東京上野の文化度は高いか低いか

 最近大きなレコード屋というのかCDショップというのかが増えている。タワーレコードHMV、ヴァージン、あと何があったっけ。いずれも店の面積が広く、多くの種類のCDが並んでいる。
 さて東京上野である。東京文化会館という古くからのクラシックのコンサートホールがあり、ほかにも奏楽堂という古いコンサートホールがある。美術館や博物館、動物園、上野公園と各種文化施設がそろっている。国際こども図書館もオープンした。CDショップはHMVがABAB(アブアブ)のビルに入っていた。しかしこの6月で閉店してしまった。
 閉店してしまった上野のHMVにはクラシック売り場がなかったのだ。そんなに広い店ではないからということなのだろうけど、それにしてもなかったのだ。一応天下のHMVなのに。演歌はあっただろうか? 上野には他に大きなCDショップはない。そういえば大きな書店もない。
 HMVにしろ大きな書店にしろ、出店を企画したときちゃんと市場調査をするだろう。その結果としてHMVは上野店にクラシックを並べないし、大きな書店は出店を取りやめたのではないか。上野にはクラシックのCDを買う客や本を買う客が少ないと判断されたのだろう。文化度が劣っている街だと。
 舐められたのだろうか、見抜かれたのだろうか。


 HMVの入っていたABABというファッションビルの新装開店を覚えている。昭和42年だった。地下鉄の車内のポスターに、「都会の砂漠に何たらかんたら、いま甦る赤札堂」とあって、ABABの元は赤札堂なんだと思ったこと。その赤札堂は下町を中心に展開している安売りのスーパーで、上野池之端の中華料理店東天紅と富士サファリパークとも同一資本の会社だ。
どんな共通項があるのだろう。