東京入船のヒノギャラリーで多和圭三展が開かれている(11月30日まで)。多和は1952年愛媛県生まれ、1978年日本大学芸術学部美術学科彫刻専攻卒業、1980年日本大学芸術学部芸術研究所修了、2009年多摩美術大学彫刻科教授就任、そして2020年3月で多摩美術大学を退職した。
ギャラリーのホームページから、
多和圭三は50年近く鉄を主材に制作を続ける彫刻家です。「彫刻」といいながら、その大半の作品は彫られたものでも、塑像されたものでもなく、鉄の塊を「叩き」、時に「削り」、そして「組み合わせる」という営みによってもたらされた「もの」たちです。
(中略)
今回多和が発表する新作は、「かたちのないもの」を追いかけ「ただ鉄が在る」ことだけを求めた末に現れ出たものといいます。それはまるで、原子が互いに引かれ合うようにしてくっつき、無重力の中でくるくると回りながらいつしかかたちを成すような、そんな具合に無為に出来上がったようにも見受けられます。溶接棒をひたすら溶かし、少しずつまた接合して塊にしたというこのものは、彫塑の塑=モデリングではありますが、作家はむしろ、鉄と鉄とがくっつくことによりできたものと捉えています。
多和は鉄の塊を鍛造して作品を作っていたが、さすがに70歳を超えて体力的に難しくなったのではないか。今回主に鉄を溶接した作品を作っている。鉄は存在そのものが魅力的だ。単純な形でも作品として充実している印象がある。
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多和圭三展
2024年11月11日(月)-11月30日(土)
11:00-18:00(土曜日は17:00まで)日曜休廊
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ヒノギャラリー
東京都中央区入船2-4-3 マスダビル1階
電話03-3537-1151
※JR線・地下鉄日比谷線「八丁堀」駅A2番出口より徒歩5分