東京銀座のガルリSOLでいらはらみつみ個展「立ち現れたモノ」が開かれている(3月11日まで)。いらはらは1972年神奈川県生まれ、2001年東京藝術大学美術研究科漆芸専攻を修了している。2022年ガルリSOLで初個展。座の会展に2019年から毎年参加している。
タイトルの「立ち現れたモノ」に関するいらはらの言葉。
この建物は壊されることになった。家財道具を運び出し掃き清めると、一陣の風が吹き抜けた。/そこに立ち現れたのは、建物の中で深く眠っていた「記憶」だった。
*この建物は磯崎新氏の設計によって1980年に建てられたが、施主の都合により2022年に解体された。
作品はその解体された建物の記憶をインスタレーションで再現しているようだ。床に置かれた丸いガラスは建物に使われていた窓、その脇の矩形の物体は建物の壁のタイル。窓から「気」のように和紙で作られた煙のような造形が立ち上がっている。これは和紙に漆を染み込ませているという。
いらはらは大学で漆芸を学んできた。今回それをこのような形でインスタレーションに活かしている。ギャラリーの奥の小部屋には解体されたこの建物の資料が展示されていた。磯崎のポストモダンの建築だった。
・
いらはらみつみ個展「立ち現れたモノ」
2023年3月6日(月)-3月11日(土)
11:00-19:00(最終日17:00まで)
・
ガルリSOL
東京都中央区銀座1-5-2 西勢ビル6F
電話03-6228-6050