2019-08-01から1ヶ月間の記事一覧

無人島プロダクションの小泉明郎展を見る

東京墨田区に移転した無人島プロダクションで小泉明郎展:映像インスタレーションとVR(ヴァーチャル・リアリティー)インスタレーションが開かれている(8月31日まで)。 映像インスタレーション「Battlelands」は、同時に2面のスクリーンを使っている。こ…

阿佐ヶ谷のけやき屋敷再開発

東京の杉並区の中央線阿佐ヶ谷駅から100メートルほどの至近距離にけやき屋敷と呼ばれている大きな屋敷がある。敷地面積10,000平方メートル、約3,000坪、1辺100メートルの正方形に近い。ここが再開発で河北病院になるという。 左隣に杉並第一小学校があるが、…

詐欺師に会った

たとうを求めて新宿の世界堂へ行ったが、注文して2週間かかると言われた。お茶の水の文房道へ行ったら3日間でできるという。それを注文してお茶の水駅まで戻った。暑い中坂道を登って行ったが、半分口を開けてぼうっとした顔をしていたのだろう。見知らぬ男…

山本弘展は明日が最終日

東京渋谷のアートギャラリー道玄坂で開かれている山本弘展も今日が6日目だった。明日25日が最終日となる。今回の目玉は30号の「種畜場」だ。山本自信の白が美しい。霧をモチーフにしたさの作品の美しさを実際に見てほしい。 ・山本弘展8月19日(月)-8月25…

山本弘の作品解説(70-2)「白い顔」

山本弘「白い顔」、油彩、F30号(91.0cm×73.0cm) 制作年不詳だが、1978年10月に飯田市で開かれた生前最後の個展に展示された。以前この作品の解説として、「題名から白い顔が描かれているのだろうが、どれが眼鼻かと考えるとよく分からない」と書いた。現在…

湊千尋『インフラグラム』を読む

湊千尋『インフラグラム』(講談社選書メチエ)を読む。インフラグラムという言葉は湊の造語で、「情報化社会のインフラとなった写真や映像」のことだという。デジタル化されて写真や映像は世界を席巻している。世界に溢れている。 港はデュシャンを参照した…

半藤一利『「昭和天皇実録」を読む』を読む

半藤一利『「昭和天皇実録」にみる開戦と終戦』(岩波ブックレット)を読む。「昭和天皇実録」を読み込んで、開戦と終戦に関する昭和天皇の関与を分析している。 軍部は日中戦争の泥沼化を打開しようと南部仏印に進駐することを企てる。天皇が各国に影響を及…

山本弘展が始まる

東京渋谷のアートギャラリー道玄坂で山本弘展が始まった(8月25日まで)。今回ベテラン画家のOさんに手伝ってもらって展示をした。私が採用したい作品をOさんが除き、私があまり評価しない作品をOさんは採用した。それはとても刺激的な体験だった。評価=好…

明日(8月19日)から山本弘展が始まる

明日(8月19日)から東京渋谷のアートギャラリー道玄坂で山本弘展が始まる(8月25日まで)。今回DM葉書に使ったのが「雪の三叉路」という私の好きな作品だが、もう1点一番好きな「川」も出品する。「川」は2004年のギャラリー汲美での個展に出品したが、その…

山本弘の作品解説(91)「(題不詳)」

山本弘「(題不詳)」、油彩、F4号(33.5cm×24.0cm) 1977年制作。何が描かれているのだろう。首があるし、角状のものも描かれている。すると鬼だろうか? では顔の前の白い三角は何だろう。 おそらくそのような理屈ではないのではないか。造形的に面白いと…

山本弘の作品解説(90)「(題不詳)」

山本弘「(題不詳)」、油彩、F6号(41.0cm×31.8cm) 1977年制作。顔が描かれているように見える。大人の顔ではないか。頭の上にちょっと離れて角にも見えるものが描かれている。画面下方にも描かれているのは象徴的に描かれた体だろうか。顔らしきもののみ…

来週8月19日から山本弘展が始まる

来週8月19日から東京渋谷のアートギャラリー道玄坂で山本弘展が始まる(8月25日まで)。そのちらしを紹介する。 表紙 裏表紙 中面 中面の図版部分 中面の文章は、こちらに書いている。https://mmpolo.hatenadiary.com/entry/2019/07/07/222758 裏表紙の図版…

