2014-07-01から1ヶ月間の記事一覧

「ギャラリー椿オークション2014」が始まる

今年も8月2日から京橋のギャラリー椿で恒例のオークションが始まる。 オークションは8月2日(土)、3日(日)、4日(月)、5日(火)の4日間。誰でも自由に入札できる。出品点数が500点以上も予定されている。ギャラリー椿は銀座・京橋地区でも特に…

野長瀬正夫詩集を読み直す

野長瀬正夫詩集『夕日の老人ブルース』(かど創房)を数年ぶりに読み直した。野長瀬の詩は楽しい。詩人は明治39(1906)年奈良県十津川村生まれ、出版社"金の星社"編集長を経て昭和59(1984)年に亡くなる。享年78歳。ユーモアたっぷりの詩を書いている。 旅…

山本弘の絵について教わった

最近、銀座のギャラリー403で山本弘展を行った。毎日会場に出勤して多くの方々に山本の作品について話をした。見に来てくれた友人から、お前は山本さんの絵について、作品の意味や成り立ちなんかを話していたね、それが重要だって考えているのかと訊かれ…

埼玉県立美術館の荒川修作

JR京浜東北線北浦和駅からすぐの埼玉県立美術館の常設展「MOMASコレクション(II)」で荒川修作が取り上げられている。1室が与えられ、「読むように見ること−−荒川修作の絵画」と題されている。大きな作品が7点展示されているが、3点が60年代制作の「ダイア…

西部忠『貨幣という謎』という優れた書

西部忠『貨幣という謎』(NHK出版新書)を読む。副題が「金(きん)と日銀券とビットコイン」というもの。優れた貨幣論だ。 毎日新聞の書評で松原隆一郎が紹介していた(2014年6月29日)。 (前略)貨幣とはみながそれを貨幣だと思うから貨幣なのだという貨…

変わったメッセージ

お願い 過日、男性用トイレにおいて、悪質な「いたずら」が発生いたしました。 個室の便器にペーパーを大量に詰まらせ、 故意に使用不能にし、男性のお客様に 女性用トイレの使用を促すものです。 そうして騒ぎをおこし、その様子を楽しむ愉快犯の可能性が考…

『スキャンダル戦後美術史』を読む

大宮知信『スキャンダル戦後美術史』(平凡社新書)を読む。8年前の2006年初版発行だが内容はあまり古びてはいない。戦争画を描いた画家たちの問題、贋作騒動、読売アンデパンダン展の評価、絵画バブル、叢生した地方美術館のその後、美術大学の問題点など…

東京オペラシティアートギャラリーの「絵画の在りか」を見る

東京オペラシティアートギャラリーで「絵画の在りか」が開かれている(9月21日まで)。展覧会のちらしによると、 本展は、2000年以降に活躍する(若手ペインター)24名の近作、新作合わせて約120点によって、最新の動向を紹介するとともに、今日の絵画表現…

藍画廊の立原真理子展「−庭と川−」を見る

東京銀座の藍画廊で立原真理子展「−庭と川−」が開かれている(8月2日まで)。毎年、銀座〜京橋周辺の現代美術の画廊が企画している「画廊からの発言−新世代への視点」の今年、藍画廊は立原真理子を選んだ。立原は1982年茨城県生まれ、2006年に女子美術大学…

ギャラリーなつかの古井彩夏展を見る

東京京橋のギャラリーなつかで古井彩夏展が開かれている(8月2日まで)。毎年、銀座〜京橋周辺の現代美術の画廊が企画している「画廊からの発言−新世代への視点」の今年、ギャラリーなつかは古井彩夏を選んだ。古井は1988年東京都生まれ、2011年に女子美術…

山本弘展最終日と「画廊からの発言−新世代への視点2014」初日

今日はギャラリー403の山本弘展最終日であり、「画廊からの発言−新世代への視点2014」初日だ。 7月15日から始まった山本弘展も、1週間が過ぎいよいよ最終日を迎えることになった。多くの方に来ていただいて嬉しく思う。長野県飯田市に住む未亡人が体調…

河合隼雄の語る夫婦というもの

河合隼雄×村上春樹『村上春樹、河合隼雄に会いにいく』(新潮文庫)を読む。ここで河合隼雄が夫婦について語っている。 村上 おたずねしてみたかったのですけれど、夫婦というのは一種の相互治療的な意味はあるのですか。 河合 ものすごくあると思います。だ…

ネジバナというラン

ネジバナが咲いていた。ネジバナは別名モジズリ、ラン科の植物だ。シランについで最も栽培のしやすいランだろう。園芸店でも売られているが、しばしば芝生に自生している。芝生に多いのは、ラン科植物は生育にラン菌ともいう菌根菌が必要で、そのラン菌がイ…

岩波ブックレット『非核芸術案内』を読む

岡村幸宣『非核芸術案内』(岩波ブックレット)を読む。ブックレットシリーズなので64ページしかない。副題が「核はどう描かれてきたか」。岡村幸宣は原爆の図丸木位里美術館の学芸員。 4つの章で構成され、「原爆を表現する」「第五福竜丸の被ばくと原発」…

山本弘展、開催中

東京銀座のギャラリー403で15日から山本弘展が始まった(7月21日まで)。今回、画廊の店番も担当しているので、お客さんが来なかったら本を読んで時間をつぶそうと思っていた。まさか1日に2冊読むほど暇ではないだろう、いや足りないかもしれないなど…

