田中修『雑草散策』（中公新書）を読む。スミレ、オオイヌノフグリ、タンポポ、ウキクサ、ネジバナ、カタバミ、ツユクサ、ヘクソカズラ、ヒルガオ、ホテイアオイ、ドクダミ、イタドリ、イヌビユ、ネナシカズラ、クズ、ヒガンバナ、セイタカアワダチソウ、オ…

東京京橋の小山登美夫ギャラリー京橋で菅木志雄展「固縁中在」が開かれている（８月９日まで）。 菅木志雄については2020年のスパイラルガーデンでの展示を紹介した私のブログに、長谷見雄二さんがコメントをしてくれた。それを再掲載する。 菅木志雄さんは…

東京京橋の南天子画廊で宇佐美圭司展が開かれている（８月２日まで）。宇佐美圭司（1940－2012）は大阪出身、独学で絵を学ぶ。1962－72年米国および欧州に滞在、Bゼミ、多摩美術大学、武蔵野美術大学、京都市立芸術大学ほかで教鞭をとる。 1965年に見つけた…

東京銀座のギャラリーQで李晶玉展「前景」が開かれている（８月２日まで）。李晶玉は1991年東京都生まれ、2018年に朝鮮大学校研究院総合研究科美術専攻課程を修了している。2018年にeitoeikoで初個展、ギャラリーQでは４回目、ほかに原爆の図丸木美術館でも…

養老孟司・池田清彦・奥本大三郎『虫捕る子だけが生き残る』（小学館101新書）を読む。養老は解剖学者、池田は生物学者、奥本はフランス文学者、いずれも専門は違うが３人とも昆虫採集がプロ並みの「虫好き」の人たち。特に大きなテーマは設けないで昆虫採集…

中川毅『人類と気候の10万年史』（講談社ブルーバックス）を読む。福井県の水月湖は「世界一正確な年代が分かる堆積物」が得られる湖だという。縞になった堆積物を年縞と呼び、水月湖の年縞は45メートルの厚さを持ち、それは７万年以上もの時間をカバーして…

谷川俊太郎『谷川俊太郎のあれやこれや』（筑摩書房）を読む。谷川のエッセー、追悼文、詩、戯曲、自伝風の年譜をまとめたもの。谷川の生前に出版する予定だったが、間に合わなかった。 追悼文のうち武満徹への「希望という言葉」がとても良かった。武満への…

東京京橋のギャラリーなつかで桑原理早展「姿は彼方から」が開かれている（８月２日まで）。桑原理早は1986年東京都生まれ、2011年武蔵野美術大学造形学部日本画学科を卒業し、2013年同大学大学院美術研究日本画コースを修了している。2013年にアートスペー…

東京銀座の藍画廊で飯島暉子展「微熱／Slight fever」が開かれている（８月２日まで）。飯島暉子は1994年神奈川県生まれ、2017年に多摩美術大学絵画科油画専攻を卒業し、2018年にフランスのナント芸術学校修士課程へ交換留学、2021年東京藝術大学大学院美術…

東京銀座のコバヤシ画廊で蔡云逸展が開かれている（８月２日まで）。蔡云逸は1995年中国上海出身、2018年に武蔵野美術大学造形学部基礎デザイン学科卒業、2020年東京藝術大学大学院修士課程先端芸術表現専攻修了、2023年武蔵野芸術大学大学院造形研究科後期…

吉本ばなな『私と街たち（ほぼ自伝）』（河出文庫）を読む。これが期待以上に素晴らしかった。ばななのこのエッセイを読むと、最近ごろごろ出てきている作家たちが皆二流に見えてしまう。ばななは自分が住んだ場所・街を語っている。最初に置かれた「甲州街…

東京京橋のクロスビューアーツで濱田富貴展「宇宙（そら）をみる」が開かれている（７月26日まで）。濱田富貴は福岡県生まれ、2000年に武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻版画コースを修了している。その後、カナダのアルバータ大学やアメリカのユタ州…

円城塔『コード・ブッダ』（文藝春秋）を読む。副題が「機械仏教史縁起」。銀行のコンピュータシステムが進化し、ブッダを名乗った。それはさらに進化を重ね、歴史上の仏教の歴史を再現していった。システム上で小乗仏教が生まれ、密教が生まれ、禅が生まれ…

