2008-10-01から1ヶ月間の記事一覧

差別に関する娘との会話

父さん、私ね自分に差別意識があることに最近気づいたのよ。どんな差別なんだい? 男の人を差別してるの。無意識のうちに女の人が優秀で男の人は一段低い人間だと思いこんでいたの。それに最近気がついたのよ。私は自分が女と言うより男に近いと思っているか…

伊那谷の秋

先週、所用で長野県下伊那郡高森町へ行って来た。町とはいえ、伊那谷の村だ。長野県南部の飯田市の北に位置し、東を天竜川に接している。 りんごが実っていたけど、赤いのはふじだろうか、黄色いのは分からない。シナノゴールド? 柿も実っていた。渋柿だ。…

丸山富之展を見る

丸山富之展がヒノギャラリーで開かれている(11月8日まで)。丸山は石彫の作家。砂岩を素材にして抽象的な立体を作っている。 メインの作品は幅2メートルくらいある。気持の良い形だ。 小さな作品でアンテナのような突起があったり、高い壁のようだがこれ…

髭が伸びる時間の研究

アメリカにはつまらない研究をしている学者がいるという記事を読んだことがある。その例として、髭の伸びる時間を研究した学者を紹介していた。24時間、毎時間ごとに髭を剃ってその重さを量ったところ、午前10時ころ最も髭が伸びたのだという。 私は毎朝ほぼ…

源氏物語の読み方は? 丸谷才一と吉本隆明

朝日新聞10月26日の書評欄が「源氏物語」特集で、丸谷才一が「源氏物語」の読み方を書いている。 モーツァルトの交響曲をCDで聴くのとナマで聴くのとは大違いである。セザンヌの油絵を画集で見るのと美術館で本物を見るのとでは、これが同じ絵かと思うほど差…

コンビニのゆで卵の謎

コンビニのサンドウィッチにはゆで卵が挟んである。そのゆで卵はすべて大きな円をしている。ゆで卵の両端の白味だけの部分とか、端に近い黄味が少ない部分が入っていることはない。それらは何に使われているのだろう。コストの追求が課題のコンビニだ、まさ…

森崎偏陸展を見た!

銀座1丁目の奥野ビル地下の巷房2というギャラリーで森崎偏陸展を見た。偏陸はヘンリックと読む。寺山修司の劇団天井桟敷のスタッフとして昔から名前だけは知っていた。天井桟敷の連中って変な名前を付けられていたから偏陸もその類だろうと思っていたら本…

男の冗談に気を付けよう

20代の初め頃、友人の彼女が「週刊マーガレット」を購読していたので毎週読ませてもらっていた。「アタックNo.1」や「エースをねらえ!」「スマッシュをきめろ!」なんかが好きだった。雑誌には読者向けのコラムがあって時々面白いことが書かれていた。その…

内平俊浩の木彫展がおもしろい

内平俊浩というおもしろい木彫作家がいる。現在銀座5丁目のギャラリーなつかで個展を開いている(25日まで)。 内平はいつも若い女性のほぼ等身大の木彫を作っている。粗い仕上げで、それに彩色をしている。彼女たちは時代の流行の服装をしている。内平はも…

野沢二郎展「雨後」を見る

銀座3丁目のコバヤシ画廊で野沢二郎展「雨後」が開かれている(25日まで)。野沢二郎を初めて見たのは1993年6月、銀座8丁目にあったギャラリーQでだった。「平行樹」と題されたその個展はとても良かった。その時のDMをまだ保管している。 1993年野沢二郎…

死に臨んで涙を流す牛

朝日新聞の読者からの投稿欄「声」に次のような投書が掲載された。(農業 塚田貢 83歳:10月20日朝刊) 1945年9月21日、武装解除。貨車に詰められ旧満州の奉天出発、10月29日、国境黒河到着。明日、対岸ブラゴベシチェンスクに渡るという。 開拓団から略奪…

祖母からの隔世遺伝、貧唾症

祖母は生まれつき唾が少ない体質らしく、煎餅など乾きものを食べるとしばしば喉を詰まらせてお茶や水を飲んでいた。私はこれをひそかに貧唾症と呼んでいた。だがこれは隔世遺伝して私に伝わっていた。煎餅を食べると大概のどを詰まらせた。水なしで乾きもの…

重層する空間を一つの画面に定着させようという試み

知人の作家の個展に行った。大きなタブローのほかにスケッチブックから破り取ったようなドローイングが展示してあった。それが不思議な絵だった。これは何を描いたのですか? 道を歩きながら前方の景色を描いたのです。遠い家並みが近づいてくる。遠くのもの…

振り込め詐欺の電話があったとき

流行の振り込め詐欺の電話がうちにもあった。ここ3年間で2回だったが。最初は朝私が出勤した後、電話をカミさんが受けた。上野駅でご主人が痴漢をして捕まっているという。カミさんはそうですか、確かめてみますと答えて放っておいたと、帰宅したら教えて…

高野文子が樹村みのりの影響を受けていた

鶴見俊輔が高野文子と対談をしている! 「考える人」2008年夏号の「対談 幾何学と漫画」だ。高野文子は傑作「絶対安全剃刀」を描いたマンガ家だ。そこに収録されている「田辺のつる」のすごさ! 鶴見 影響を受けた漫画家はいますか。 高野 漫画を描き始めた…

