2007-07-01から1ヶ月間の記事一覧

ホンダのオートバイ開発、また可能意識という概念

だいぶ前の話だが、ヤマハのオートバイSR400が売れていた。古いタイプのオートバイでエンジンの数も1個だけの単気筒、4サイクル、排気量400ccという仕様。エンジンのマウントも直立に近い古い設計だ。今はもちろんエンジンが4つのいわゆるマルチが全盛、…

ドイツの哲学者ヘリゲルの伝える日本の弓道

アンリ・カルティエ=ブレッソンの写真展を東京国立近代美術館で見た。ブレッソンは戦後日本にも取材旅行に来ている。ドイツの哲学者ヘリゲルの「弓と禅」を読んで日本への関心を持ったのだという。ヘリゲルは戦前日本に招かれて東北帝国大学で哲学を講義し…

島崎今日子「この国で女であるということ」

島崎今日子「この国で女であるということ」(教育史料出版会:現在ちくま文庫)を読む。「アエラ」に連載されている「現代の肖像」というインタビューのうち、島崎が執筆した分をまとめたもの。桃井かおり、林真理子、白石加代子、内田春菊、山本容子など21…

草間弥生の表現は女性特有だ

東京都現代美術館で草間弥生の大回顧展が開かれたことがある。壁から天井から一部屋全部に水玉模様が描かれ、別の部屋では網目模様が描かれていた。草間ワールドだ。 美術館では展示室の隅に一人ずつ監視役みたいな職員が座っている。上述の草間ワールドの部…

男と女の大きな違い

昭和40年会という現代美術のグループがある。昭和40年(1965年)生まれのアーティストたちのグループで、ときどきグループ展をやったりしている。会田誠、大岩オスカール幸男、パルコキノシタ、土佐正道、小沢剛、松陰浩之等々がそのメンバーだ。 彼らが「晴…

AD経験者は絶対にお買い得、新卒が使いやすい話

求人の募集をして入って来たのは、それまでテレビ局の下請けの制作プロダクションに勤めていた女性だった。外語大学でヒンズー語を専攻し新卒で制作プロダクションに入ったのだという。1年間AD(アシスタントディレクター)をやってきたが、大変なので転職…

ネガフィルムとポジフィルムの大きな違い

ちょっと古い分野かもしれないが、写真のフィルムの話。娘が小学生の頃、明後日クラスの発表で使いたいからお相撲の切手を写真に撮ってと言う。翌日の昼休み、チャチャっと撮影した。もちろん接写のセットを準備して、普通のカラーネガで。失敗している時間…

辛い料理への嗜好

司馬遼太郎の「街道をゆく」20巻「中国・蜀と雲南のみち」に四川省の人が唐辛子を好むというくだりがある。 私はかつて北京で四川出身のスポーツマンに会ったことがある。彼は北京じゅうの唐辛子を集めて食えといわれても私は大よろこびするばかりです、と冗…

良いナビゲーター、あるいは造反有理

私は車の運転免許を持っていなかったので、車で出張するときはいつも助手席に座ってナビゲーターを勤めた。我ながら良いナビゲーターだったと思う。今のようにカーナビなんてなかったので、知らない土地では地図を見続けていた。しかし突然予測していないY字…

男と女の流行感覚の大きな違い、その他のことども

以前クライアントの依頼で女の子を使ったポスターを作ったとき、予算がなかったので有ネガを使った。有ネガというのは、カメラマンがあらかじめ撮影した写真をフォトエージェンシー(写真貸出業者)に預けてあるもの。ネガといいながらすべてポジ(最近はデ…

ギャラリー椿の夏目麻麦展、日本の絵画バブルについて再び

東京京橋のギャラリー椿で開催されている夏目麻麦展を見た(7月18日〜31日まで)。とても良かった。始まって2日目なのにもうほとんどが売れていた。おそらく完売するだろう。彼女の初個展は1998年の銀座のギャラリーQだった。最初から良かった。西瓜糖とポ…

女性用下着、エリザベス会館、フォトグラファーズギャラリー、新宿2丁目の男の子たち

ゴルフの景品だったか、ホワイトデーのプレゼントだったか、ランジェリーショップへ女性用の派手なパンツ(ショーツ、パンティ)を買いに行ったことがある。レジへ持っていくと店員に聞かれた。贈り物ですか、ご自分でお使いですか? 私は女装趣味はない。ま…

マクルーハン:メディアはメッセージ

もう何年も前になるがカナダの文明批評家マーシャル・マクルーハン(1911-1980)のメディア論が一世を風靡したことがあった。「水平思考」とか「メディアはメッセージである」とか。当時著書を読んでよく分からなかったのだが、後年広告代理店に勤めていたと…

鉄の壁は幸せか?

