2006-11-01から1ヶ月間の記事一覧
橋村奉臣さんの1000年後の世界を想定した写真集「HASHIGRAPHY」を見て、昔読んだスタニスワフ・レムの「浴槽で発見された日記」(集英社)を思い出した。とうに手放してしまったので、ネットで検索すると古書で8,000円もする。しかたないので図書館から借り…
小学校の頃の担任の先生を囲んで数人が集まって飲んだ。先生を送った後、皆でもう一度飲み直した。 集まった連中はわりあい成績の良い者たちだったが、一人だけ悪ガキで勉強が苦手なやつがいた。今は農協の職員をしている。 彼の話が滅法面白かった。およそ…
今から13年ほど前、針生一郎先生を案内して山本弘未亡人宅を訪ねた。 400点ほど残っていた山本の油彩を1点1点ていねいに見ながら、時々「これは松本俊介よりいい」「これは香月泰男よりいい」と言われた。 数年前セゾンアートプログラム主催の講演会で針生先…
以前、東京神田のJRガード下で撮影した古いパイプです。
東京都の京橋に片倉ビルという古い建物があり、そこの1階にギャラリーがあるのでたまに立ち寄っている。 古い建物なのでトイレも古い。意外ときれいなので手を入れているのかもしれないが。
ノンブルとは本や雑誌などのページの数字、フランス語のnombreからきており、要するにナンバーである。 このノンブルの振り方を間違えている例がまま見られる。特にパンフレットなどに。 正しいノンブルの振り方 縦組み、横組みに共通して、見開きにおいて、…
むかしタバコをやめた時、タバコを吸おうと思って胸のポケットに手を伸ばし、タバコがなくてああやめたんだと気付いた。その時タバコのイメージが残った。 それまではタバコを吸おうと思った時、ポケットのタバコを取って火をつけた。意識から行為がつながっ…
2004年1月突然友人が亡くなった。葬儀に参列した後東京へ帰る高速バスの中で俳句と短歌を詠んだ。 原和博君を悼んで詠める俳句と短歌 友人から別れの電話があった夜、彼の住む大山荘が全焼し友人が遺体となって発見された。3日後の葬儀の日は底まで見通せる…
山本弘の絵の第2弾です。 題不詳 種畜場(深い川霧が降りていて、乳牛がそれに包まれていた、と) 骨の踊り 臨終
岡本太郎と言えば万博の太陽の塔だ。縄文土器の美を発見した岡本太郎が現代美術と縄文を合体させた巨大な作品だ。だが、これのどこがいいのだろう。 岡本太郎の油彩は初期から晩年まで似ている。制作態度が終始一貫していたのだと人は思う。針生一郎さんによ…
山本弘の絵の写真を紹介します。 銀杏 川 酒飲む人 3号病棟 題不詳 老人 土の人 題不詳 傘 削道 削道 流木 日だまり(1972年)
東京渋谷区の東急デパート本店、そこから松濤美術館の方向に坂道を上っていく、その道路沿いの右側にその家がある。家というか、家の残骸というか。写真のようにびっしりと植物で覆われている。何か複雑な抵当物件なのだろう。こんな地価のバカ高そうな場所…
3月14日の日記「小磯良平と山口長男」(id:mmpolo:20060314)にも書いたが、抽象の画家山口長男は絵が下手だった。 宇佐美圭司によれば、アメリカの抽象表現主義の大家バーネット・ニューマンも初期のドローイングは下手だったと言う(目黒区美術館の講演か…
シアターコクーンで「タンゴ・冬の終わりに」のマチネを見る。当日券を買うために2時間並んだ。前売りは先月発売開始30分で売り切れたのだった。 清水邦夫・作、蜷川幸雄・演出。22年前1984年の初演は衝撃的だった。台本も演出もいい。蜷川は清水と組むと良…
山本弘の生活は毎日絵を描き続け、ついで酒浸りの日々をおくる。その内喀血したりして寝込む。回復するとまた絵を描き続ける。酒浸りになる。寝込むの繰り返しだったという。 酒を飲んでいる時以外は人に会わなかった。だから普通の人は酔っぱらっている弘さ…