加藤典洋『完本 太宰と井伏』を読む

加藤典洋『完本 太宰と井伏』(講談社文芸文庫)を読む。5月に加藤が肺炎で亡くなった。以前『敗戦後論』を読んで感心したが、それ以外加藤を読んでこなかった。いや、『敗者の想像力』は素晴らしかった。加藤の死をきっかけに何か読んでみようと本書を手に…

ギャラリーTOWEDの「腕の向き、膝の位置」を見る

東京墨田区のギャラリーTOWEDで「腕の向き、膝の位置」が開かれている(8月25日まで)。ギャラリーのホームページから、 石やパテを扱い、特徴的なマチエールを積み重ねながら宗教的な イメージや古代の印象を放つ「人型」の塑像を作り出す、大野陽生。 塗り…

猪木武徳『戦後世界経済史』を読む

猪木武徳『戦後世界経済史』(中公新書)を読む。ドナルド・キーンが本には索引が必須と言っていた。索引をみれば、自分に必要な本かどうかが分かるからと。本書の人名索引で「マルクス」を探した。載っていなかった。事項索引には「マルクス主義」が1点だけ…

美術評論家3人が亡くなった

6月からふた月ばかりの間に3人の美術評論家が亡くなった。6月2日にワシオ・トシヒコさん(75歳)が、6月3日に本江邦夫さん(70歳)が、そして8月5日に名古屋覚さん(51歳)が亡くなった。ワシオさんと本江さんが心筋梗塞、名古屋さんは自分ですい臓がんだと…

「福岡伸一の動的平衡」で語られた獲得形質の遺伝

朝日新聞に連載されている「福岡伸一の動的平衡」というコラムに獲得形質の遺伝について書かれている(2019年8月8日朝刊)。最初に「獲得形質は遺伝しない」。これは現代生物学の基本的原則である。しかしこれが、だった、と過去形に書き換えられつつある。…

半藤一利、塚本やすし・絵『焼けあとのちかい』を読む

半藤一利、塚本やすし・絵『焼けあとのちかい』(大槻書店)を読む。半藤の書いた絵本、子ども向けの本、50ページ未満の薄い絵本に感動した。 半藤は89年前に東京向島で生まれた。小学校5年生のとき、日本が英米と戦争を始めた。その後の具体的な戦況は語ら…

コバヤシ画廊の太田三郎展「折鶴焼」を見る

東京銀座のコバヤシ画廊で太田三郎展「折鶴焼」が開かれている(8月17日まで)。太田は1950年山形県生まれ。1971年に鶴岡工業高等専門学校機械工学科を卒業している。1980年よりシロタ画廊をはじめ個展を多数開いている。 今回のテーマは「折鶴焼」。長崎原…

北大路公子『苦手図鑑』を読む

北大路公子『苦手図鑑』(角川文庫)を読む。脱力系エッセイというのだそうだ。裏表紙の惹句から、 電話でカジュアルに300万の借金を申し込まれ、ゴミ分別の複雑さに途方に暮れ、扇風機との闘いを放棄し、食パンの耳に翻弄される……。キミコさん(趣味・昼酒…

世界最小というアートコンプレックス「文華連邦」がオープンした

東京墨田区に先月(7月)、世界最小というアートコンプレックス「文華連邦」がオープンした。そのオープン記念展「Good Morning Japan-おはようにっぽん」が7月27日から今日(8月4日)まで開かれていた。 文華連邦はアートコンプレックスを自称するとおり、…

岡村秀典『鏡が語る古代史』を読む

岡村秀典『鏡が語る古代史』(岩波新書)を読む。中国の前漢の頃から後漢、三国時代~晋の建国頃までの古代の銅鏡の精密な歴史を辿っている。それは驚くほど詳細を極め、2000年以上もの過去の鏡の製作者たちとその流れを追っている。 いままで古代の銅鏡の歴…

西東三鬼『俳愚伝』を読む

西東三鬼『俳愚伝』(出帆社)を読む。正確な書名は『神戸・続神戸・俳愚伝』というのだが、「神戸・続神戸」は先日新潮文庫で読んだので、それ以外の収録作を読んだ。 西東三鬼は戦前京大俳句会で特高に連行されて検挙され、起訴はされなかったものの不起訴…

eitoeikoの石垣克子個展「基地のある風景II」を見る

東京神楽坂のeitoeikoで石垣克子個展「基地のある風景II」が開かれている(8月4日まで)。石垣は1967年沖縄県石垣市生まれ、1991年沖縄県立芸術大学美術工芸学部美術学科絵画専攻を卒業、1997年に初個展を行い、その後県内外での個展を40回以上行っている。 …