2020-02-01から1ヶ月間の記事一覧
東京浅草橋のTAKU SOMETANIギャラリーでみょうじなまえ個展が開かれている(3月15日まで)。みょうじは2019年度東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻を卒業し、現在同大学大学院博士課程に在籍中。今回が初個展となる。 作家のテキスト 性別、国籍、所属、名…
鶴見俊輔『思い出袋』(岩波新書)を読む。これがダントツ素晴らしかった。新書だが内容はその分量の何倍も濃い。鶴見が岩波書店のPR誌『図書』に晩年7年間毎月連載した短いエッセイをまとめたもの。新書という小さな本に84篇、1篇が400字詰め原稿用紙約3枚…
鬼海弘雄対話集『ことばを写す』(山岡淳一郎=編、平凡社)を読む。写真家の鬼海が8人と対談している。その8人は、山田太一、荒木経惟、平田俊子、道尾秀介、田口ランディ、青木茂、堀江敏幸、池澤夏樹らだ。 対談は普通主体として語るインタビューされる人…
東京砧公園の世田谷美術館で「村井正誠あそびのアトリエ」が開かれている(4月5日まで)。ちらしのデザインなどがやや控えめな印象だったが、今回の展示は世田谷美術館所蔵の作品を中心にしたもののようだ。村井は1905年に岐阜県で生まれ、1999年に世田谷の…
東京上野の東京都美術館で東北芸術工科大学の卒業・修了展と京都造形芸術大学の「フィールドワーク」展が開かれている(2月26日まで)。気になった作品をいくつか紹介する。 ●以下、東北芸術工科大学 土井沙織 青木優歩 ●以下、京都造形芸術大学 山本友梨香 …
東京六本木の国立新美術館で五美大展が開かれている(3月1日まで)。気になった作品を紹介する。 森山園子(東京造形大学) 沖綾乃(武蔵野美術大学) 神農理恵(武蔵野美術大学)捨てられていた軽石ブロックにパラフィンなどで造形した 寺島千尋「立つ人」…
高橋源一郎『間違いだらけの文章教室』(朝日文庫)を読む。以前、『ぼくらの文章教室』として単行本で出ていたものを改題し、学生たちの書いた「吉里吉里国憲法前文」を加筆したもの。 例文にいくつもの文章が引用されている。最初の文章は、木村センという…
座・高円寺で芝居『大いなる平和』を見る。これは毎年恒例の座・高円寺の劇場創造アカデミー10期生修了上演で、原作がエドワード・ボンドの『戦争戯曲集三部作』、3幕の演出がそれぞれ松本修、生田萬、佐藤信が担当している。上演時間が6時間半! 3幕それぞ…
東京江東区平野のアンドーギャラリーで中沢研展が開かれている(4月18日まで)。中沢は1970年東京生まれ、1994年に多摩美術大学大学院美術研究科絵画専攻を修了している。1992年にINAXギャラリー2で個展を開いた後、ギャラリー現やギャラリー山口、ギャラリ…
東京神宮前のトキ・アートスペースで高橋理加展「Nussun dorma~誰も寝てはならない」が開かれている(2月23日まで)。東京での個展は8年ぶりだという。高橋は1963年東京生まれ、多摩美術大学絵画科を卒業している。画廊のホームページに高橋のだろう言葉が掲…
東京京橋のギャラリーなつかで酒井香奈展が開かれている(2月29日まで)。酒井は1969年茨城県生まれ、1992年に武蔵野美術大学造形学部油絵学科を卒業し、1994年に同大学大学院造形研究科美術専攻油絵コースを修了している。2008年と2010年にこのなつかで個展…
東京銀座のガルリSOLで島田佳樹個展「すべて、太陽のせいです。」が開かれている(2月22日まで)。島田は1994年埼玉県生まれ、2019年東京藝術大学大学院美術研究科彫刻専攻修了。今回が初個展となる。 画廊には何本もの木の柱が立っている。根元には錘のよう…
鬼海弘雄『靴底の減りかた』(筑摩書房)を読む。厳しい写真を撮っている鬼海の文字だけのエッセイ集だ。いや、32ページのモノクロ写真が挟み込まれているが。 鬼海は淡々と書き綴っていく。事件はほとんど起こらない。いや鬼海はトルコだけで15年間に6回旅…
