藍画廊の若宮綾子展を見る

 東京銀座の藍画廊で若宮綾子展が開かれている(4月7日まで)。これがとても良かった。若宮は1966年神奈川県横浜生まれ、1989年女子美術大学芸術学部洋画科油絵専攻卒業、1990年同大学芸術学部研究課程を修了している。1993年に藍画廊で初個展、以来毎年のように藍画廊で、また西瓜糖やギャラリーGAN、ガルリSOL、トキ・アートスペースなどで個展を行っている。





 いつもオブジェのような作品を作ってきたが、今回はインスタレーションを展開している。画廊の左手の壁と正面の壁の床すれすれのところに板のような作品が並んでいる。これが素晴らしく美しい造形だ。シナベニヤを彫刻刀で薄く削りそれに着色している。見るからに軽い印象で、少し床から浮いたり床に触れたりしている。その浮遊感、その軽量感、その質感が何とも言えず素晴らしい。目が引き付けられてしまう。



 そのほか、床や壁面に同じ材料で作った箱型のオブジェが展示されている。そのオブジェだけ見ると一見ぶっきらぼうな印象だが、床すれすれに並べられた作品の延長だと思って見ればこれが艶めかしく見えるから不思議だ。
 今まで若宮の個展をほとんど見てきたつもりだが、こんなにも優れた作家だと気づかなかった不覚を恥じる。多くの人にこの展示をみてもらいたい。
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若宮綾子展「居間―VII−」
2018年4月2日(月)―4月7日(土)
11:30−19:00(最終日18:00まで)
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藍画廊
東京都中央区銀座1-5-2 西勢ビル2F
電話03-3567-8777
http://igallery.sakura.ne.jp/