ANDOギャラリーの中沢研展「30組」が興味深い


 東京都江東区木場公園近くのANDOギャラリーの中沢研展「30組」が興味深い(4月27日まで)。中沢は1970年東京生まれ、1994年に多摩美術大学大学院美術研究科絵画専攻を修了している。1992年にINAXギャラリー2で個展を開いた後、ギャラリー現やギャラリー山口などで個展を続け、最近はギャラリー58とアンドーギャラリーで個展を繰り返している。




 今回の展示は、昨年と似ているが微妙な点で異なっている。構造がいっそうシンプルになっているのだ。まず細い鉄線をコの字型に曲げ、2本の足で立てる。「丹」の字から真ん中の点を取り、横棒のはみ出た部分を落として縦に長く引き伸ばすと今回の形に近くなる。Hの上を結んだ形と言ってもいいが。そのHを結ぶ真ん中の結節点から長く水平に細い棒を2本伸ばす。それが基本的な単位(ユニット)になる。そのユニットを2個向かい合わせ、伸ばした2本の棒(腕)を向かい合った相手の結節点に載せる。2人の人が向かい合って、伸ばした腕を相手の肩に置いたような形になる。このセットを5個並べて1列にしている。それが6列ある。5×6=30、それで個展のタイトルが「30組」。
 昨年との違いはもう1点。昨年のように鉄線を錆びさせていない。鉄線はすべて白く塗られており、ギャラリーの空間を再構成しながら半ば空間に溶け込んでもいる。
 中沢のインスタレーションは、いつも「意味」を持たせることのない空間の再構成なのだ。とは言え、ジャッドのミニマルとも微妙に異なっている。ミニマルと言うには中沢のインスタレーションは造形的であるように思う。

       
アンドーギャラリーの中沢研展(2012年3月11日)
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中沢研展「30組」
2013年2月5日(火)−4月27日(土)
11:00−19:00(日・月・祝日 休廊)
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アンドーギャラリー(ANDO GALLERY)
東京都江東区平野3-3-6
電話03-5620-2165
http://www.andogallery.co.jp
地下鉄半蔵門線清澄白河駅B2出口より徒歩10分
地下鉄大江戸線清澄白河駅A3出口より徒歩12分
地下鉄東西線木場駅3番出口より徒歩15分
東京都現代美術館から徒歩5分くらい
ギャラリーの前にスーパーのAEON Max Valu Expressがある。