東京銀座のStepsギャラリーで追悼展ミラン・トゥーツォヴィッチが開かれている(2月27日まで)。ミラン・トゥーツォヴィッチは1965年旧ユーゴスラヴィアに生まれ、1991年にベオグラード藝術大学興行学部を卒業し、2019年に心筋後梗塞のために亡くなった。今…
東京神宮前のトキ・アートスペースで山添潤彫刻展「きざみもの」が開かれている(2月16日まで)。山添は1971年京都府生まれ、1995年にKOBATAKE工房を修了している。2004年にギャラリー4GATSで初個展、以来京都や東京の画廊で個展を繰り返している。ここトキ…
東京の府中市美術館で青木野枝展「霧と鉄と山と」が開かれている(3月1日まで)。青木の略歴を美術館のホームページから引く。 1958年東京都生まれ。鉄板から切り抜いた形をつなげて広い空間に展開し、新しい彫刻のかたちを提案している。近年はガラスや石膏…
東京墨田区江東橋の無人島プロダクションで風間サチコ展「セメントセメタリー」が開かれている(3月8日まで)。風間は1972年東京生まれ、1996年武蔵野美術学園版画研究科を修了している。1998年にギャラリー山口で初個展、その後、ギャラリー手、マキイマサ…
荒木経惟『写真ノ説明』(光文社新書)を読む。2016年の2月、4年前に発行されている。アラーキーの過去の写真を取り上げて本人が解説している。 まず光文社新書編集部の企画が安直ではないだろうか。アラーキーの写真は繰り返しダイジェストして紹介されてい…
河合隼雄『猫だましい』(新潮文庫)を読む。「猫たましい(魂)」と「猫だまし(騙し)」をかけているという。河合はユング派の臨床心理学者、月刊雑誌に1年間連載したものをまとめている。猫に関係する小説を取り上げて魂を語ろうという。 取り上げられる…
六本木の国立新美術館で「第18回NAU21世紀美術連立展」を見る(2月16日まで)。NAUというのは、New Artist Unit Exhibitionの略。知人が何人か参加している。知人たちの作品を紹介する。 湯沢茂好 私と同郷の作家、銀座のギャラリー檜で個展を続けている 瀬…
東京六本木の国立新美術館で「DOMANI・明日2020」が開かれている(2月16日まで)。文化庁が派遣して世界各地で研修した作家たち10 人が取り上げられている。それは、石内都、畠山直哉、米田知子、栗林聡・栗林隆、日高理恵子、宮永愛子、藤岡亜弥、森淳一、…
千葉市稲毛の千葉市民ギャラリー・いなげで堀由樹子展「空と森と、」が開かれている(2月23日まで)。堀は1971年東京生まれ、1994年に東京造形大学絵画専攻を卒業し、1995年に同大学絵画専攻研究生を修了している。1995年にJ2ギャラリー、その後なびす画廊、…
東直子歌集『青卵(せいらん)』(ちくま文庫)を読む。東2冊目の歌集。その歌のいくつかを引く。 ママンあれはぼくの鳥だねママンママンぼくの落とした砂じゃないよねピストルに胸を刺されて死んだのよ、ママン、水着の回転木馬煙立つ終点の駅我がドアを砂…
飼っていた猫が死んだ。チビ19歳と半歳(推定)だった。人間でいえば95歳くらいか。2000年9月頃公園で雨に濡れて弱っていた子猫をカミさんが拾ってきた。動物病院に連れて行くと生後2か月くらいで、寄生するノミが多く野良の母猫が生んだものだろうと診断さ…
養老孟司『形を読む』(講談社学術文庫)を読む。副題が「生物の形態をめぐって」とあり、解剖学者の立場から生物、とくに動物の形態を論じている。『バカの壁』がベストセラーになった解剖学者の3冊目の著作で、解剖学という基礎学をじっくり研究した人だか…
朝日新聞の「朝日歌壇」に吉島覚の歌が馬場あき子選で載っている(2月2日付け)。 年越して訳の分からぬ一体感真夜の獄舎に静かな熱気 (広島市)吉島覚 獄舎と詠っていて広島市在住とあるから広島刑務所に服役中なのだろうか。今まで気がつかなかったが、ネ…
東京初台の東京オペラシティアートギャラリーで白髪一雄展が開かれている(3月22日まで)。白髪の作品は近年欧米で評価が高く、1点数億円で取引されているらしい。展覧会のちらしから、 白髪一雄(1924-2008)は、戦後日本の前衛芸術を牽引した具体美術協会…