ヒノギャラリーの松本陽子展「振動する風景的画面」がとても良い

 東京八丁堀のヒノギャラリーで松本陽子展「振動する風景的画面」が開かれている(4月29日まで)。松本は1936年東京生まれ、1960年東京藝術大学油画科を卒業している。1991年に国立国際美術館で個展を、2005年に神奈川県立近代美術館鎌倉で二人展、また2009年に国立新美術館でも二人展を開いている。
 ギャラリーのホームページから、

今回発表する200号の新作は、油彩と木炭による重層に加え、オイルパステルの線描が疾風怒濤のごとく画面を縦横に走り、見るものの視点を絶えず内外へ誘導させるドラマティックな作品となっています。展覧会タイトルにも冠された「振動する風景的画面」はまさに本作を示すに相応しいものですが、92年から度々松本作品に付される同タイトルは、これまでの表現を育みながら、さらなる変革に挑む作家の姿勢も反映しています。






 今回の個展がすばらしかった。緑色を主体に画面を作っている。「オイルパステルの線描が……画面を縦横に走り……」、作品に激しい動きを与えている。緑が強風に揺れる木々の葉叢のようにも見え、なだれ落ちる水流のようにも感じられる。強い動きと同時に、官能的ですらある鮮やかな色彩が見る者を魅了する。優れた抽象作品に出合った思いだ。
 松本は現在ちょうど80歳、信じられないほど若々しい作品を作っている。国立新美術館の二人展を見逃してしまったことが大変残念だ。
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松本陽子展「振動する風景的画面」
2017年4月10日(月)−4月29日(土・祝)
11:00−19:00(土曜日17:00まで)日曜休廊
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ヒノギャラリー
東京都中央区入船2-4-3 マスダビル1F
電話03-3537-1151
http://www.hinogallery.com
JR線・地下鉄日比谷線八丁堀駅A2出口より徒歩5分
地下鉄有楽町線新富町駅5・7番出口から徒歩5分