2013-03-01から1ヶ月間の記事一覧
井上ひさしの『私家版 日本語文法』(新潮文庫)がおもしろい。私家版というように、文法の定説にとらわれず、しかし説得力のある自説が展開される。 漢字の制限に対して、漢字の造語能力を挙げてそれを擁護する。また関東から南奥羽地方にかけて無敬語地域…
吉田秋生『海街diary 5 群青』(小学館フラワーズ コミックス)を読む。最近本書が、マンガ好きの書店員、同志らが中心となって選ぶ『マンガ大賞 2013』に選ばれた。私は1巻からこの5巻までずっと読んでいるが、今一番興味がある。吉田秋生といえば、『BAN…
東京京橋のギャラリー椿で夏目麻麦展を見る(4月6日まで)。夏目は1971年生まれ、1998年に多摩美術大学大学院を修了している。その年にギャラリーQで初個展、以後ベルギーや東京の西瓜糖、藍画廊、Porte de Paris、ギャラリー椿などで個展を行っている。現…
資生堂主催の「第7回shiseido art egg(シセイドウ アートエッグ)展」が開かれている(3月28日まで)。これは「発表の場を求める新進アーティストの皆さんに、ギャラリーの門戸を広く開く公募制のプログラムです」というもの。 第7回となる本年度は、全…
3月24日に撮影した花。 イカリソウ、メギ科。 い か り 草 花 が こ ん が ら か つ て い る 清崎敏郎 フヨウカタバミ(芙蓉酢漿草)、明治に入ってきた帰化植物。 白ツバキ。 斑入りツバキ、実はウイルス病罹病株。 アセビ(馬酔木)。 馬 酔 木 よ り 低…
上野の森美術館でVOCA展を見る(3月30日まで)。VOCA展は「全国の美術館学芸員、ジャーナリスト、研究者などに40歳以下の作家の推薦を依頼し、その作家が平面作品の新作を出品するという独自の方式により、毎回、各地から新しい才能を紹介してき」たという…
以前、硬貨巻きの仕事をしたことがある。バラの硬貨を50枚ずつ束ねて棒状にする仕事だ。棒状にするのは専用の機械でするのだが、袋に入っている硬貨をその機械の口まで持ち上げて入れるのは人の手でしなければならない。その機械の口まで1メートルほどあろ…
ベランダのスミレとシロバナタンポポが咲き始めた。 すみれはタチツボスミレだろうか? シロバナタンポポももうすぐ満開になる。左下はスミレの咲き終わったもの。
デイヴィッド・ゴードン『二流小説家』(ハヤカワ文庫)を面白く読む。『ミステリが読みたい!』『このミステリーがすごい!』『週刊文春ミステリーベスト10』のいずれも海外部門で1位を獲得したという評判の高いもの。 タイトルの由来は、主人公の作家がそ…
朝日新聞のコラム「TVダイアリー」に坂下千里子が「姉の不思議なパワー」という題でエッセイを書いている(3月17日)。 私は、高校生だった1994年、アルペンスキーのCMオーディションでグランプリを受賞し、芸能界入りしました。受賞直後、私は京都の実家に…
東京銀座のガルリSOLで松尾玲央奈展が開かれている(3月23日まで)。松尾は1984年福岡県生まれ、昨年女子美術大学大学院博士後期課程を修了した。ガルリSOLでは女子美術大学を卒業した2007年の初個展から今回で6回目になる。 今回の個展が今までと違うのは…
東京都江東区の木場公園近くのANDOギャラリーの中沢研展「30組」が興味深い(4月27日まで)。中沢は1970年東京生まれ、1994年に多摩美術大学大学院美術研究科絵画専攻を修了している。1992年にINAXギャラリー2で個展を開いた後、ギャラリー現やギャラリー山…
東京銀座の銀座ニコンサロンで北島敬三写真展「PLACES」が開かれている(3月26日まで)。プロフィール欄によると、北島は1954年長野県生まれ。81年日本写真協会新人賞、83年第8回木村伊兵衞賞、2007年第32回伊奈信男賞、10年第26回東川賞国内作家賞、日本写…
今日撮影した花。撮影場所は墨田区文花の小さな植物園と近所の団地の植え込みなど。 まずカンアオイ(寒葵)の花、これが花とは! スズクサ科で、葉はギフチョウの食草になっている。 シュンラン(春蘭)の花、子どもの頃ジジババと呼んでいた。花を分解する…
