2017-04-01から1ヶ月間の記事一覧

マナーとは何か――村上リコ『図説 英国社交界ガイド』を読む

村上リコ『図説 英国社交界ガイド』(河出書房新社 ふくろうの本)を読む。副題が「エチケット・ブックに見る19世紀英国レディの生活」。18世紀の産業革命の結果、19世紀にイギリスではブルジョワジーが繁栄を極めた。豊かになった中流階級が貴族や地主たち…

布施英利『わかりたい! 現代アート』を読む

布施英利『わかりたい! 現代アート』(光文社知恵の森文庫)を読む。現代アートの解説書というか入門書なんだが、少し変わっていて、人名事典みたいな体裁になっている。全体を「モダン」と「ポップ」に分けて、それぞれ17人と18人(グループを含む)の作家…

JCIIフォトサロンの横木安良夫作品展展を見る

東京半蔵門のJCIIフォトサロンで横木安良夫作品展が開かれている(4月30日まで)。横木は1949年、千葉県生まれ。日本大学芸術学部写真学科を卒業している。篠山紀信のアシスタントを経て、1975年フリーランスの写真家として独立。広告、エディトリアル、ファ…

ギャラリイKの内海信彦展を見る

東京京橋のギャラリイKで内海信彦展が開かれている(5月6日まで)。内海は1953年生まれ、東京都出身。1974年慶應義塾大学法学部政治学科中退。1975年美学校中村宏油彩画工房修了。1981年多摩美術大学絵画科油画専攻コース卒業。国内外で90回個展開催。 今回…

藍画廊の矢成光生展-Something in The Air-を見る

東京銀座の藍画廊で矢成光生展-Something in The Air-が開かれている(4月29 日まで)。矢成は1969年、愛知県生まれ。もっともDMには千葉県出身と書かれている。1997年に多摩美術大学大学院美術研究科絵画専攻を修了している。1996年にギャラリーQで初個展、…

Oギャラリーの田島直樹展「分身術」を見る

東京銀座のOギャラリーで田島直樹展「分身術」が開かれている(4月30日まで)。田島は1968年鹿児島県生まれ、1997年に筑波大学大学院芸術研究科美術専攻を修了し、2012年には同大学で博士号を取得している。1997年にOギャラリーで初個展、その後も同ギャラリ…

向島百花園の春の花を見る

昨日、東京墨田区の向島百花園へ春の花を見に行った。2か月ぶりの百花園は花がすっかり代わっていた。 ボタン:柵の向こうに咲いていて近づけないのが残念 ムラサキサギゴケ ムラサキツユクサ:飯能に住む友人の好きな花 ハナズオウ:枝から直接花が咲いてい…

STEPS ギャラリー代表の吉岡まさみのレクチャーを聞く

昨日、東京銀座のSTEPSギャラリーで、その代表かつ作家の吉岡まさみのレクチャー「略歴を書く――美術の事務作業を復習する」が開かれた。内容について予告された紙片から、 略歴の書き方・作品のデータ(タイトル、素材、サイズ、制昨年、価格)・作家名・DM…

カート・ヴォネガット『国のない男』を読む

カート・ヴォネガット『国のない男』(中公文庫)を読む。アメリカを代表するSF作家カート・ヴォネガットは2007年に84歳で亡くなった。本書は2005年に発行された最後のエッセイ。文庫の帯には「遺言」と書かれている。 『猫のゆりかご』や『スローターハウス…

古井由吉『半自叙伝』を読む

古井由吉『半自叙伝』(河出文庫)を読む。2部構成になっていて、前半が「半自叙伝」、後半が「創作ノート」となっている。前半の「半自叙伝」を読みながら、何か中途半端な自伝だなあと思ったが、後半に移ってその理由が分かった。前半の「半自叙伝」は、20…

ヒノギャラリーの松本陽子展「振動する風景的画面」がとても良い

東京八丁堀のヒノギャラリーで松本陽子展「振動する風景的画面」が開かれている(4月29日まで)。松本は1936年東京生まれ、1960年東京藝術大学油画科を卒業している。1991年に国立国際美術館で個展を、2005年に神奈川県立近代美術館鎌倉で二人展、また2009年…

うしお画廊の深沢軍治展を見る

東京銀座のうしお画廊で深沢軍治展が開かれている(4月29日まで)。深沢は1943年山梨県生まれ、1971年に東京芸術大学大学院美術研究科を修了している。昨年秋に表参道の始弘画廊で個展をしている。その前はここうしお画廊で昨年6月に個展をしていた。 画廊の…

なびす画廊の瀧田亜子展を見る

東京銀座のなびす画廊で瀧田亜子展が開かれている(4月22日まで)。あれっ、なびす画廊は閉廊したのでは? いいえ、個展は今週の瀧田亜子と来週の木村英憲展まで特別に開催している。 瀧田は1972年東京都生まれ。なびす画廊での個展は今年の4月に続いて今回…

