2023-03-01から1ヶ月間の記事一覧

ギャルリー東京ユマニテの野田裕示展を見る

東京京橋のギャルリー東京ユマニテで野田裕示展「ずらしの作法」が開かれている(4月8日まで)。野田は1952年和歌山県生まれ、多摩美術大学を卒業した翌年すでに伝説の南画廊で個展を開いている。その後ギャルリー東京ユマニテで個展を繰り返してきた。201…

ギャラリー77の重野克明展を見る

DM 東京銀座のギャラリー77で重野克明展「画廊へようこそ」が開かれている(4月6日まで)。重野は1975年千葉市生まれ、2003年に東京藝術大学大学院修士課程美術研究版画専攻を修了している。主に77ギャラリーで個展を開いているが、高島屋美術画廊Xや養清…

東京都美術館の「人人展」を見る

東京上野の東京都美術館で「人人展」が開かれている(3月31日まで)。「人人展」は異端の日本画家中村正義の提唱で生まれたグループ展だ。 長く事務局長を務めてきた郡司宏が2020年の11月に亡くなり、追悼展示として郡司の作品が並べられている。その他、私…

ギャラリー・ビー・トウキョウの渡邊和生展を見る

東京京橋のギャラリー・ビー・トウキョウで渡邊和生展が開かれている(4月1日まで)。渡邊は2000年生まれ、2023年に多摩美術大学彫刻科を卒業し、今回が初個展となる。 エレファント 画廊の中央に「エレファント」と題する高さ120mの大きな立体作品が展示…

ギャラリーカメリアのしらすサラダ展を見る

東京銀座のギャラリーカメリアでしらすサラダ展が開かれている(4月1日まで)。しらすは1993年生まれ、現在建築会社で働いている。しらすは自分の部屋のために、自分だけのモノを作り続けているという。それが類まれなモノでとても面白い。 画廊のHPには、…

十重田裕一『川端康成』を読む

十重田裕一『川端康成』(岩波新書)を読む。副題が「孤独を駆ける」、川端康成の評伝だ。私は若いころ川端が好きで、長篇など主な作品はほとんど読んでいた。もう50年前になる。そんなこともあって新刊が発売されてすぐ買い、早速に読んだ。 十重田は本書で…

国立新美術館の日本アンデパンダン展を見る

東京六本木の国立新美術館で第76回日本アンデパンダン展が開かれている(4月3日まで)。日本アンデパンダン展には田舎の知り合いの画家たちがいつも出品していた。その人たちの作品を見たくて毎年出かけている。でも皆さん高齢になって一人二人と出品を取…

上野の森美術館のVOCA展を見る

東京上野の上野の森美術館で「VOCA展2023」が開かれている(3月30日まで)。VOCA展は、「平面美術の領域で高い将来性のある若手作家を奨励する展覧会で、今年で30回目の開催を迎えます」とちらしにある。 受賞作品を紹介する。 永沢碧衣(VOCA賞) 七搦綾乃…

大岡昇平『成城だよりⅡ』を読む

大岡昇平『成城だよりⅡ』(中公文庫)を読む。大岡が1981年の日記を『文学界』に連載したもの。大岡73歳。足が衰えて自分のことをよれよれのもうろくじじい等と自嘲している。しかし舌鋒は変わらず鋭い。 (……)青山学院院長大木某、縁故入学は創業以来の方…

藍画廊の福田正明個展を見る

東京銀座の藍画廊で福田正明個展「日常」が開かれている(3月25日まで)。福田は1986年神奈川県生まれ、和光大学を卒業している。初個展はギャラリー坂巻、最近はここ藍画廊でもう数回個展を開いている。 福田は今までコミケ(コミックマーケット)でコスプ…

√kコンテンポラリーの浜田浄展を見る

東京新宿南町の√kコンテンポラリーで浜田浄展が開かれている(3月25日まで)。浜田は1937年高知県出身、1961年に多摩美術大学美術学部油画専攻を卒業している。2015年には練馬区立美術館で個展が開かれている。 √kコンテンポラリーは地上3階、地下1階の現…

コバヤシ画廊の藤森哲展を見る

東京銀座のコバヤシ画廊で藤森哲展「不在の実在」が開かれている(3月25日まで)。藤森は1986年横浜市生まれ、2011年に筑波大学大学院人間総合科学研究科博士前期課程芸術専攻洋画領域を修了している。2016年JINENギャラリーで初個展、コバヤシ画廊では5回…

芥川喜好『時の余白に 続々』を読む

芥川喜好『時の余白に 続々』(みすず書房)を読む。芥川は元読売新聞編集委員、読売新聞朝刊の連載コラム「時の余白に」をまとめたもの。『時の余白に』『時の余白に 続』につづく3巻目。しかし、このコラムは2020年4月25日で、1293回続いた連載を打ち切っ…

フリードリヒ・グルダ『俺の人生まるごとスキャンダル』を読む

フリードリヒ・グルダ『俺の人生まるごとスキャンダル』(ちくま学芸文庫)を読む。グルダはウィーン出身の20世紀を代表するピアニスト、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集やモーツァルト、バッハなどクラシックの名盤を数多く録音したほか、作曲やジャズ…

