2023-06-01から1ヶ月間の記事一覧

いりや画廊の飯島祐奈展を見る

東京入谷のいりや画廊で飯島祐奈展が開かれている(7月8日まで)。飯島は1995年東京都生まれ、2018年女子美術大学芸術学部美術学科立体アート専攻卒業、2021年同大学大学院美術研究科博士前期課程美術専攻立体芸術研究領域を修了している。2020年、「第3回…

桑原武夫『文明感想集』を読む

桑原武夫『文明感想集』(筑摩書房)を読む。1970年代前半頃あちこちに描いたエッセイを集めたもの。「今西錦司について」は今西の全集のための解説だが、今西の偉大さをよく示している。でも20年以上前に今西の孫弟子にあたる京都大学の昆虫学者に会ったと…

ギャラリー惣の横田節子展を見る

東京銀座のギャラリー惣で横田節子展が開かれている(7月1日まで)。横田は群馬県生まれ、今年88歳になるという。60歳から絵を描き始め、70歳でギャラリー汲美で初個展、最近は毎年ギャラリー惣で個展を開いている。 ギャラリー汲美で個展を開いたとは、オ…

ギャラリー58のハモニカ佐藤展を見る

東京銀座のギャラリー58でハモニカ佐藤展が開かれている(7月1日まで)。佐藤は1951年高知県生まれ、1971年航空高専機械工学科を修了している。最近はK’sギャラリーやギャラリーQ、ギャラリー58などで個展を開いている。 ギャラリーに添付されていた佐藤の…

巷房の吉田公美展を見る

東京銀座の巷房・1で吉田公美展「repeat」が開かれている(7月1日まで)。吉田公美は2002年に武蔵野美術大学大学院を修了している。ここ巷房のほかギャラリー58で個展を重ねてきた。 「窓とドア」 ギャラリーの中央に細長い階段が床から天井まで続いてい…

桑原武夫『思い出すこと忘れえぬ人』を読む

桑原武夫『思い出すこと忘れえぬ人』(講談社文芸文庫)を読む。桑原の出生時から旧制高校1年の夏休みまでを記した著者唯一の自叙伝だという。桑原は第一流の学者であるが、とりわけ劇的な生涯は送っていない。しかも旧制高校1年までの自伝だから、とりわ…

中央公論新社 編『対談 日本の文学 わが文学の道程』を読む

中央公論新社 編『対談 日本の文学 わが文学の道程』(中公文庫)を読む。1960年代の後半に中央公論社から『日本の文学』全80巻が刊行された。その月報の対談を編集したもの、全3巻で刊行予定の2冊目。29篇が収録されている。 武者小路実篤と本多秋五が対…

ガルリH(アッシュ)の木村桃子展を見る

東京日本橋小舟町のガルリH(アッシュ)で木村桃子展「袋を積む」が開かれている(7月1日まで)。木村は1993年東京都生まれ、2017年に武蔵野美術大学造形学部彫刻科を卒業し、2019年に同大学大学院造形研究科修士課程美術研究彫刻コースを修了している。20…

高見澤潤子『兄 小林秀雄』を読む

高見澤潤子『兄 小林秀雄』(新潮社)を読む。小林秀雄の妹潤子はマンガ『のらくろ』の作者田河水泡と結婚して高見澤潤子となった。兄を深く尊敬していて、小林秀雄が亡くなった2年後、雑誌『新潮』に兄の思い出を連載する。 妹しか知らないプライベートなエ…

ギャラリーQの李晶玉展を見る

東京銀座のギャラリーQで李晶玉展「BLUEPRINT」が開かれている(7月1日まで)。李は1991年東京都生まれ、2018年に朝鮮大学校研究院総合研究科美術専攻課程を修了している。2018年にeitoeikoで初個展、ギャラリーQでは3回目、ほかに原爆の図丸木美術館でも…

ギャラリーゴトウの「アート・オブ・オーストラリア展」を見る

東京銀座のギャラリーゴトウで「アート・オブ・オーストラリア展」が開かれている(6月24日まで)。このアート・オブ・オーストラリア展というのは、実はアボリジニアート展なのだ。アボリジニという言葉が分かりにくいからとこんなタイトルにしたのだろう…

藍画廊の中野由紀子展を見る

東京銀座の藍画廊で中野由紀子展「移動、屋根と輪郭」が開かれている(6月24日まで)。中野は1989年東京都生まれ、2013年に多摩美術大学美術学部絵画学科油画専攻を卒業し、2015年に同大学大学院絵画専攻油画研究領域を修了している。2016年に藍画廊で初個…

ギャラリーなつかの太田三郎展を見る

東京京橋のギャラリーなつかで太田三郎展「Book jacket」が開かれている(6月27日まで)。太田は1950年山形県生まれ。1971年に鶴岡工業高等専門学校機械工学科を卒業している。1980年よりシロタ画廊をはじめコバヤシ画廊やギャラリーなつかなどで個展を多数…

岡田暁生・片山杜秀『ごまかさないクラシック音楽』を読む

岡田暁生・片山杜秀『ごまかさないクラシック音楽』(新潮選書)を読む。裏表紙の惹句を引く。 西洋音楽のオモテとウラがよくわかる「最強の入門書」! バッハは戦闘的なキリスト教伝道者。ベートーヴェンは西側民主主義のインフルエンサー。ロマン派は資本…

ギャラリー惺の「遡行と変容」を見る

東京吉祥寺のギャラリー惺で「遡行と変容-過ごしてきた時間と描かれた絵」が開かれている(6月18日まで)。3人の作家のグループ展で、藤澤江里子、小林良一、渡辺伸が参加している。 藤澤江里子は1960年東京都生まれ、1983年に武蔵野美術大学造形学部基礎…