『自選 谷川俊太郎詩集』(岩波文庫)を読む。谷川は1931年生まれの天才詩人で、18歳のときに三好達治の推薦で『文学界』に詩が掲載され、20歳で処女詩集『二十億光年の孤独』が創元社から刊行される。以後現在までに60冊以上の詩集を刊行している。 巧い詩…
ローズマリーといえば植物の名前だ。料理に入れて香辛料としても使われる。Wikipediaによれば、次のように書かれている。 ローズマリーは、地中海沿岸地方原産で、シソ科に属する常緑性低木。生葉もしくは乾燥葉を香辛料として用いる。また精油は薬にも用い…
金井美恵子『ピクニック、その他の短篇』(講談社文芸文庫)を読む。カバーのデザインがきわめて上品だ。ところがこれがたったの2色印刷で作られている。デザイナーは当然菊地信義だった。 本書は金井美恵子の短篇12篇から成っている。それらは1992年に発行…
ここ半年間ほどで採集した閉店のお知らせ各種。
Mさんのご主人が顔を洗わない人だという。朝も、お風呂でも顔を洗ってないようよと言う。じゃあ、と尋ねた。そんな汚い顔としょっちゅう頬ずりしてるの? 彼女、答えに詰まっていた。顔を洗わないと聞いて思い出すのは「整体協会」主催の野口晴哉の『風邪の…
3月10日の午前中に飛び交う杉花粉をぬって春の花々を撮影した。 富士桜が満開になっていた。富士桜は園芸上の名前で、植物学の和名としてはヤブザクラ。 ヒメリュウキンカも咲き始めた。 これはキクザキイチゲ。 ユキワリソウ、雪割草だ。 こちらはユキワリ…
東京都中央区「人形町Vision's」の堀由樹子展を見る(3月16日まで)。堀は1971年東京生まれ、1994年に東京造形大学絵画専攻を卒業し、1995年に同大学絵画専攻研究生を修了している。1995年にJ2ギャラリー、その後なびす画廊、ギャラリー山口、ギャラリー千…
伊東乾『なぜ猫は鏡を見ないのか?』(NHKブックス)がおもしろい。変なタイトルだが、副題は「音楽と心の進化誌」。伊東は作曲家、指揮者で東京大学作曲指揮研究室准教授でもある。猫や犬は鏡を見てそれが自分だと認識することができない、それがタイトルの…
3月3日に近所を回って花を撮影した。杉花粉の飛散がひどかったので、早々に帰宅したのであまり多くを撮影することはできなかった。 アザミの1種とタンポポが並んでいた。このアザミはアメリカオニアザミだろうか? クリスマスローズが咲き始めた。 ホトケ…
高橋秀美『はい、泳げません』(新潮社)を読む。成毛眞が『面白い本』(岩波新書)で次のように書いていた。 『はい、泳げません』(高橋秀美著=新潮文庫)は間違いなく大爆笑してしまうので、電車の中で読むと大変なことになる。 本書は、エンタメ系ノン…
山田宏一『トリュフォーの手紙』(平凡社)を読む。わが愛する金井美恵子が去年9月30日の毎日新聞のコラム「私の好きなもの」で、本書を取り上げていた。それでは読まずばなるまい。 題名からトリュフォーの手紙がそのまま山田宏一の編集で1冊の本になって…
上田正昭『私の日本古代史』(新潮選書)上下2巻を読む。85歳になった古代史学者が、その研究成果を一般読者向けに集大成したもの。さすがに、日本の古代史研究の現在がコンパクトにまとめられている。上巻の副題が「天皇とは何ものか−−縄文から倭の五王ま…
池内紀 編『尾崎放哉句集』(岩波文庫)を読む。放哉は名前くらいは知っていたが、ちゃんと読むのは初めてだった。山頭火との違いもあいまいだった。脚本家の早坂暁が放哉を主人公にした映画を作るべく、すでにシナリオを完成させ、監督を探しているとエッセ…
朝日歌壇に老いを嘆く歌が2人の選者に採られて掲載された(2月25日)。馬場あき子と高野公彦に選ばれた半田市の石橋美津子の歌は、 ああつひに席譲らるる日の来たり決めたとほりにありがたうと言ふ 高野の評は「席を譲られ、寂しさを隠して感謝する良き人…
朝日新聞に「悪質アプリにご注意−−スマホ情報流出」という記事が載った(2月24日)。不正アプリを使ってスマートフォンの個人情報を抜き取る手口が、昨年末から再び活発化しているという。アプリに電話帳のメールアドレスを流出させるソフトを組み込み、そ…
東京銀座1丁目のギャラリー巷房で川井由夏展が開かれている(3月2日まで)。川井は1986年多摩美術大学デザイン科染織デザイン専攻を卒業し、1988年同大学大学院美術研究科を修了している。その後、アメリカで学び、後に文化庁派遣芸術家在外研修制度でロ…