政治

井上ひさし『二つの憲法』を読む

井上ひさし『二つの憲法』(岩波ブックレット)を読む。二つの憲法とは、明治22年に発布された大日本帝国憲法と、昭和21年に公布された日本国憲法だ。井上はこの二つの憲法を比べている。 大日本帝国憲法について、井上が解説する。天皇は帝国議会を開会した…

手嶋龍一『汝の名はスパイ、裏切り者、あるいは詐欺師』を読む

手嶋龍一『汝の名はスパイ、裏切り者、あるいは詐欺師』(マガジンカウス)を読む。著者の手嶋はもとNHKワシントン支局長、テレビニュースで何度も見かけていた。そんな経歴から国際政治の裏面に通じているようで、対テロ戦争を描いたノンフィクションやイン…

片山杜秀『国の死に方』を読む

片山杜秀『国の死に方』(新潮社新書)を読む。これがおもしろかった。片山は音楽評論の世界でも高い評価を受けていて、音楽に関する著書も多いが、もともとの専門は政治思想史の研究者なのだ。音楽評論では吉田秀和賞とサントリー学芸賞を受賞している。 本…

『北方領土・竹島・尖閣、これが解決策』を読む

岩下明裕『北方領土・竹島・尖閣、これが解決策』(朝日新書)を読む。2013年7月に発行されたが、その10月6日に朝日新聞の読書欄に萱野稔人が書評を寄せていた。その書評で萱野が高く評価しているのを読んですぐに購入した。しかしそのまま本棚に差して2年…

エズラ・F・ヴォーゲル『トウ小平』を読む

エズラ・F・ヴォーゲル/聞き手=橋爪大三郎『トウ小平』(講談社現代新書)を読む。3年ほど前、エズラ・F・ヴォーゲル『トウ小平』(日本経済新聞社)が刊行された。今回聞き手を勤めた橋爪は、それが極めて優れたトウ小平論でありながら、日本語版で上下2…

『丸山眞男と田中角栄』で印象に残った言葉

以前、佐高信と早野透の対談『丸山眞男と田中角栄』(集英社新書)を紹介したが、なかで特に印象に残った言葉があった。 佐高信 中曽根が国鉄民営化をやる。小泉が郵政民営化をやる。しかしそれは民営ではなく、会社にしたということに過ぎません。そう私は…

名越健郎『独裁者プーチン』を読んで

名越健郎『独裁者プーチン』(文春新書)を読む。ロシア大統領プーチンを論じている。袖の惹句を引く。 大統領に復帰し、さらなる絶対的権力者となったプーチン。貧しい労働者階級からKGB中佐を経て頂点の座に上り詰めた軌跡を追うとともに、バラマキ政治を…

播磨屋本店の宣伝カー

以前紹介した銀座の無料カフェを提供している播磨屋本店の宣伝カーが銀座の晴海通りを走っていた。 「真実身命を賭して天皇に献言します」 環境問題は、世俗の迷妄人間では対処不能の異次元的超難問題です。その克服は、超俗の「天皇」の「神通力」に頼る以…

アメリカの影

アメリカでトヨタ車のリコールが問題になっている。マットによるアクセルペダルが戻らない問題、プリウスのブレーキが効かないとされる問題。それに対して微かにアメリカの陰謀だという噂も聞こえてくる。普天間基地の問題で日本政府がアメリカの要望を無視…

幸福実現党のマニフェスト

幸福実現党は先の総選挙で一人の議員も当選しなかったが、マニフェストは面白かった。その憲法試案の第14条は「天皇制その他の文化的伝統は尊重する。(後略)」だった。天皇制って言葉はコミンテルンが発明した左翼用語で、天皇制についてどう思うかと聞か…

「日米同盟の正体」から教えられたこと

「日米同盟の正体」の著者は最近まで防衛大学の教授だった人。長く外務省に勤め、外交官や国際情報局長を歴任している。吉田茂や猪木正道を高く評価している。 孫崎は日本には戦略思考が皆無だと批判する。例えば、「多くの日本人は、(1,000カイリの)シー…

日本海の見慣れぬ大きな島

もう大分前のことだが、新聞の広告に衛星写真の日本列島が掲載されていた。それが電力会社の広告だったのか、夜の写真だった。海岸線を明るい光が象って日本地図が再現されている。東京や大阪、名古屋などはことに明るく輝いている。ところが見慣れないとこ…

佐野眞一による政治家たちの人物月旦

佐野眞一はノンフィクション作家として私が一番信頼する人だ。これらの本をいつも感嘆して読んできた。特に『カリスマ』と『阿片王』はすばらしかった。並の作家ではない。 『遠い「山びこ」 - 無着成恭と教え子たちの四十年 - 』(新潮文庫) 『カリスマ─中…