コートギャラリー国立の「平和を願う美術家の集まり―東京展」を見る

東京国分寺市のコートギャラリー国立で「平和を願う美術家の集まり―東京展」が開かれている(6月20日まで)。本展は2012年より京都で開催されてきたが、本年より隔年で東京と京都で行われることになったという。今回が第10回となり、参加作家は49名にのぼる…

大岡昇平『成城だよりⅢ』を読む

大岡昇平『成城だよりⅢ』(中公文庫)を読む。1985年、大岡75-76歳の時の日記。大岡はこの3年後に亡くなっている。『成城だより』の最終巻。外出して映画館でちょっと寒かったとき風邪を引いている。遠くまで散歩に出られないなど健康の不安を訴えている。…

養清堂画廊の山中現展を見る

東京銀座の養清堂画廊で山中現展「おもいでのかたち」が開かれている(6月17日まで)。山中は1954年福島県喜多方市生まれ。東京芸術大学で油絵を学び、同大学院で木版画を専攻。1984年に西武美術館版画大賞展で受賞し、以後個展を中心に発表を続ける。各地…

ギャルリー東京ユマニテbisの保坂航子展を見る

東京京橋のギャルリー東京ユマニテbisで保坂航子展「真鏡Ⅱ」が開かれている(6月17日まで)。保坂は福島県生まれ、2016年武蔵野美術大学大学院造形研究科修士課程彫刻コースを修了している。2007年ギャラリー山口で初個展、2016年よりここギャルリー東京ユ…

桑原武夫『人間素描』を読む

桑原武夫『人間素描』(筑摩叢書)を読む。これは桑原の師友のポートレートを集めたエッセイ集だ。「将来この偉大な博士たちを研究するさいの資料になりうるかもしれない。外的些末事と見えることが、学問や芸術の本質と深くかかわりうるというのが私の考え…

トライギャラリーのおおらいえみこ展を見る

東京お茶の水のトライギャラリーでおおらいえみこ展「森日和」が開かれている(6月15日まで)。おおらいは武蔵野美術大学で学び、のち銅版画を古茂田杏子に学んでいる。 DM葉書のおおらいの言葉。 子供の心でお出かけください。 日和の森では百獣の王も や…

AIの支配する世界

宇宙論・太陽系外惑星の研究者須藤靖が「門前のAI習わぬ経を読む」でAIの支配する世界について書いている(『UP』2023年6月号)。 すでにChatGPTを用いた無料英会話家庭教師のアプリが実現しているらしい。英会話に限らず、外国語学習には福音だ(注2)。…

FORM コンテンポラリーの新井碧展を見る

東京銀座のFORM コンテンポラリーで新井碧展「持続する線」が開かれている(6月20日まで)。新井は1992年茨城県生まれ、2015年に東京造形大学造形学部美術学科絵画専攻を卒業し、2022年に京都芸術大学修士課程油画専攻を修了している。主に関西方面や東京な…

ギャラリー睦の吉岡まさみ展を見る

千葉市のギャラリー睦で吉岡まさみ展が開かれている(6月14日まで)。吉岡は1956年、山形県生まれ。1981年に東京学芸大学教育学部美術科を卒業している。1982年に東京のかねこ・あーとGIで初個展、以来同画廊やときわ画廊、巷房などさまざまな画廊で個展を…

ギャラリー・ビー・トウキョウの檜垣春帆展を見る

東京京橋のギャラリー・ビー・トウキョウで檜垣春帆展「・ , watcher s」が開かれている(6月10日まで)。檜垣は1995年神奈川県生まれ、2020年に多摩美術大学大学院美術研究科博士前期課程絵画専攻油画研究領域を修了している。2020年「FACE2020」特別審査…

うしお画廊の石井紀湖展を見る

東京銀座のうしお画廊で石井紀湖展「-月をさがす2023-」が開かれている(6月10日まで)。石井は東京藝術大学彫刻科を卒業し、大学院を修了している。ギャラリー山口やみゆき画廊、最近ではうしお画廊やギャルリー東京ユマニテbisで個展を繰り返している。…

梅野記念絵画館で山本弘展が開かれる

長野県の東御市梅野記念絵画館で山本弘展「All is vanity. 虚無と孤独の画家-山本弘の芸術」が開かれることになった。期間は9月9日から11月26日までのほぼ2カ月半。美術館の紹介文を引く。 山本弘は、青春期を戦中、戦後混乱期に過ごし、価値観が逆転し…

吉田秀和『音楽家の世界』を読む

吉田秀和『音楽家の世界』(河出文庫)を読む。副題が「クラシックへの招待」で、本書は最初、雑誌『新女苑』の別冊付録として書かれ、その後1950年に単行本化され、さらに1953年に創元社から文庫版が出版された。だから70年以上前に描かれた入門書だ。 古い…

ガルリアッシュ(H)の広瀬里美展を見る

東京日本橋小舟町のガルリアッシュ(H)で広瀬里美展「寄る辺」が開かれている(6月10日まで)。広瀬は1998年埼玉県生まれ、2022年に東京藝術大学美術学部彫刻科を卒業し、現在同大学大学院美術研究科彫刻専攻に在籍中。今回が初個展となる。 広瀬のテキス…

高島屋日本橋本店6階美術画廊Xの星山耕太郎展を見る

東京日本橋の高島屋日本橋本店6階美術画廊Xで星山耕太郎展が開かれている(6月5日まで)。星山は1979年東京都生まれ、2003年に多摩美術大学絵画学科日本画専攻を卒業している。ギャラリーQやA. C. T.で個展を開いた後、2018年からここ高島屋美術画廊Xで個…