先日、川崎洋の詩「鉛の塀」を紹介した。id:mmpolo:20070714 言葉は 言葉にうまれてこなければよかった と 言葉で思っている そそり立つ鉛の塀に生まれたかった と思っている では「言葉」が憧れた鉛の塀の気持はどうだったのか。アメリカのミニマル・アート…

ペーター佐藤というイラストレーター

ペーター佐藤というイラストレーターがいた。1945年に生まれて1994年に48歳で亡くなった。ミスタードーナッツのポスターやタレントなどをエアーブラシやパステルで描いていて人気があった。 一度ペーター佐藤にイラストの仕事を依頼したことがあった。現在ペ…

本の奥付に関する衒学的考察などなど

本の最後のページに書名や著者名、発行所などが印刷してあるが、これを奥付という。普通は発行日、著者名、発行所、印刷所などが記してある。本によっては、さらに印刷日、発行者(発行所の社長名)なども併記されている。昔は印刷者(印刷所の社長名)も記…

詩2題、川崎洋と谷川俊太郎

鉛の塀 川崎 洋言葉は 言葉にうまれてこなければよかった と 言葉で思っている そそり立つ鉛の塀に生まれたかった と思っている そして そのあとで 言葉でない溜息を一つする ほん 谷川俊太郎ほんはほんとうは しろいかみのままでいたかった もっとほんとの…

女性の胸のサイズと偏差値の関係

女性の胸のサイズと学力を表す偏差値には共通点がある。まさか胸の大きな女性は偏差値が低いなどとお馬鹿なことを言うのではない。実際、胸が大きくて頭の良い女性を二人は知っている。いや彼女たちの胸を直接見たわけではないが。 まず学校教育に試験結果を…

田中未知「寺山修司と生きて」(新書館)を読んで

田中未知「寺山修司と生きて」(新書館)を読んだ。数多ある寺山修司論の中でもこれは白眉だ。私は数冊の寺山修司論を読んでいるに過ぎないが、仮にこれ1冊しか読んでなくてもそのことは断言できる。 著者の田中未知は20歳のとき寺山に会った。その時寺山は…

説得力について

C社というデザイン会社に時々デザインを外注していた。そこの佐々木さんという社長はきわめて説得力に優れた方だった。 以前M社という大企業に依頼されて、これは社内のデザイナーを使ってM社の海外向け新製品のロゴタイプをデザインしたことがあった。商品…

女性の顔は美しい

女性の顔について書いてみる。男が女性に会ったとき、一般に特別な美人以外は初対面で顔が気に入ることは少ないと思う。むしろたいてい違和感を覚えるものなのだ。ところが何度も会ったり見たりしていると、その顔に慣れてくる。慣れてくれば違和感はなくな…

東京上野の文化度は高いか低いか

最近大きなレコード屋というのかCDショップというのかが増えている。タワーレコード、HMV、ヴァージン、あと何があったっけ。いずれも店の面積が広く、多くの種類のCDが並んでいる。 さて東京上野である。東京文化会館という古くからのクラシックのコンサー…

岩波書店など、出版社の労働環境

だいぶ前になるが、岩波書店が梅棹忠夫の本を初めてDTPで作ったとき、経費が節減できて本の定価を2割安くできたと話題になった。編集担当者の講演があったので話を聞いてきた。(DTPとは活版や写真植字ではなく、コンピューターを使って本を作ること) ワー…

自費出版した本がなぜ書店に並ばないか

共同出版方式で自費出版した本がほとんど書店に並ばなかったと出版社を訴えた著者が話題になっている。なぜ並ばないか、書店と出版社の関係があまり知られていないと思う。 まず書店に並んでいる本のほとんどは書店のものではない。書店は出版社から預かって…

輸入は8倍が常識、つまり原価はたったの1/8

中小企業専門の税理士を知っていた。税理士は仕事の関係で経営者と直接話し合う。経営者の趣味の話も出るだろう。税理士の彼は、中小企業の経営者たちからヨーロッパへ行っていろいろの品物を買い付けてくることを依頼される。あるいは彼が積極的に注文を取…

映画カメラマンの不思議な常識

映画監督の今村昌平と仕事をしたカメラマンSさんの話を聞いたことがある。彼は「神々の深き欲望」でカメラマンをした。何人ものカメラマンがいて、何番目の階級かは聞き漏らした。日本では末端の助手から始まってだんだん出世していく。最初は三脚運びの役だ…

画廊といってもいろいろな種類がある

画廊=ギャラリーといってもいろいろある。普通、画廊というと企画画廊が代表的だ。画廊が自分のリスクで画家を選び展覧会を企画する。費用はすべて画廊の負担、絵を販売して利益をあげる。もちろん画家にも画料として還元する。 それから貸画廊、画廊は場所…

日本酒は鮮度が大事なのだ

山廃仕込みの酒がうまいと書いてあった日本酒の本を読んだ後、たまたま日本酒銘酒会に入っている近所の酒屋に行って、その酒があるかと聞いた。すぐ、あるよと言って冷蔵庫の中から一升瓶を取りだした。店主が瓶を光に透かした後、50円くらい引いてくれた。…

先崎学「小博打のススメ」はすごい

私は競馬もパチンコも麻雀もしない。若いころ勤めていた職場では、博打が流行っていた。ちんちろりん、丁半、おいちょかぶ、この内おいちょかぶだけやった。少しだけだが。 プロ棋士の先崎学八段は博打が好きらしく、「小博打のススメ」(新潮新書)という本…

男言葉・女言葉

もう20年くらいになるだろうか。山梨県で幼児誘拐事件があって、女性を名乗る犯人からの脅迫状が届き、それをを分析した言語学者が、犯人は男ですと言った。脅迫状に「〜と踏んだ〜」という表現があったのだ。詳細は忘れたが例えば「多少泥臭いほうが信頼が…