東京神宮前のギャラリーSAOH & TOMOSで田沼利規展「半透明な鏡」が開かれている（７月19日まで）。田沼利規は1986年東京生まれ、2011年に多摩美術大学大学院美術研究科版画領域修士課程を修了している。シロタ画廊、Oギャラリー、ギャラリー砂翁、TAKU SOMET…

東京銀座のStepsギャラリーで吉岡まさみ展「罠Trap」が開かれている（７月19日まで）。吉岡まさみは1956年山形県生まれ。1981年に東京学芸大学教育学部美術科を卒業している。1982年に東京のかねこ・あーとGIで初個展、以来同画廊やときわ画廊、巷房などさま…

東京新富町のガルリSOLで松尾玲央奈展「関心領域」が開かれている（７月19日まで）。松尾玲央奈は1984年福岡県生まれ。2007年に女子美術大学芸術学部立体アート学科を卒業し、2012年に同大学大学院美術研究科美術専攻後期博士課程を修了している。初個展は20…

東京六本木のHideharu Fukasakuギャラリー六本木で浅葉雅子展「誰が隠した、何で隠した、春画を巡って」が開かれている（７月17日まで）。浅葉雅子は1982年、女子美術大学日本画専攻を卒業。2003年にKONSTFACK(スウェーデン国立デザイン工芸芸術大芸術専攻)…

東京外苑前のトキ・アートスペースで本多真理子展「そんなに長くなく それほど短くもない＃２」が開かれている（７月13日まで）。本多真理子は1964年埼玉県生まれ、1992年に東京藝術大学大学院美術研究科彫刻専攻を修了している。1991年にルナミ画廊で個展、…

東京曙橋のYu Haradaで渡辺志桜個展「おほやけ／Filial 1 Hybrid」が開かれている（７月13日まで）。渡辺志桜里は1984年東京生まれ、2015年に東京藝術大学美術学部彫刻科を卒業し、2017年に同大学大学院を修了している。2017年以来、SYPギャラリーやWHITEHOU…

東京銀座のコバヤシ画廊で渋谷和良展が開かれている（７月19日まで）。渋谷和良は1958年東京生まれ、1981年に東京藝術大学美術学部油画科を卒業し、1983年に同大学大学院美術研究科版画専攻修士課程を修了している。2002年から1年間、文化庁在外派遣研修員と…

東京京橋のギャラリー・ビー・トウキョウで望月優那個展「異々常々」が開かれている（７月12日まで）。望月優那は2003年神奈川県生まれ、2025年に女子美術大学洋画専攻版画コースを卒業している。個展は今回が初めてとなる。 「喉から手が出るほど」 「埃大…

東京京橋のギャラリー川船で「夏期入札展示会」が開かれている（７月12日まで）。 入札の方式は「二枚札方式」、これは入札カードに希望価格の上値（上限）と下値（下限）の二つの価格を書いて入札するもの。他に入札者のない場合は下値で落札する。上値が同…

菅孝行『浅利慶太』（集英社新書）を読む。副題が「劇団四季を率いた男の栄光と修羅」。浅利慶太は劇団四季を主宰し、『キャッツ』などのミュージカルで圧倒的な成功を収めた。私は浅利慶太には特段の興味はなかったが、菅孝行の演劇に関する評論は見逃せな…

東京銀座のギャラリー58で「戦後80年 1945年の記憶」が開かれている。今年は戦後80年という節目の年に当たる。本展では、戦後の日本を代表する５人の美術家を選び、それぞれの視点から戦争の記憶や体験を投影した作品を紹介している。 その５人は、赤瀬川原…

東京銀座の巷房２で高橋芳文展「HIGASHI-TA」が開かれている（７月５日まで）。高橋芳文は1950年東京出身、1975年に東京藝大美術学部絵画科油画選考を卒業している。群馬県の煥乎堂やギャラリーなつか、ギャラリー21＋葉、巷房などで個展を繰り返し、2016年…

『E. M.フォースター短篇集』（ちくま文庫）を読む。E. M.フォースターはイギリスの著名な作家で、晩年文壇の最長老として多大な賛辞を浴び1970年に91歳で亡くなった。 長編では『ハワーズ・エンド』や『インドへの道』、『眺めのいい部屋』などがあり、映画…

東京京橋のギャラリー・ビー・トウキョウで三栖賢太展「Scenes」が開かれている（７月５日まで）。三栖賢太は2025年武蔵野美術大学油絵学科を卒業し、現在同大学大学院造形研究科油絵コースに在学中。今回大学外では初めての展示になるという。 一見、様式化…