東京銀座の藍画廊で中野由紀子展「移動、屋根と輪郭」が開かれている(6月24日まで)。中野は1989年東京都生まれ、2013年に多摩美術大学美術学部絵画学科油画専攻を卒業し、2015年に同大学大学院絵画専攻油画研究領域を修了している。2016年に藍画廊で初個展、以来藍画廊を中心に個展を重ねている。
ちょっと変わったタイトルについて、DMに次のように書いている。
通勤中に電車の窓の外に流れている景色は毎日変わり映えないように見えて、ゆっくり季節が変わっていく様子に逆に現実味を感じないこともあります。
「どこにいるんだろう」と思うような気持で、少し曖昧な風景を、より一層輪郭をぼやかして絵を描きたいと思いました。
またDMの略歴にも「生活の中や夢で見た気になる風景を、記憶を手繰り寄せながら浮遊感を感じさせる絵画作品を制作している」とある。
まさにそのような作品を展示して見せてくれている。中野の作品を見れば目が喜んでいるようだ。気持ちの良い体験を味わうことができる。穏やかな色彩と浮遊感のある形がそうさせるのだろう。
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中野由紀子展「移動、屋根と輪郭」
2023年6月19日(月)-6月24日(土)
11:30-19:00(最終日18:00まで)
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藍画廊
東京都中央区銀座1-5-2 西勢ビル3階
電話03-3567-8777