『エロマンガ・スタディーズ』を読む

永山薫『エロマンガ・スタディーズ』(ちくま文庫)を読む。エロマンガはエロ漫画だ。その歴史を分析している。著者は非常に真面目で実証的だが、対象がエロ漫画だから、内容はきわめて過激だ。図版が少なからず掲載されているが、文庫という制約もあってと…

今日7月15日、山本弘展が始まる

今日から銀座のギャラリー403で山本弘展が始まる(7月21日まで)。そして今日は山本弘33年目の祥月命日なのだ。1981年のこの日山本弘は51歳で亡くなった。私が19歳、山本さんが37歳の時に初めて会って14年間の付き合いだった。正確にはリアルな14年間の…

辻原登『東京大学で世界文学を学ぶ』を読む

辻原登『東京大学で世界文学を学ぶ』(集英社文庫)を読む。芥川賞作家の辻原が東京大学で講義をしたものを書籍にしたもの。ゴーゴリから始まって、二葉亭四迷、辻原の書いたパスティーシュ、辻原の選んだ短篇小説集からボルヘス、フリオ・コルタサル、そし…

『ミステリマガジン700【海外篇】』を読む

杉江松恋・編『ミステリマガジン700【海外篇】』(ハヤカワ・ミステリ文庫)を読む。副題が「創刊700号記念アンソロジー」で、早川書房のミステリ雑誌『ミステリマガジン』の創刊700号を記念した傑作短篇集という優れもの、と思って読んでみた。 1956年に『…

山本弘の作品解説(43)「鳥(仮題)」

山本弘「鳥(仮題)」油彩、F4号(33.3cm×24.2cm) 水色で描かれているのが飛んでいる鳥だ。その下の緑色の逆V字の山型やバツは何だろう。樹木とか草原を表しているのだろうか。上の方にも引っ掻いたようなバツがある。 飛んでいる鳥の背景の色彩がすばらし…

山本弘の素描「風越山」

山本弘の素描「風越山」。230mm×320mm、紙に鉛筆で描いている。右下に「66. 4」とあるから、1966年4月に描かれたのだろう。山本弘35歳、すでに脳血栓の後遺症で手足が不自由になっている。しかし、量塊の把握はみごとなもので、線が生きている。 風越山は長…

十一月画廊の黒田阿未展を見る

東京銀座の十一月画廊で黒田阿未展「揺れるスカートの記憶」が開かれている(7月19日まで)。黒田は1991年、富山県生まれ。2013年に東北生活文化大学生活美術学科を卒業し、2014年に同大学研究生を終了している。2013年に仙台市の画廊で初個展、今回が2回…

山本弘への評価

ギャラリー403で山本弘展を開催するにあたり、過去の個展で書いていただいた展評の抜粋を紹介する。 針生一郎「無頼の画家 山本弘の現代性」(読売新聞1994年7月28日夕刊より) (……)むろん芸術家の生活がどんな内的苦悩にみちていようとも、作品はそれ…

山本弘展に寄せて

東京銀座のギャラリー403で、来週7月15日から山本弘展が開かれる(7月21日まで)。山本弘を知る人は多くはないと思われるので、個展を企画した不肖の弟子たる私が個展会場に置くために「山本弘展に寄せて」という小文を書いた。 "虚無の画家" "風狂無頼…

鬼海弘雄『世間のひと』を見る

鬼海弘雄『世間のひと』(ちくま文庫)を読む〜見る。鬼海が40年にわたって撮影した世間のひと=普通の人のポートレイト集。鬼海は浅草寺の境内で、長年にわたってハッセル・ブラッドというブローニー判のフィルムを使う中型カメラで道行く人のポートレイト…

「悩みのるつぼ」に相談を寄せた70代女性

朝日新聞の人生相談欄「悩みのるつぼ」に70代の女性が相談を寄せた(2014年7月5日)。タイトルが「こんな年で恥ずかしながら」となっている。回答者は経済学者の金子勝。 70歳に足を踏み入れた女性です。5年前に夫に先立たれて一人暮らし。2人の息子も家…

山本弘の素描「裸婦」

山本弘の素描「裸婦」。230mm×320mm、紙に鉛筆で描いている。いつぐらいに描かれた素描なのか。おそらく35歳以後、脳血栓を患って手足が不自由になってからのものだ。 でも、これを見ると不自由な手とは何だろう。背中から尻にかけての1本の線が見事な量感…

吉本隆明『日本語のゆくえ』を読む

吉本隆明『日本語のゆくえ』(光文社)を読む。東京工業大学で「芸術言語論」講義として発表したのを書籍化したもの。4つの章が「芸術言語論の入口」「芸術的価値の問題」「共同幻想論のゆくえ」「神話と歌謡」となっており、最後の第5章が「若い人たちの…

みゆき画廊の深沢軍治展を見る

東京銀座のみゆき画廊で深沢軍治展「− 地上のことIII −」が開かれている(7月12日まで)。深沢は1943年山梨県生まれ、毎年精力的に個展を開いていて、5月にも銀座の画廊宮坂で小品展を開いたばかりだ。 とても人気のある画家で、みゆき画廊の画廊主牛尾さ…

ギャルリー志門の作宮隆展が興味深い

東京銀座のギャルリー志門で作宮隆展「−ハナスミ−」が開かれている(7月5日まで)。これがとても興味深い。 作宮は1954年、石川県金沢市生まれ。1978年に金沢美術工芸大学商業デザイン科を卒業している。卒業後、日本デザインセンターや第一企画など一流広…