JCIIフォトサロンの横木安良夫作品展展を見る

 東京半蔵門のJCIIフォトサロンで横木安良夫作品展が開かれている(4月30日まで)。横木は1949年、千葉県生まれ。日本大学芸術学部写真学科を卒業している。篠山紀信のアシスタントを経て、1975年フリーランスの写真家として独立。広告、エディトリアル、ファッション、ヌード、ドキュメンタリー、CMと様々なジャンルで活動、と今回の作品展のカタログにある。
 10年ほど前だったか日本航空のポスターに使われたベトナムアオザイを着た女性の写真が話題になった。ロバート・キャパ終焉の地を捜してそれを確定した『ロバート・キャパ最後の日』(東京書籍)も高く評価された。




 今回の写真展は「あの日の彼、あの日の彼女。1967−1975」と題されていて、1970年を挟んだ前後数年間の都会と近郊の若者たちを撮影したスナップ集だ。まさに40年前のファッションや風俗が写し取られている。撮影地は、福生横田基地、銀座、原宿、表参道、茅ヶ崎、七里ガ浜、稲村ケ崎、秋田、葉山、菊川、国府台、そして新宿騒乱、等々となっている。新宿騒乱は1968.10.21 と日付があり、懐かしい国際反戦デーだ。国府台が紛れているのは、そこが横木の出身地で実家があった場所だからだ。
 写真はすべてモノクロ、点数は82点ある。展示ケースの中に当時撮影に使った一眼レフとしてペンタックスSPが置かれていた。ここに紹介した写真はギャラリー内の撮影が禁じられているので、会場で販売していた小冊子『あの日の彼、あの日の彼女。1967−1975』を複写したもの。
 横木はコマーシャルカメラマンなのに、ときどきこのようなスナップの写真展を開いている。前に見た写真展のときは、『アサヒカメラ』や『日本カメラ』の公募写真と自分の写真を同列に考えてほしくないと言っていた。
 上記小冊子に横木が書いている。

 今回全てのプリントをラムダシステムによるイルフォードの専用バライタペーパーに焼き付け、通常のモノクロ印画紙用現像液で処理しています。今後のモノクロプリント表現に一石を投じる写真展でもあります。……

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横木安良夫作品展「あの日の彼、あの日の彼女。1967−1975」
2017年3月28日(火)−4月30日(日)
10:00−17:00、月曜日休館
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JICCフォトサロン
東京都千代田区一番町25 JCIIビル
電話03-3261-0300
http://www.jcii-cameramuseum.jp/photosalon/
※地下鉄半蔵門線半蔵門液4番出口を出て3分ほど