2014-02-01から1ヶ月間の記事一覧
東京外苑前のトキ・アートスペースで渡邊拓也展〈ニチジョウノサケメ〉が開かれている(3月2日まで)。渡邊は1990年生まれ、今年多摩美術大学工芸学科陶専攻を卒業予定。学内外のグループ展には参加してきたが、今回が初個展となる。 画廊に足を踏み入れる…
東京の渋谷区立松濤美術館で「ハイレッド・センター:直接行動の軌跡展」が開かれている(3月23日まで)。ハイレッド・センターとは、高松次郎、赤瀬川原平、中西夏之の3人の頭文字の漢字「高・赤・中」の英訳「high-red-center」を意味する。1960年代に銀…
東京京橋のギャラリイKで小野サボコ展が開かれている(3月1日まで)。小野は京都精華大学美術学部版画専攻を卒業し、現在研究科1年らしい。2009年から神戸を中心に大阪や東京で個展を開いている。今回のギャラリイKでの個展は2012年に続いて2回目となる…
西村義樹・野矢茂樹『言語学の教室』(中公新書)を読む。副題が「哲学者と学ぶ認知言語学」というもの。認知言語学なんて本書で始めて知った。これはチョムスキーの生成文法に対する批判から80年代に生まれた新しい言語学とのこと。認知言語学者の西村に哲…
墨田区の小村井香取神社で梅まつりが行われている。香取神社と梅の組み合わせが不思議だが、これは江戸時代、近くに梅屋敷があったことによる。近くにあったとは言うものの、実際は北十間川の南岸、江東区亀戸で、むしろ江東区の香取神社が近いのだ。明治に…
東京竹橋の東京国立近代美術館で工藤哲巳回顧展「あなたの肖像」が開かれている(3月30日まで)。工藤哲巳は1935年大阪生まれ、1987年に母校の東京芸術大学の教授に就任したが、3年後の1990年に55歳で亡くなっている。前衛美術の世界では非常に重要な作家…
ソーントン不破直子『戸籍の謎と丸谷才一』(春風社)を読む。変な題名だ。なぜ「丸谷才一と戸籍の謎」ではないのだろう。読み進めればソーントン不破に日本の戸籍制度への強い違和感があることが分かる。国際結婚をしている経験から、普通の日本人が気づき…
野見山暁治『やっぱりアトリエ日記』(生活の友社)を読む。月刊誌『美術の窓』に連載したもので、2011年4月から2013年10月までの日録が収録されている。「アトリエ日記」は2003年9月22日から書き始められ、今回でちょうど10年になったという。既刊の3冊…
『吉行淳之介全集』(新潮社)の第11巻は「全恐怖対談」と題されていて、恐怖対談シリーズ4篇が収録されている。その内の「恐・恐・恐怖対談」に森繁久彌との対談が収録されている。その森繁が語る中国の纏足女性との結婚式の話が驚きだった。 戦前の中国に…
東京銀座のギャラリー銀座フォレストで立澤香織個展が開かれている(2月22日まで)。立澤は1986年福島県生まれ、女子美術大学を卒業している。2010年よりさまざまなグループ展に参加した後、2011年にこのギャラリー銀座フォレスト・ミニで初個展をしている…
堀尾真紀子『女性画家10の叫び』(岩波ジュニア新書)を読む。ジュニア新書、ヤングアダルト向けに少しやさしく書かれている。200ページの小さな本に10人の女性画家が、作品の特徴と簡単な生涯についてあわせて紹介されている。取り上げられた画家は、三岸節…
みゆき画廊で酒匂譲個展〈油彩・水彩〉が開かれた。酒匂は1930年鹿児島県生まれ、1953年に東京藝術大学油絵科を卒業し、1955年に同専攻科を終了している。はじめサヱグサ画廊で個展を開いた後、パリで個展をし、1976年からはこのみゆき画廊で毎年個展を開い…
高橋源一郎の説く靖国神社問題が興味深い。朝日新聞の「論壇時評」で高橋源一郎が書いている(1月30日)。 安部晋三総理大臣が去年の暮れ、現役総理としては7年ぶりに靖国を参拝し、大きな波紋を呼んだ。それから、ほんの少し前、新たにNHKの会長になった…
『吉行淳之介全集』(新潮社)の第11巻は「全恐怖対談」と題されていて、「恐怖対談」「恐怖・恐怖対談」「恐・恐・恐怖対談」「特別恐怖対談」の4篇が収録されている。対談相手は全部で40人。12年間に渡って雑誌『別冊小説新潮』『小説新潮』に連載された…