菊畑茂久馬『戦後美術の原質』を読む

菊畑茂久馬『戦後美術の原質』(葦書房)を読む。1950年代美術、浜田知明論、坂本繁二郎論が中心で、それに『美術手帖』に連載したエッセイを収録している。 1950年代美術より、 (……)50年代美術は「肉体絵画」からはじまったのである。福沢一郎「虚脱」(1…

東京画廊+BTAPのAyako Someya展を見る

東京銀座の東京画廊+BTAPでAyako Someya展「呼吸をするように」が開かれている(4月1日まで)。Someyaは1981年東京都生まれ、聖徳大学人文学部英米文化学科を卒業後、2007年より古典の書を学んだ。2014年にニューヨークの「ZERO ART」に参加後、井上有一の…

STEPSギャラリーの唐詩薏&霜田哲也展を見る

東京銀座のSTEPSギャラリーで唐詩薏&霜田哲也展が開かれている(3月18日まで)。二人展と思ったら、唐と霜田の二人がすべての作品を合作している。具体的には交互に描いているのだという。そういう制作方法は丸木位里・丸木俊の合作の例があった。 唐は抽…

うしお画廊の井上敬一展を見る

東京銀座のうしお画廊で井上敬一展が開かれている(3月18日まで)。井上は1947年、福岡県田川市生まれ。1980年に福岡教育大学美術研究科を修了している。井上は銀座のみゆき画廊で個展をしていたが、みゆき画廊が閉じてからはうしお画廊で個展を開いている…

山本弘の作品解説(115)「河原道」

山本弘「河原道」、油彩、F10号(天地53.0cm×左右45.7cm) 1976年制作。河原の真ん中に1本の道があり、その先に遠く山がそびえている。道は真っ直ぐ山に向かって伸びており、道の途中に1頭の黒い犬が立っている。山本はしばしば三叉路やT字路を描いているが…

慎改康之『ミシェル・フーコー』を読む

慎改康之『ミシェル・フーコー』(岩波新書)を読む。フーコーは現代フランスの哲学者、難解な哲学で知られている(1984年に亡くなっているが)。主著は『言葉と物』、『知の考古学』、『監獄の誕生』、『性の歴史(1~4巻)』など。私も『言葉と物』や『…

木村裕・監修、大中洋子・絵『まんがでわかる畑の虫』を読む

木村裕・監修、大中洋子・絵『まんがでわかる畑の虫』(農山漁村文化協会)を読む。イラストで畑作害虫を紹介している図鑑。大中の描くイラストが分かりやすく、木村による記載も簡潔でよくできている。取り上げられている虫(害虫)は27項目。種類でなく項…

ギャラリーせいほうの櫻井かえで彫刻展を見る

東京銀座のギャラリーせいほうで櫻井かえで彫刻展「ラクダと観覧車と魚のなる木」が開かれている(3月10日まで)。これがとても面白い。櫻井は1974年東京都生まれ、2002年に武蔵野美術大学造形研究科美術専攻彫刻コースを修了している。2001年にギャラリー…

うしお画廊の淀井由利子展を見る

東京銀座のうしお画廊で淀井由利子展が開かれている(3月11日まで)。淀井は東京生まれ、武蔵野美術大学大学院油絵科を修了している。個展はみゆき画廊で行っていたが、みゆき画廊が閉廊後はうしお画廊で開いている。 とくに大作が見ごたえがある。その作品…

どんな画家にも媚びがある

山本弘の小品を並べてみた。いずれも6号という小さな作品だが、こうしてみると山本の別の顔が見えてくる。これらはいずれも晩年の作品で、小品でありながら取り付く島もないような印象を与える。特に最後となった1978年の個展では、奥さんに今回は絵は売らな…

ギャラリーなつかの易佑安展を見る

東京京橋のギャラリーなつかで易佑安展「漆の装身具」が開かれている(3月11日まで)。易は2015年国立台湾芸術大学工芸デザイン修士を修了し、2021年より金沢美術工芸大学博士後期課程美術工芸研究科座学中。 指輪 指輪 指輪 ブローチ ブローチ ブローチ ブ…

ガルリSOLのいらはらみつみ個展を見る

東京銀座のガルリSOLでいらはらみつみ個展「立ち現れたモノ」が開かれている(3月11日まで)。いらはらは1972年神奈川県生まれ、2001年東京藝術大学美術研究科漆芸専攻を修了している。2022年ガルリSOLで初個展。座の会展に2019年から毎年参加している。 タ…

軍国少年の戦後

山本弘は終戦時15歳だった。軍国少年だった山本が終戦をどう感じたのか正確には分からない。ここに勝目梓の『小説家』(講談社文庫)という自伝があり、勝目が終戦時の体験を語っている。 昭和20年(1945年)、日本の敗戦の年にこの世に生を受けたC女は、民…

和泉悠『悪い言語哲学入門』を読む

和泉悠『悪い言語哲学入門』(ちくま学芸新書)を読む。「悪い」というのはどれに掛かっているのだろう。間違った言語? 悪意のある言語? 正しくない言語哲学? ふつう言語論とか言語哲学なんて聞くと、難しそうで敬遠したくなる印象がある。それを「悪い」…

富田武『ものがたり戦後史』を読む

富田武『ものがたり戦後史』(ちくま新書)を読む。第2時世界大戦以後の戦後史を、日本史と世界史に分けなくて、総合的に捉えて書いている。「はじめに」によると、2022年から高校社会科歴史科目が改変され、1年時の2単位必修科目として「歴史総合」がスタ…