自然

ツバメの子殺し

マンションの玄関前にツバメの雛が落ちていた。当然もう死んでいる。3年ほど前にも同じことを体験して調べたので知っている。これはツバメの子殺しだ。「バードリサーチ ツバメ図鑑」に子殺しについて次のような解説がある。 ツバメの巣は無傷のまま、中の…

唐沢孝一『都会の鳥の生態学』を読む

唐沢孝一『都会の鳥の生態学』(中公新書)を読む。副題が「カラス、ツバメ、スズメ、水鳥、猛禽の栄枯盛衰」というもの。唐沢は都会の鳥=都市鳥について半世紀以上にわって観察してきたという。その長年の研究実績から具体的なエピソードが満載されている…

萬年一剛『富士山はいつ噴火するのか?』を読む

萬年一剛『富士山はいつ噴火するのか?』(ちくまプリマ―新書)を読む。副題は「火山のしくみとその不思議」。著者は火山学者、裏表紙の惹句を引く。 富士山はこの300年ほど噴火していないが、それは仮の姿。 実はとても活発な火山だ。次に噴火するとしたら…

塚谷裕一『漱石の白百合、三島の松』を読む

塚谷裕一『漱石の白百合、三島の松』(中公文庫)を読む。副題が「近代文学植物誌」とあり、植物学の専門家である塚谷が日本近代文学に登場する植物についてあれこれ論評している。 本書に興味を持ったのは、須藤靖が「注文の多い雑文 その59」で推薦してい…

墨田区と江戸川区の区境の川

旧中川、左:江戸川区、右:墨田区 朝日新聞の朝日歌壇に十亀弘史の短歌が選ばれている(8月28日付け)。 墨田区と江戸川区との区境の川の両側どちらも真夏 (東京都 十亀弘史) 墨田区と江戸川区の区境の川といえば旧中川だ。曲がりくねって決して大きいと…

春の連休に向島百花園を訪ねる

春の大型連休に東京墨田区の向島百花園を訪ねる。最初にセッコクが咲いていた。藤、紅色のウツギ、卯の花=ヒメウツギ、芍薬、コデマリ、ムラサキツユクサ、睡蓮、ムラサキセンダイハギ、アヤメ、セイヨウサンザシなどが咲いている。 むかし、ふ化したばかり…

椿玲奈『カイメン』を読む

椿玲奈『カイメン』(岩波科学ライブラリー)を読む。カイメンは英語でスポンジ、食器洗いの人工のスポンジの元となった海綿動物だ。動物なんである。しかし、カイメンには脳も神経も消化管や筋肉すらない。 カイメンは水中に漂う植物プランクトンなどをこし…

ツタの害虫スズメガの幼虫

ベランダにツタの鉢植えが5鉢ほど並んでいる。一番古いものは持ち込んで40年ほどになる。持ち込むというのは鉢上げすることだ。で、その大事なツタの葉が歯抜けのように惨めな姿になっているのに気が付いた。鉢の下に黒い細かい粒が落ちている。どうやら糞…

落ちていたツバメの雛

娘と駅ビルで待ち合わせ、家を出たらマンションの通路にゴミが落ちていた。よく見ると死んだツバメの雛だった。実はその日の朝も同じ場所で死んでいたツバメの雛を見た。通路の上にツバメの巣があるのだった。娘に少し遅れると連絡して家に戻りティッシュと…

散歩で出会った花や虫たち

運動不足解消で近所の裏道を散策している。カメラを持って珍しい花やきれいな花を撮っている。知らない花も多いが、Googleレンズに教えてもらっている。もっともこのアプリすごく専門的なことを知っている反面全く違うことを教えてくれたりするので帰宅して…

富岡幸一郎『生命と直感』を読む

富岡幸一郎『生命と直感』(アーツアンドクラフツ)を読む。副題が「よみがえる今西錦司」で、今西錦司の業績を再確認、再評価しようという書。今西錦司という生態学者、進化論者、巨大な知というべき人が亡くなってもう27年になる。あれだけ偉大だった人の…

長谷川眞理子の書評から

朝日新聞の読書欄でジェラルディン・マコックランの『世界のはての少年』(東京創元社)について人類学者の長谷川眞理子が書評を書いている。 読み始めたら止まらず、読み終わったあとの衝撃と悲しみ。ものすごい話である。そして、これは実話に基づく物語な…

天使のトランペットが咲いている

東京日本橋小伝馬町に天使のトランペットと呼ばれるキダチチョウセンアサガオが咲いていた。これが恐ろしい幻覚作用を持っていることを2年前の植松黎の「世界の毒草」で知った。それを紹介した私のブログを再掲する。 ……キダチチョウセンアサガオの原産地の…

梅の木のカイガラムシ

地下鉄の外苑前駅を出て何軒かの画廊を回っていると、民家の植え込みの梅の木に黒っぽいぶつぶつが付いているのに気がついた。近づいて見てカイガラムシだと分かった。梅の木のカイガラムシで黒っぽくて粒々になっている。初めて見たがすぐタマカタカイガラ…

相見満『分類と分類学』を読む

相見満『分類と分類学』(東海大学出版会)を読む。分類について、人がどのように生物を分類してきたかをていねいに紹介している。リンネが分類を体系化しラテン語を用いた種の2名式命名法を確立した。界、目、属、種という階級を設けて階層的な分類法を確立…

