東京銀座のコバヤシ画廊で渋谷和良展が開かれている(7月19日まで)。渋谷和良は1958年東京生まれ、1981年に東京藝術大学美術学部油画科を卒業し、1983年に同大学大学院美術研究科版画専攻修士課程を修了している。2002年から1年間、文化庁在外派遣研修員としてドイツベルリン芸術大学およびマールブルグ大学にて研修。1996年に柳沢画廊で初個展、その後ドイツや日本各地の画廊で個展を行い、2019年からは毎年コバヤシ画廊で個展を開いている。
画廊正面に「Flava Albaro(=黄色い森)」と題された大作が展示されている。天地181.8×454.6cmという大きさ。今まで見たことがないような作品だと思ったが、そう伝えると渋谷はどこが? と驚いていた。特に意識的にそうしたのではないらしい。私は渋谷の特徴は荒々しい画面だと思っていたので、この作品にスタティックなものを感じておや? と思ったのだった。
そのほか人物が描かれているのも初めてではなかったろうか?
渋谷は本来激しい作風の人だと思う。彼は小綺麗にまとめることをしない。激しさは完成度とか円熟とは相性が悪い。渋谷は安易な完成よりそれが過渡的でも激しさを貫いていく。そんな渋谷の姿勢は半端なく遠いところに届くと思う。
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渋谷和良展
2025年7月7日(月)-7月19日(土)
11:30-19:00(最終日17:00まで)日曜休廊
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コバヤシ画廊
東京都中央区銀座3-8-12 ヤマトビルB1F
電話03-3561-0515
http://www.gallerykobayashi.jp/