀由樹子は1971年東京生まれ、1994年東京造形大学造形学部美術学科絵画専攻を卒業し、1995年同大学造形学部美術学科絵画専攻研究生を修了している。 1995年にJ2ギャラ…

ギャラリーQの文眞英展を見る

東京銀座のギャラリーQで文眞英展が開かれている(6月14日まで)。文眞英は1982年韓国光州生まれ、2004年に成均館大学を卒業し、2011年に東京藝術大学大学院博士後期課程文化財保存学専攻保存修復日本画を修了している。 2013年に耀画廊で初個展、ギャラリ…

巷房の遠藤竜太展を見る

東京銀座の巷房で遠藤竜太展が開かれている(6月21日まで)。遠藤竜太は1960年山梨県生まれ、1984年に武蔵野美術大学造形学部油絵学科を卒業し、1986年に多摩美術大学大学院版画専攻を修了している。その後2008年から1年間ベルギーのラ・カンブル国立美術…

ギャルリー東京ユマニテbisの保坂航子展を見る

東京京橋のギャルリー東京ユマニテbisで保坂航子展「ギャラリー山口へのhommage」が開かれている(6月14日まで)。保坂航子は福島県生まれ、2016年武蔵野美術大学大学院造形研究科修士課程彫刻コースを修了している。2007年ギャラリー山口で初個展、2016年…

司馬遼太郎・井上ひさし『国家・宗教・日本人』を読む

司馬遼太郎・井上ひさし『国家・宗教・日本人』(講談社文庫)を読む。二人の4回の対談を収録している。 二人の対談がとても面白い。「よい日本語、悪い日本語」から、 司馬遼太郎 政治家の言葉がいかに世の中の言語に大きく影響するかというと、たとえば最…

ジョン・F・ケネディに対する蓮見重彦の評価

暗殺されたジョン・F・ケネディ―についてはなぜか褒めたたえる声しか聞かなかった。優れたどんな業績があるのかも知らなかった。今度初めて蓮見重彦が厳しい評価をしているのを読んだ。「“大統領”というものが、時代や国籍を問わず、好きになれない」より(…

小澤實=選『近現代俳句』を読む

小澤實=選『近現代俳句』(河出文庫)を読む。本書は2016年に河出書房より刊行された『近現代詩歌』(池澤夏樹=個人編集 日本文学全集29)から「俳句」だけを収録したもの。『近現代詩』と『近現代短歌』はすでに文庫化されている。 小澤は明治、大正、昭…

樹村みのり『彼らの犯罪』を読む

樹村みのり『彼らの犯罪』(岩波現代文庫)を読む。1988年にあった女子高生凌辱、殺害事件を描いている。4人の少年たちが通りすがりの女子高生(18歳)を誘拐・監禁し、40日間にわたる強姦・暴力・性的凌辱の果てに彼女が死亡すると、死体をドラム缶にコン…

セイソン&ベネティエールの「シュポール/シュルファス」を見る

東京銀座のセイソン&ベネティエールで「シュポール/シュルファス」が開かれている(8月29日まで)。フランスの大手ギャラリー「セイソン&ベネティエール」がアジア初進出で銀座に開廊した。オープニング展は「シュポール/シュルファス」で、これは1960…

ギャラリーナユタの中津川浩章展を見る

東京銀座のギャラリーナユタで中津川浩章展「舟と木と」が開かれている(6月15日まで)。中津川浩章は1958年静岡県生まれ。和光大学で学び、個展をギャラリイK、パーソナルギャラリー地中海などで数回ずつ開き、その他、ギャラリーJin、ギャラリー日鉱、マ…