ツタの葉の形の違い




 ここに2鉢のツタの小品盆栽がある。どちらも実生から育てたもので、鉢に上げて10年以上になる。同じ種類のツタだが葉の形が違っている。
 左は小さな葉が3枚でひとつの葉を作っている。これは3出複葉といわれるものだろう。
 右は1枚の葉になっている。掌状裂の浅裂ということにになるのではないか。
 こんなにも違うのにこの2つのツタは同一の種類なのだ。なぜこんなことになったのか。実は葉数の違いが葉の形の変異をつくったのだ。右の鉢のツタは枝数が少ない。強選定によって枝が少なくて、その結果、葉数も少なくなっている。右のツタは少ない葉で必要な光合成を行わなければならないために、1枚の葉の面積を大きくしてそれに対応しているのだ。
 だから今後、強剪定を改めて枝数を多くするならば、右の鉢のツタも左のツタの葉のように小葉3枚の形に変わるだろう。