ここ何日か本ブログへのアクセス数が増えていた。どうしたのかとアクセス解析を見たら、ほとんど2007年5月14日のページに集中している。この日は亡くなった武満徹に対する吉松隆の批判を引用していた。 なんで今これが話題になっているのか。改めて読んでみ…
東京千代田区紀尾井町のニューオータニ美術館で野見山暁治展が開かれている(3月23日まで)。赤坂見附駅からすぐ近くのホテルニューオータニ ガーデンコート ロビィ階(6階)にある美術館だ。一流ホテルだが、私のような貧相な服装でもとく咎められること…
高校の時の親友が清水邦夫のファンだった。高校を卒業してしばらく経ってから、彼に勧められて清水の『狂人なおもて往生をとぐ』を読んだ。よく分からなかった。ついで清水の処女作『署名人』を読んだ。これまたなにが面白いかよく分からなかった。 初めて清…
東京国立近代美術館の常設展で興味深い作品を見た。とくにその解説が印象深かった。こんな風に解説してくれれば、作品がずっと身近になるだろう。 津田青楓「犠牲者」1933年、油彩 この作品は、1933年(昭和8年)の小説家小林多喜二(1903−1933)の虐殺に触…
井上ひさし『自家製 文章読本』(新潮社)を読む。いろいろ教えられてとてもためになった。『文章読本』というテーマは何人もの大文豪たちが執筆している。谷崎潤一郎、川端康成、三島由紀夫、丸谷才一、中村真一郎、中条省平等々があげられる。この他斉藤美…
東京新宿の損保ジャパン東郷青児美術館で「クインテット−五つ星の作家たち」展が開かれている(2月16日まで)。そのちらしから。 国内外の美術展企画展などで作品を発表している作家5人を選び、「クインテット」(五重奏)と題するシリーズ展覧会を開催い…
今朝から急に雪になった。予報では東京で20年ぶりの大雪が心配されている。ここ数日、立春を過ぎた東向きの旧中川の土手では早春の草花が咲いていた。 タンポポ。確認してないが、おそらく外来のセイヨウタンポポだろう。 ホトケノザ。仏の座。在来種。よく…
東京港区のトキ・アートスペースでサクサベ ウシオ展「浮かされた石と鉄2014」が開かれている(2月9日まで)。サクサベは秋田県生まれ、1979年東京造形大学彫刻科を卒業し、1981年多摩美術大学大学院美術研究科を修了している。1983年以来、神田、銀座、横…
東京京橋のギャラリー檜plusで岡部貴子展が開かれている(2月8日まで)。岡部は1977年、兵庫県生まれ。2000年に大阪芸術大学を卒業、2002年に大阪芸術大学大学院を修了している。2005年から大阪の番画廊で個展を繰り返している。ギャラリー檜では2011年に…
一昨年の暮れに浅井元朗『身近な雑草の芽生えハンドブック』(文一綜合出版)が発行された。本書は、芽生えの段階で雑草の種類を同定するための小さな図鑑だ。新書判サイズの大きさで、120ページという薄さ。薄いということは軽くて持ち運びに便利だというこ…
『吉行淳之介全集』(新潮社)の第11巻は「全恐怖対談」と題されていて、「恐怖対談」「恐怖・恐怖対談」「恐・恐・恐怖対談」「特別恐怖対談」の4篇が収録されている。対談相手は全部で40人。その「恐怖対談」に淀川長治が登場する。 淀川 あのね、7、8…
1990年に朝日新聞社から発行された淀川長治『銀幕より愛をこめて』に「土人」の言葉が使われている。ヴァン・ダイク監督の映画『南海の白影』について、冒頭で船が難破して、波の音がし、そこへタイトルが出て、波の音が重なってザザァーン。 と思って見てい…
淀川長治『淀川長治の美学入門』(マドラ出版)からいろいろ教わった。やはりこの人はただ者じゃない。今回は「愛」について。 本当の愛というのは、10人の男、10人の女を知ったうえで、1人の男、1人の女を好きになること。なんの経験もなく、なんの失敗も…
笠井献一『科学者の卵たちに贈る言葉』(岩波科学ライブラリー)を読む。副題が「江上不二夫が伝えたかったこと」とあり、江上不二夫をWikipediaで検索すると、 江上 不二夫(1910年11月21日 - 1982年7月17日)は日本の生化学者。戦後日本の生化学を牽引した…