資生堂ギャラリーの「椿会展2017」を見る

東京銀座の資生堂ギャラリーで「椿会展2017」が開かれている(5月28日まで)。参加作家たちは、赤瀬川原平、畠山直哉、内藤礼、伊藤存、青木陵子、島地保武の6名。昔にくらべて作家が小粒になった感は否めない。準ビッグスターが赤瀬川だろうが、もう亡くな…

丸谷才一『別れの挨拶』を読む

丸谷才一『別れの挨拶』(集英社文庫)を読む。丸谷の死後2013年ににまとめられた単行本の文庫化。丸谷は2012年に亡くなった。本書は2010年9月以降に発表された文章に、それ以前に書かれた単行本未収録のものを加えて編集したと解題にある。 最初に「批評と…

大澤真幸『考えるということ』を読む(その1)

大澤真幸『考えるということ』(河出文庫)を読む。これが難しいけれどとても面白かった。3つの章に分かれていて、社会科学の章、文学の章、自然科学の章となっている。社会科学では「時間」、文学では「罪」、自然科学では「神」を主題に、それぞれ数冊の本…

ギャラリー ジーの染谷レーコ展「real dream」を見る

東京外苑前のギャラリー・ジーで染谷レーコ展「real dream」が開かれている(4月30日まで)。染谷は1980 年、埼玉県生まれ。今回がこのギャラリー ジーで13回めの個展になる。 DM葉書には「人間への興味をチャーミングなエロスで表現」と書かれている。被写…

アートフロントギャラリーの浅見貴子展「彼方/此方」を見る

東京代官山のアートフロントギャラリーで浅見貴子展「彼方/此方」が開かれている(4月30日まで)。浅見は1964年埼玉県生まれ。1988年に多摩美術大学美術学部絵画科日本画専攻を卒業している。1992年に藍画廊で初個展。その後各地で何度も個展を開いている。…

ギャラリー58の山下耕平展を見る

東京銀座のギャラリー58で山下耕平展が開かれている(4月15日まで)。山下は1984年兵庫県生まれ、2007年に佐賀大学文化教育学部デザイン専攻を卒業している。東京では、2011年から毎年このギャラリー58で個展を続けていて今年がもう7回目になる。 山下は初…

驚くべき社会の変動

マッキンゼーが驚くような未来を予測しているという。 車の自動運転化は、職業運転手を不必要にし、交通事故の減少によって保険業界を激変させる。人工心臓への需要を高める可能性もある。死亡事故が減ると臓器の提供者が減るからだ。 ひとつのブレークスル…

上野千鶴子が教える異性をキープする方法

「悩みのるつぼ」で40代女性が離婚して恋をしたいと相談している(朝日新聞、2017年4月8日)。 相談者 女性 40代 48歳女性、現在、離婚に向けて夫と別居しています。 詳細は省きますが、理由はお互いの浮気とか借金問題ではありません。 今、一番私が困って…

モーム『聖火』を読む

モーム/行方昭夫・訳『聖火』(講談社文芸文庫)を読む。『月と六ペンス』のモームが書いた戯曲、これがとても良かった。さすがストーリーテラーのモームと思わせたが、解説ではモームのほとんどの芝居が大衆向け路線の風俗劇で、本作を含めた4作がイプセン…

松村秀一『ひらかれる建築』を読む

松村秀一『ひらかれる建築』(ちくま新書)を読む。建築評論家の五十嵐太郎が書評で取り上げていたから(朝日新聞、2016年11月27日)。 本書はケンチクやタテモノからの卒業をうたう。ケンチクとは建築家の先生が設計する芸術的な作品。一方、タテモノとは経…

『三木清教養論集』を読む

大澤聡・編『三木清教養論集』(講談社文芸文庫)を読む。1931年から1941年までの雑誌等に掲載したエッセイをまとめたもの。昭和6年から16年になる。満州事変開始から真珠湾攻撃の年までだ。 本書は文庫オリジナルで、読書論、教養論、知性論の3部に分かれ、…

沼田まほかる『猫鳴り』を読む

沼田まほかる『猫鳴り』(双葉文庫)を読む。迷い込んだ小さい仔猫を飼い始めて、20年後にその老猫を看取る話だと言ってしまっては大事なことが抜けてしまう。推薦してくれた画家のYさんは、読み終わると自分の生き方に関する考えが変わるよと言った。 全体…

今野真二『北原白秋』を読む

今野真二『北原白秋』(岩波新書)を読む。副題が「言葉の魔術師」で、白秋に対して当たり前の副題だと思ったが、実はもっと強い意味があって、今野の専門が日本語学となっていて、文学者白秋を分析するというよりは、白秋の言語を分析するという姿勢らしい…

ベランダの花

ベランダの鉢植えに花が咲いている。 シロバナタンポポ:意外と東京を含む関東の在来種。この花は10年以上前に墨田区の某百花園から種を採種してきたもの。いまでは近所の植え込みにも小さな群落ができている。うちのベランダから飛んで行った綿毛が芽生えた…