清水邦夫作、蜷川幸雄演出コンビの代表作の一つがよみがえった。60〜70年代を共に過ごし、政治闘争の熱さと、挫折の苦さを共有した世代の思いが投影された戯曲である。だが今回、作り手と親子ほど年の離れた堤真一らが演じることで、作品は特定の時代から解…
17世紀オランダのフランス・ハルスは、デッサンをほとんどしなかったようだ。いきなり、カンヴァスへ向かうことが多かったらしい。1976(昭和51)年に制作された山本弘のこの油彩作品も同様、眼前の獲物を狙い定めて生け捕る。まるでハンターのように、生動…
今から15年前、全農から依頼されて、全国の農協と全農のホストコンピュータをオンラインで結んで、農作物の病害虫や雑草を画像を使って検索し、その防除法を調べるためのシステムを調査するよう依頼された。 その際、農協での経費負担ができるだけ少ない方法…
エスタンプとは何か? エスタンプとはフランス語では「版画」だが、日本語では「複製版画」を意味する。複製版画の対概念はオリジナル版画。 オリジナル版画は画家が版画を制作する目的で下絵を描き、版作りと刷り、最終チェックに至るまで作家自身で、また…
先週の「開運!何でも鑑定団」に内藤伸の木彫の鳥が出品され高額の鑑定がされていた。 内藤伸は明治15年生まれの彫刻家で島根県の出身、帝国美術院の会員で昭和42年に亡くなった。 仕事の関係で内藤伸のお孫さんだという内藤一彦さんを知った。一彦さんは映…
植物学者の前川文夫に「日本人と植物」という岩波新書がある。それの3.が「小正月のオッカド棒と桃の信仰」と題された章だ。 小正月とは1月15日のことで、オッカド棒は小正月に山村で行事として作るものの一つだとある。 「オッカド棒は御門棒の意味で、カツ…
丸谷才一・鹿島茂・三浦雅士「文学全集を立ちあげる」(文藝春秋)が面白い。お勧めです。 3人が相談しながら世界文学全集全133巻、日本文学全集172巻を選ぶという架空の企画。3人ともよく読んでいて、知らない作家や知らない作品がいっぱい取り上げられる…
小学校の頃授業で教わって何度も歌った「山の子のうた」を都会では誰も知らないので驚いた。 「山の子のうた」 坂下茂巳作詞・作曲 歌声が あの小道にひびけば あの森かげ あの谷間 山にこの歌 山の子は 山の子は 歌が好きだよ 雨が降り てるてる坊主(ぼうず…
作家永沢光雄が11月1日死去した。肝障害で47歳だった。著書は「AV女優」「声をなくして」など。新聞の訃報欄にそうあった。 「AV女優」(文春文庫)は高橋源一郎がほめていたので読んだ。アダルトビデオに出演している女の子42人へのインタビュー集だ。彼女…
最初にテーブルの上に水を一滴垂らしておきます。(できれば気付かれずに) 「瞬間芸です」と言って、広げたティッシュペーパーを水滴の上に静かに落とします。 (終わり)
子供の頃「ルーシー・ショー」というテレビドラマがあって大好きだった。アメリカのテレビコメディで、ルシール・ボールという女優が主演していた。家庭劇みたいなたわいのないコメディだった。 大人になって再放送を見て驚いた。ルーシーが相方の女優と話を…
「山本弘遺作展」by匿名(M) 51歳で縊死した画家山本弘(1930〜81)の年譜をたどっていくと、その無頼の生きざまに胸ふたがれる重いがする。15歳で予科練に入隊後、2か月で終戦を迎え、もうそのころから死にとりつかれベルトで首をくくるが、その古いベルト…
意外に誰も言わないが最近作られる公共建築の男子トイレのプランが複雑になっている。入口から入って3回以上屈折しないと本丸にたどりつかない。なぜなのか? ただ単に外から見えにくくするだけなら、こんなに複雑にする必要がない。臭い対策とも思えない。…