春の花を探す

NHKの天気予報の時間に代々木公園でフクジュソウが咲いている映像が紹介された。それで私も探しに行った。近所の公園ではフクジュソウはまだ蕾だった。それではとフキノトウを探すと小さな蕾が出始めていた。公園だから採るわけにはいかない。 ↑こちらがフク…

インドネシアでの津波被害

インドネシアジャワ島で大きな津波の被害があった。今日の発表で200人以上が亡くなっている。津波の原因は地震ではなく火山の噴火によるものだという。スンダ海峡にあるアナウクラカタウ島の火山が噴火した。クラカタウと聞いて『生物の消えた島』(福音館書…

からももとヤマモモ

『古今和歌集』の「物名」に、ふかくさの和歌が載っている。ふかくさは清原深養父で、覚醒剤番長の先祖に当たる(らしい)。 からもゝの花 あふからもものはなほこそ悲しけれ 別れんことをかねて思へば 「物名−モノノナ」は題の語を歌の中に隠して詠んだもの…

不思議なボケの実

不思議なボケの実を見た。ボケは普通下の写真のようにリンゴに似たピンポン玉くらいの実を短果枝に一つ着ける。ところが今回見たボケは枝の先端に数個かそれ以上の小さな実がが固まって着いている。こんなボケの生り方は初めて見た。 ↑普通のボケの実 狂い咲…

クチナシのアザミウマ

クチナシの白い花が満開で官能的な匂いが漂っている。そのクチナシの花に息を吹きかけると、花の芯から黒っぽい小さな虫がわらわらと這い出してくる。炭酸ガスに反応しているのだろうけれど、まさか口臭に反応しているんじゃないかとちょっとだけ傷ついたり…

シロアリのスウォーム撮影に失敗する

昨日4月27日、東京銀座へヤマトシロアリのスウォーム(結婚飛行)を撮りに行く。ヤマトシロアリは東京都心では例年5月の連休前後にスウォームを行っている。時間は午前10時ころから1時間弱。1年間に1度だけ、正確な発生日時は分からない。ただ前日に雨…

唐沢孝一『目からウロコの自然観察』を読む

唐沢孝一『目からウロコの自然観察』(中公新書)を読む。これがとても良かった。全体を春、初夏、夏、秋、冬と5つの季節ごとに45のテーマを立てて、テーマごとに数ページずつあてて自然観察のポイントを手際よく紹介している。すべてカラーページで、小さ…

春の彼岸の花

春の彼岸が昨日終わった。だから正確には春の彼岸の翌日の花。 ユキワリソウ(雪割草) シュンラン(春蘭) ユキワリイチゲ ベニシダレ(紅枝垂れ) ハナモモ(花桃) ハナニラ(花韮) ハラン(葉欄) ユスラウメ(山桜桃梅) トサミズキ(土佐水木) クリ…

スミレ開花

バレンタインの日にベランダのスミレが開花した。19日にはずいぶんたくさん花を開いた。 いま住んでいるベランダは南向きなのでスミレが開花する。むかし住んでいた公団住宅は西向きだったのでスミレはまったく花開かなかった。つぼみはたくさんできるが、す…

紅白図屏風と梅の木

田舎へ行って墓の掃除をしてきた。墓の隣がずいぶん前に収穫放棄された梅林だ。私の田舎は竜狭小梅という小粒の梅の品種が中心で、梅干しではなく梅漬けにされている。この梅林もその小梅なのだが、種の先端が尖っている。それが嫌われて現在は市場価値がな…

ツタの葉の形の違い

ここに2鉢のツタの小品盆栽がある。どちらも実生から育てたもので、鉢に上げて10年以上になる。同じ種類のツタだが葉の形が違っている。 左は小さな葉が3枚でひとつの葉を作っている。これは3出複葉といわれるものだろう。 右は1枚の葉になっている。掌状裂…

向島百花園の春の花を見る

昨日、東京墨田区の向島百花園へ春の花を見に行った。2か月ぶりの百花園は花がすっかり代わっていた。 ボタン:柵の向こうに咲いていて近づけないのが残念 ムラサキサギゴケ ムラサキツユクサ:飯能に住む友人の好きな花 ハナズオウ:枝から直接花が咲いてい…

ベランダの花

ベランダの鉢植えに花が咲いている。 シロバナタンポポ:意外と東京を含む関東の在来種。この花は10年以上前に墨田区の某百花園から種を採種してきたもの。いまでは近所の植え込みにも小さな群落ができている。うちのベランダから飛んで行った綿毛が芽生えた…

早春の花

ベランダのスミレも花開き、近くの旧中川の南向きの土手にも早春の花が咲き始めていた。 スミレ タンポポ ナズナ ヨモギは花ではないが草餅の摘み草にちょうど良い ホトケノザ オオイヌノフグリ 犬 ふ ぐ り ど ん な 小 さ な 虫 を 待 つ 渚男

早春の花が咲いている

昨日近所の小さな植物園に行った。福寿草が咲き始めていた。 フキノトウも芽を出している。 ユキワリイチゲが数輪咲いていた。・ 今日東銀座の公園でカワヅザクラが咲き始めていた。