ギャラリー21+葉の笹井祐子展をぜひ見てほしい

東京銀座1丁目のギャラリー21+葉で笹井祐子展が開かれている(18日まで)。これが最近になくすばらしい。 笹井祐子は1966年生まれ、日大芸術学部研究所版画コースを卒業している。最初の個展は1989年にJCBギャラリーで、次いで1991年ギャラリー21+葉、私…

「緑と水の広場」第49号(秋号)「特集 巨樹・名木に会いに行こう!」

探していたこの雑誌をようやく手に入れることができた。「緑と水の広場」第49号(秋号)「特集 巨樹・名木に会いに行こう!」だ。昨年の9月に東京都公園協会が発行。先日向島百花園に行ったら窓口に置いてあった。わずかに200円。 全国で確認されている巨木…

草野心平「大白道」を柴田南雄が作曲した

9月26日に上野の文化会館小ホールで「柴田南雄没後12年メモリアルコンサート 後期の室内楽と合唱曲ーー柴田南雄の遺したこと」が開かれた。プログラムは、 ・4つのインヴェンションと4つのドウーブル ピアノ:中嶋香 ・声とコントラバスのための五つの歌…

北杜夫の「あくびノオト」

北杜夫の初期のエッセイに「あくびノオト」というのがある。これは「あくびノート」なのか「あくびの音」なのか分からないでいた。富岡多恵子の「釋迢空ノート」(岩波書店)に次のような記述がある。 中野重治は、その昔『茂吉ノオト』を書いた。わたしには…

ブログお休み

今日から1泊2日で田舎(深くて広い谷、伊那谷にある飯田市)へ行くのでブログはお休みです。

目黒区美術館の丸山直文展

目黒区美術館で丸山直文展「後ろの正面」が開催されている(11月9日まで)。丸山は1964年生まれ、Bゼミ出身で、1990年頃から綿布にアクリル絵具を染み込ませるステイニングという技法を使って抽象絵画を描き注目された。ところが90年代半ば突然絵を変えてし…

伊那谷が深くて広い巨大な谷であること

一昨日、JR東海がリニア新幹線を南アルプスをほぼ直線に貫くルートで建設する方針を固めたとのニュースを紹介した。南アルプスを抜けて伊那谷を横断するルートだ。この天竜川が作った伊那谷については知られていないことが多い。伊那谷出身の本多勝一のエッ…

ル・クレジオがノーベル文学賞受賞!

ル・クレジオがノーベル文学賞を受賞したらしい。mixiのコミュの書き込みで知った。ル・クレジオの処女作「調書」が翻訳発行されたのが1966年10月、私が高校3年の時で、書店に並んですぐ買った。以来数年間毎年読み直すほどの愛読書になった。主人公のアダ…

サトウハチローが煮沸式クリーニングを考案したこと

佐藤愛子「血脈」(文春文庫)の続き。文中「八郎」は佐藤愛子の異母兄サトウハチローのこと。 ひと月ふた月と経って、寒さがやってきたので(八郎は)教室に入ることにした。実習の教室では裸体のモデルを使っているので、石炭ストーブをガンガン焚いている…

リニア新幹線「南アルプス直下」方針

朝日新聞10月7日朝刊に、「リニア新幹線『南アルプス直下』方針」の見出しがあった。 JR東海は、東京ー名古屋で25年の開業を目指すリニア中央新幹線を、南アルプスをほぼ直線に貫くルートで建設する方針を固めた。建設費や乗車時間の面で有力だった直線ルー…

サトウハチローが馬糞を踏んだエピソード

佐藤愛子の家族の伝記「血脈」(文春文庫)を読んでいると、次のエピソードがあった。 馬糞を踏んだら背が高くなる。ザルをかぶると背が伸びなくなる、と伯母さんがいったので、八郎(サトウハチロー=佐藤愛子の異母兄、佐藤紅緑の長男)は荷馬車がやってく…

関根伸夫の「位相絵画」を見る

関根伸夫展をギャラリーBS(旧ギャラリー美術世界)で見る。タイトルが「『位相ー大地』から40年、今位相絵画で語る」だ。「位相絵画」って何だろう。 昨年も同じ画廊で関根伸夫展を見て、「もの派のエース関根伸夫の個展を見た」(id:mmpolo:20070227)を書…

鷲尾 和彦展「極東ホテル」が興味深い

銀座Nikon Salonで鷲尾和彦写真展「極東ホテル(THE HOTEL FAREAST)」が開催されている(14日まで)。すべて東京を訪れた外国人の人物写真だ。昔の山谷が現在このようになっているのかと感慨も深い。印象に残る写真展だ。 Nikonのホームページに告知されて…

リアリスト菊池寛

小島政二廊「長篇小説 芥川龍之介」(講談社文芸文庫)に菊池寛のエピソードが紹介されている。 菊池(寛)はリアリストであるから、リアリストの志賀(直哉)の小説を理解するのに少しも無理はない。 菊池寛がリアリストだったことは他の人も語っていた。誰…

1996年の秋山画廊での塩田千春展

Art Lover Blogに塩田千春のホームページが紹介されていたので早速見てみた。経歴に1996年東京秋山画廊で個展とあった。秋山画廊なら見ているはずだと、記録を調べると、1996年3月23日に見ていた。当時から良かった個展はDM葉書を保管しているので、そのファ…